絵画のタイトルのつけ方がわからない
絵画のタイトルをつける意味がわからない
そんな悩みを持つことは絵を描く人
なら1度はあるかもしれませんね。
今回は100枚以上絵を売った経験をいかし、
効果的なタイトルのつけ方について
解説していきます。
名画につけられたタイトルの意味
についても解説するので、
是非最後まで呼んでみてくださいね。
目次
絵画のタイトルは作品の意味を語る
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/03/wood-721871_960_7201.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
絵画にタイトルをつける
最も大きな理由は作品の意味や、
表現の意図を端的に伝えるためでしょう。
あくまで、ビジュアルのみで
表現を楽しんで欲しい
そんな方が「無題」というタイトルを
つける場合がありますが、
個人的にはあまりオススメしません。
せっかく絵を見に来てくれた人に対し、
サービス精神に欠けると思いますし、
コミュニケーションに消極的な態度
に思えるからです。
「無題」というタイトルを見て、
「ああ、そうですか プイッ」
といった態度で絵の前を
離れる人もいます。
わかりやすく、内容を説明する必要
はないと思いますが、
絵画鑑賞の入り口の一つを
自らふさいでしまうのは、
もったいないと思います。
絵画のタイトルは作家の人となりを語る
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/tate-2684212_12802.jpg?resize=728%2C675&ssl=1)
絵画のタイトルには、作家自身の個性
がかなり強くにじみ出ます。
作品タイトルを見ただけで、
この絵の作者は
「ドライだな」「センチメンタルな人かな」
「スポコンタイプだな」
みたいな想像ができて、結構面白いですよ。
そして、実際のその絵の作者に出会って
話を聞くと、
その通りだったり、真逆だったりと
どちらの結果でも面白いものなんです。
また、作品タイトルを見ただけで、
この絵の作者は
「趣味で絵を描くおじいちゃんかな」
「美大生っぽいな」
とかも想像が膨らむので面白いです。
絵画のタイトルのつけ方ではなく、
展覧会の楽しみ方としても、
今回のお話は役に立つかもしれません。
絵画のタイトルは共感のきっかけになる
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/light-bulb-2010022_960_7201.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
絵画のタイトルを見て、絵の表現内容が
わかった瞬間、
よりその絵画を好きになる
そんな経験をしたことが
ある人も多いでしょう。
知的で難解なコンセプト重視の
欧米式現代アートが流行した結果
近代以前の絵画(王様や殿様、
寺や教会に献上されていたような絵)
が持っていた、スペクタクル感、
無視できない存在感、
グッとくる共感できる見た目
といった感覚的な要素が
読み取れない作品が多くなり
共感できない作品が増えてしまいました。
その結果、【アート=よくわからない物】
という図式が完成しました。
鑑賞者が絵の世界に共感するきっかけ
になるようなタイトルをつけるのは
絵画という形式でコミュニケーションを
より積極的にとる姿勢と言えると思います。
自分は美術を専門的に勉強して
いないから、絵の表現意図がわからない
こんなコンプレックスを持つ方も
いるかもしれませんが、
気にすることはないと思います。
美大卒でも、
わからんものはわかりません。
絵画のタイトルは会話のきっかけになる
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/fax-1889016_960_7201.jpg?resize=720%2C720&ssl=1)
絵画のタイトルを見て、
「これはなんでこのタイトルなの?」
「これ、良いテーマだね。」
そんな感じで、お客様と作家の間で
会話が始まることがよくあります。
「無題」ではこうはいきません。
思い入れのあるタイトルを考えて、
絵につけて、それを語るだけでも
ギャラリーに絵を見に来たお客様を
楽しませることはできるのです。
絵画のタイトルの手本としてマグリットは微妙かも
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/images-3.jpg?resize=333%2C518&ssl=1)
絵画のタイトルで、
最も難解な画家の一人に
マグリットが挙げられるでしょう。
(↑の絵はピレネの城というそうです。)
彼の作品には、描かれた図像とは
一見関係なさそうなタイトルが
つけられています。
実は適当につけているわけではなく、
しっかりと意味が隠されている
らしいのですが、
隠されすぎてて、
なんのこっちゃわかりません。
我々がマネしてもあまり
意味はないかもしれません。
絵画のタイトルをつけるときのヒント
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/books-1015594_960_720.jpg?resize=720%2C720&ssl=1)
絵画のタイトルを思いつかない時、
まず試してみたいことを
いくつか紹介します。
小説から引用
好きな小説のタイトルや一節を
モチーフに絵を描き、タイトルをつける
というのも読書好きにはオススメです。
実際、美大受験の試験でも、小説の一節が
モチーフになって、
絵を描く課題がよくあります。
過去のアート作品から引用
これは多くの有名な画家も
やっているアイデアです。
過去の名画をモチーフに絵を描く
というのは、
パクリでもなんでもないのです。
克明に模写したものにサインを入れて、
真作として発表するのはマズイですが、
構図や色彩、意味などに独自の解釈を加え、
別の作品として発表するという制作は
これまでに多くの画家が試みています。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/無題-2.png?resize=271%2C311&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/4394d6d5f9ca51dbe283bd1b56fe1a1c1.jpg?resize=441%2C310&ssl=1)
有名な例でいえば、ピカソが
ベラスケスのラス・メニナスの
オマージュ作品を描いていますね。
そして、絵のタイトルにもラス・メニナスの
オマージュであることが明記されています。
かっこいい言葉をメモしておく
本を読んだ時、Twitterを見ていた時、
ふと風呂でひらめいた時、などなど
かっこいい言葉を思いついたら、
メモを取って置き、その言葉を
モチーフに絵を描くというのも
良いかもしれません。
具象絵画以外を描く作家は、
そんな制作プロセスを
とっている方も多いかもしれません。
絵画のタイトルで個展を開く場合
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/ラフ表面b.jpg?resize=728%2C525&ssl=1)
絵画のタイトルをそのまま
個展のタイトルにすることも、
結構あります。
実際以前、私は「椿の宴」という
個展タイトルをまず初めに決めて、
そのタイトルにふさわしい絵を
描いて、DMに使ったことがあります。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/09/ヘッダー.jpg?resize=543%2C315&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/09/椿の宴.jpg?resize=347%2C463&ssl=1)
この作品はめでたくご購入頂けました。
このように、個展のDMに掲載された
目玉作品は多少大きくても
売れることは多いです。
絵画のタイトルは自分で決めなくても良いかも
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/feedback-1889007_960_7201.jpg?resize=414%2C414&ssl=1)
絵画のタイトルを決められない。
良い作品が完成したけども、
その絵の雰囲気にあう
タイトルを思いつかない…
そんな話を前にしたら、私の代わりに
絵のタイトルを決めてくれた友達
がいました。
私もそれを気に入って、タイトルを
決定したのですが、
このように、あなたの人柄や作風を
知っている人に聞くと
良い感じのタイトルを提案してくれる
ことがあります。
絵画のタイトルのつけ方がわからない場合
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/white-male-1874768_960_720.jpg?resize=280%2C280&ssl=1)
絵画のタイトルのつけ方について、
ここまで様々な方法を
紹介してきましたが、
どうしても絵の見た目だけで勝負したい
でも「無題」は、なんか違う…
そんな場合はモチーフの名前を
そのままつけてしまうと良いでしょう。
絵の見た目だけで勝負したい
というあなたの意図は鑑賞者に伝わります。
同じモチーフを描き続ける画家の場合
同じモチーフを描き続ける画家の場合、
絵画のタイトルにモチーフの名前を
そのままつけると
同じタイトルの絵が大量に生まれ、
識別できなくなってしまいます。
特に展覧に出す絵の場合、
同じタイトルの絵がたくさんあると、
キャプションを用意したりする
時に混乱してしまいます。
「カーネーション」
「カーネーション」
「カーネーション」
みたいな感じでは展示の時に
混乱するわけです。
なので、その場合
「カーネーションⅠ」
「カーネーションⅡ」
「カーネーションⅢ」
みたいなタイトルをつけることに
しています。
絵画のタイトルをつけるのは日本人には難しい?
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/81306024015714.jpg?resize=700%2C383&ssl=1)
絵画のタイトルを思いつかない…
どうしても絵の見た目だけで
勝負したい
でも「無題」は、なんか違う…
だからモチーフの名前を
そのままつけてしまおう。
そんなことを考えていたか
どうかはわかりませんが、
日本や中国の絵画は、
描かれたモチーフの名まえが
そのままタイトルになっているものが
本当に多いです。
しかも、時代を問いません。
ヨーロッパやアメリカでは、近代以降特に、
作家個人の思い入れを反映したタイトルの
絵画が増えるのですが
日本の場合、明治以降も結構、
直球タイトルの絵が多いです。
もちろん、現代アートの世界では、
より抽象的だったり、詩的、文学的な
タイトルも多いですが、
コミュニケーションに積極的に思える
ネーミングは少ないように思えます。
よくわからんのです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/06/縦長バナーネット.jpg?resize=497%2C859&ssl=1)
絵画のタイトルのつけ方は名画に学ぼう
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/09/art-2571027_1920.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
絵画のタイトルについて、
ここまで様々な方法や考え方を
解説してきましたが、
ここからは実際の名画がどのような意図で
タイトルをつけられているのか
分析していきたいと思います。
いろんなパターンがあるので、
ぼんやり眺めているだけでも
面白いですよ。
直球タイトル、詩的で抽象的なタイトル、
文学的で象徴的なタイトル
共感や鑑賞の手助けになるタイトル、
物語を説明するタイトル、
美術様式を説明するタイトル
鑑賞者に謎を突き付けるタイトルなどなど
様々なパターンのタイトルがあるので、
是非最後まで読んでみてください。
モチーフの名前をタイトルにする
鮭 高橋由一
道路と土手と堀 岸田劉生
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/img_111.jpg?resize=728%2C333&ssl=1)
洛中洛外図屏風
日本の絵画はまあこのパターンが多いのです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/300px-Honoré_Daumier_016.jpg?resize=300%2C429&ssl=1)
洗濯女 ドーミエ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/thB26ZWFYY.jpg?resize=474%2C314&ssl=1)
海辺の修道士 フリードリヒ
西洋絵画でも、光の状態や絵の具の使い方、
構図などがユニークなせいで、
具象なのに何を描いているか
わからない絵は、
この直球タイトルがついていることが
多いようです。
コレクターの名まえがついているパターン
ベリー公のいとも豪華な時祷書
例が少なくてすみません。
近代以前の権力者に献上するタイプの絵は
所有者の名まえがタイトルに
入っていることも多いです。
聖書など誰もが知っている物語からの引用
最後の晩餐 レオナルド・ダ・ヴィンチ
バベルの塔 ブリューゲル
今でも子どもに聖書の中の登場人物(聖人)
と同じ名前をそのままつけるなど
重要な物事は聖書からの引用で
決めることもあるようです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/donatello_george.jpg?resize=541%2C760&ssl=1)
ジョ―ジとか、アントニオとかよく聞く
名前は大体、聖人の名前のことが多いようです。
子どもに名前をつけるときにも聖書から
引用するくらいですから、
欧米人にとって、聖書は庶民の間でも
生活レベルで大きな影響力を
持っていたんですね。
もちろん絵のテーマにも聖書のワンシーンを
描くことも多かったようです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/01300000559649126560080752163.jpg?resize=600%2C318&ssl=1)
竹林の七賢
中国の絵画は偉くてスゴイおじさんの
教訓あふれる逸話を絵画化したパターン
の絵が結構あります。
竹林の七賢は、3世紀の三国時代の中国の魏で
流行したモチーフのようで、
俗世を離れた7人の賢者が当時の権力者を
機知にとんだ話(清談)で、巧みに批判する
という内容の逸話で、
当時権力批判をすれば、殺される時代の
知識人の精一杯のメッセージが
こめられているようです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/81306024015714.jpg?resize=700%2C383&ssl=1)
源氏物語絵巻
世界最古のベストセラー小説?の
源氏物語のビジュアル化ですね。
源氏物語絵巻には、「吹き抜け屋台」
という、天井を取っ払って、
建物の中を覗き見たような構図で描く
技法がとられています。
近代以前(特に中世以前)は誰もが知る
物語の挿絵としての役割を
絵画が担っている
パターンが多いようです。
あるあるネタや恒例行事をタイトルにする
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/12/750px-Millet_Gleaners.jpg?resize=728%2C582&ssl=1)
落穂ひろい ミレー
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/i-img807x1200-1552914362mvkucq1536401.jpg?resize=356%2C530&ssl=1)
名所江戸百景 四ッ谷内藤新宿
歌川広重
西洋では写実主義以降、日本の場合
浮世絵版画の中には、
数多く一般庶民が共感できるような
あるあるネタが登場します。
下の広重の作品は宿場町の外で待つ
馬が描かれていますが、お尻ドアップで、
うんこまで描かれています。
きっと当時はこういう場面がよくみられ、
鑑賞者の江戸っ子が共感できる作品
だったのでしょう。
後の時代の学者が分類のためにつけたタイトル
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/caption.jpg?resize=298%2C450&ssl=1)
アナヴュソスのクーロス
クーロスというのは、この男の名前ではなく、
このように、直立した裸の男が一歩前に足を
踏み出したポーズの像の名称です。
このポーズは当時の定番だったようです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/22278599.jpg?resize=450%2C600&ssl=1)
アルカイックスマイル
アルカイックスマイルとは、この像の
固有名詞でもあり、このような古い時代の
稚拙な笑顔の表現全般の呼称でもあります。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/1d54ef31.jpg?resize=323%2C619&ssl=1)
ハート型土偶
これも、当時の人たちがつけた名まえ
ではありませんね。
このように古代など、極めて古い時代の
作品は、文字資料が乏しく
後の時代の学者が分類するために
タイトルをつけていることがあります。
○○の寓意ってどういう意味?
絵画芸術の寓意 フェルメール
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/Jan_Vermeer_-_The_Art_of_Painting_-_Google_Art_Project.jpg?resize=300%2C356&ssl=1)
信仰の寓意 フェルメール
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/Allegory_of_the_Catholic_Faith.jpg?resize=533%2C689&ssl=1)
ヨーロッパの寓意 ルーベンス
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/DxMWd8VUcAIcWHb.jpg?resize=522%2C438&ssl=1)
寓意的表現とは、象徴的表現と
言い換えて、差支えないかと思います。
形のない抽象的な概念や意味を
形あるシンボルに託して
表現したものといった意味ですね。
イソップ寓話のような「寓話」は
生きていく上で重要な教訓などの
「形のない事柄」を伝えるために、
様々な動物やモチーフが象徴(寓意)
として登場しますが、
これの絵画バージョンが寓意画なのです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/07/ネットで絵を売る仕組み ヘッダー2.jpg?resize=728%2C728&ssl=1)
実はあだ名も多い
ガッタメラータ将軍
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/22272670.jpg?resize=356%2C475&ssl=1)
これは美大生おなじみの
ドナテルロ作の騎馬像ですが、
ガッタメラータとは
「愛想の良い猫ちゃん」
という意味らしいです。
なぜこんなあだ名で呼ばれるように
なったのでしょうか?
ヴェルヴェデーレ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/5019.jpg?resize=440%2C300&ssl=1)
このトルソも美大生おなじみあと思いますが
このヴェルヴェデーレというのは、
この像がしばらく展示されていた
宮殿の名前なんです。
プラトン像
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/d4cdc8fd46cea19ad077b51c1059e00f-620x462.jpg?resize=416%2C310&ssl=1)
古代ギリシャの有名な哲学者プラトンは
「肩幅の広い男」という意味の
あだ名らしいです。
プラトンは実際、古代オリンピックの
優秀なレスリング選手でもあり、
「健全な精神は健全な肉体に宿る」
という古代ギリシャの思想を
体現していました。
アリストテレス像
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/Aristotle_Altemps_Inv8575.jpg?resize=379%2C507&ssl=1)
古代ギリシャの有名な哲学者
アリストテレスは「最高の目的」
という意味のあだ名らしいです。
これは彼の思想「目的論」に
ちなんだあだ名のようです。
ボッティチェリ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/Sandro_Botticelli_083.jpg?resize=220%2C240&ssl=1)
ボッティチェリは
「ワインで満たされた小さい樽」
という意味のあだ名らしいです。
ここまでの中で一番悪意を感じますね笑
絵の様式でタイトルをつけるパターン
コンポジション カンディンスキー
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/0021.jpg?resize=559%2C381&ssl=1)
コンポジションとは「構図」
という意味です。
この絵画はモチーフのリアリティや、
象徴的な意味あいは一切排除して、
構図(色と形の配置の仕方)だけで勝負します。
というカンディンスキーの意図が
反映されたタイトルかと思います。
赤の上の黄褐色と黒 マーク・ロスコ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/20190501-MOMAW_3-200x300.jpg?resize=200%2C300&ssl=1)
マーク・ロスコの場合は
もっと単純明快なネーミングですね。
赤とイエローオーカーと黒を塗った物
これだけで十分だという
意図を感じるネーミングですね。
抽象作品は状況説明のためのタイトルも多い
空間の鳥 ブランクーシ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/20170624083359.jpg?resize=219%2C393&ssl=1)
これは作品タイトルがなかったら、
ホテルのフロントにあるペンかな
と思ってしまいますね。
鳥の形を極限までならした抽象的な形を
ブロンズを磨き上げて表現した
作品のようです。
階段を降りる裸体 デュシャン
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/okm_duchamp1.jpg?resize=467%2C763&ssl=1)
この作品も作品タイトルを見て、
絵の中の空間が見えてくる
アハ体験をさせてくれる絵ですね。
石膏型のある標的 ジャスパー・ジョーンズ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/target_convert_20100127162808.jpg?resize=300%2C398&ssl=1)
ジャスパー・ジョーンズの場合、
作品の材料にこだわりがあったようで、
その意図が伝わるネーミングになっていますね。
鑑賞者に考えさせるパターン
我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか ゴーギャン
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/ダウンロード.jpg?resize=625%2C237&ssl=1)
この作品はタイトルのおかげで
哲学的なテーマを表現したものとして、
鑑賞することが誰にでもできます。
もちろん、「無題」でもこの作品は
価値があったのかもしれませんが、
ゴーギャンの意図に共感しやすい
仕掛けとして、
タイトルが機能していますね。
L.H.O.O.Q デュシャン
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/lhooq-mona-lisa-with-moustache-marcel-duchamp-1919.jpg?resize=451%2C666&ssl=1)
L.H.O.O.Q これは、
フランス人が聞くと
クスリと笑うようです。
L.H.O.O.Qは「この女の尻は熱い」
という意味の文章の音を再現した
卑猥なタイトルのようで
西洋絵画の代表であるモナリザを
小馬鹿にすることで、デュシャンの
生きた時代の虚無感、不信感を
表現しているようです。
世界のはじまり ミロ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/MOMA3.jpg?resize=240%2C320&ssl=1)
このタイトルを読んだとたん、
絵具のシミや抽象的な形が銀河や
胎内の何かに見えてきます。
これもまた、ミロの制作意図に
共感するのを助けるタイトルが
ついていますね。
面白いと思った絵画のタイトル
雲の上を真夜中が通る雲の上を真夜中が通る。真夜中の上を目に見えない昼の鳥が舞う。鳥よりもわずかに高く、天空が広がり、壁と屋根が漂う エルンスト
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/f69c008b.jpg?resize=344%2C500&ssl=1)
これ全てがタイトルだと知り、
エルンストのシュールで難解な
世界観が面白いものに思えてきました。
非常に詩的な内容なので、翻訳前の
フランス語のタイトルには、
もっと様々な仕掛けが施されている
のかもしれません。(韻を踏んでいるとか)
世界の起源 クールベ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/img_0.jpg?resize=620%2C415&ssl=1)
ごたいそうネーミングに対し、
このモチーフです。
クールベはかなりのエンターテイナー
だったようですね。
確かに誰にとっても、このモチーフは
世界の起源だと言えそうです。
2018年には、この絵のモデルも
判明したようで、話題を呼んでいました。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/mig.jpg?resize=400%2C326&ssl=1)
クールベは他にもこんな作品を
残しており、
かなり面白い人だったようです。
靴屋の親爺(くつやのおやじ) 原田直次郎
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/img.jpg?resize=416%2C537&ssl=1)
これが作品の正式名称として、
残っていることに思わず
クスリと笑ってしまいました。
原田直次郎は油絵具が入ってきたばかり
の時代の日本人にしては、
かなりうまく、素材の味を引き出して、
リアルにモチーフを描いています。
なのに、タイトルが「くつやのおやじ」
っていうところのギャップが
好きになってしまいますね。
み可けはこはゐがとんだいい人だ 歌川國芳
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/06/At_first_glance_he_looks_very_fiarce_but_he_s_really_a_nice_person-1.jpg?resize=362%2C524&ssl=1)
この絵は絵の図像も最高に面白いですが、
作品タイトルも笑わせてくれます。
見かけは怖いが飛んだ良い人だ
と読むようですが
おもしろおかしいモチーフを描く
作家さんは、
とても参考になりそうな
ネーミングセンスですね。
実際にこの面白い人がすぐそばにいて、
同じ世界で生活しているような
臨場感を感じさせてくれます。
人がたくさん集まって一人の人の形
になる「寄せ絵」というジャンルの
絵のようですが、
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/ec5c3f78dcba4bbc24720ea8e3b14ace.jpg?resize=360%2C479&ssl=1)
オーストリアの画家のアルチンボルドは、
植物や果物を組み合わせて、
王侯貴族の肖像画を描いていましたが
さながら歌川国吉のこの作品は日本版の
アルチンボルドのような作品ですね。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/06/縦長バナーネット.jpg?resize=444%2C767&ssl=1)