どうも、次回の展覧会へむけ、
大作にとりかかった黒沼です。
私はバロック絵画が大好きで、
暗い部屋にモチーフを
こんな感じ組んで、スポットライト
をあてて描いています。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/DSC_0758-227x300.jpg?resize=398%2C526)
私の展覧会についてはこちら
さて、最近は続けて、西洋美術史
シリーズを書いています。
美大に通う私が美術史の授業、
教授の話、本で手に入れた
美術史情報をアップしていくので、
チェックしてみてくださいね!
今回はフォーヴィスムの美術
について解説します!
目次
フォービズムの画家や絵画作品の特徴
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/Andre-Derain-Drying-the-Sails-300x242.jpg?resize=466%2C376)
ポスト印象派の画家、ゴッホやゴーギャンは
色彩を再現のためではなく、
感情の表現のために使いました。
この流れを引き継ぎ、より高めたのが
フォーヴィスムの画家たちでした。
彼らの絵画はゴッホやゴーギャン以上に
自由な固有色(人の顔を水色で描くとか)
を使いました。
また、色彩をよりいきいき使うべく、
筆のタッチも激しくなり、
モチーフの形は正確さを失っていきました。
フォービズムの名前の由来
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/bc32e3d54afce190e4b74647eebea3cd-300x252.jpg?resize=450%2C378)
そんな絵画を当時最も自由な展覧会、
アンデパンダン展で見た批評家の
ヴォークセルは
「この部屋は野獣のオリだな」
とつぶやいたそう。
これがフォービズム(野獣派)の名
の由来となったようです。
フォーヴィスムも印象派と同様、
悪いあだ名がそのまま名前
になったんですね。
フォーヴィスムはフランスの
美術アカデミーの
エコール・デ・ボザールで
起こりました。
(この頃モローが教師を
していたようです)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/20091129232529e27-300x249.jpg?resize=511%2C424)
フォーヴィスムの画家は
激しい色と筆のタッチを用いましたが、
フランス絵画の伝統を守り、
画面構成を重視したようです。
モチーフの形は正確でなくなりましたが、
画面全体の形選びにはこだわったんですね。
フォービズムの有名な画家たち
マティス
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/image-2-300x216.jpg?resize=438%2C315)
マティスはフォーヴィスムの画家
のなかでも特に有名な画家です。
マティスはピカソと並ぶ、
20世紀最大の巨匠と言われています。
後の時代に起こる熱い抽象
(激しい色、激しい筆のタッチで
描く抽象絵画)
のルーツとも言われます。
(ピカソは冷たい抽象のルーツ
と言われています。)
一見、とても自由に色を使い、
形の正確さには頓着しない画家に
見えますが、そんなことはないようです。
マティスは超努力家だった
マティスは修行時代、アカデミーの中でも、
ひときわ熱心にデッサンや模写に
取り組んだ画家であるようです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/ダウンロード-1-1.jpg?resize=498%2C357)
マティスは修行時代、緻密な
17世紀オランダ絵画↑を模写し、
絵画の画面構成や描写技術を
勉強したようです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/a3314013438_10-300x199.jpg?resize=558%2C370)
実際、とても自由な形を描いているよう
に見える 「ダンス」のシリーズ↑も
骨格的に正しく、プロポーション
(頭身バランス)のみをアレンジして
描いた絵画なんです。
早熟であったピカソに対し、マティスは
遅咲きの画家で、たゆまぬ努力の末、
20世紀を代表する画家になったんですね。
マティスは固有色(モチーフ自体の色)に
とらわれない自由な色使いで描きましたが↓
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/o0400056213910912408-214x300.jpg?resize=316%2C443)
「自分で描いたような
女性に道で会ったら、ぞっとするね」
と言っていたようです(笑)
ブラマンク
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/4ad286c952dd04971e4eda59068fbe7f-maurice-de-vlaminck-landscape-art-300x253.jpg?resize=440%2C371)
ヴラマンクはフォーヴィスムの中
でも最も
激しい色使い、筆のタッチ
を好んだ画家でした。
ゴッホに強い影響を受け、いかにも
フォーヴィスムらしい絵画を
描いています。
しかし、晩年は抑制のきいた
モノクロームに近い絵画を描いており、
これらも別の意味で
魅力的のある作品となっています。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/2da043ab-s-300x243.jpg?resize=446%2C361)
他にもフォービズムの
画家を何人か紹介します。
マンギャン
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/img_13_m-243x300.jpg?resize=340%2C420)
マルケ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/ダウンロード-7.jpg?resize=400%2C330)
ドランとデュフィはフォービズムの
画家でしたが、後に大きく作風を変えました。
ドラン
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/Andre-Derain-Drying-the-Sails-300x242.jpg?resize=387%2C312)
↓
↑の絵「アルルカンとピエロ」は
ロココ期以来の伝統的なテーマでした。
デュフィ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/exhibition_pic2-300x246.jpg?resize=463%2C380)
↓
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/d1-300x205.jpg?resize=460%2C314)
↑の「オーケストラ」のように
デュフィは音楽をモチーフに
独自の絵画スタイルを生み出しました。
フォービズムの画家の絵画の作品の特徴まとめ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/20091129232529e27-300x249.jpg?resize=459%2C381)
今回はフォービズム
について紹介しました。
フォーヴィスムの特徴
はまとめると
・世紀末の雰囲気を妖しくも美しく表現
・緻密で装飾的な独特の世界
・夢の中のような幻想的な世界
といった感じですね。
実はフォーヴィスムはこれといった
共通理念もなく、時期も短かい
ちょっとしたブームのようなものでした。
ドランやデュフィのように後に
自分流の作風へ大きく変えた画家
も多かったようです。
次回はドイツ表現主義について紹介します。
↓西洋美術史についてはコチラ↓
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/06/画家と美術史-300x176.jpg?resize=725%2C422)