展示キャプションの作り方、作品情報の書き方、貼る位置などを解説





キャプションの作り方を
教えてください。

そんなご要望を頂いたので、
今回はキャプションの話です。

 

私が画家として活動する中で、
最も好きな瞬間が

「キャプションをはがす瞬間」
なんです。

 

この理由はわかる人には
わかるかもしれません笑

 

今回はそんなキャプションにまつわる
画家のエピソードもまじえながら

展示キャプションの作り方、
作品情報の書き方、貼る位置など
について解説していきます。

 

目次

展示キャプションとは

展示キャプションとは展覧会で
作品の下に貼ってある

小さい札のことです。

 

キャプションとかキャプションボードと
呼ばれることもあります。

展示会場によっては展示空間を
スタイリッシュにみせるために、

キャプションを用意せず、

会場の入り口部分に会場の見取り図
とともに作品情報をまとめて掲載した紙
を貼って済ませることもあります。

しかし、作品販売を視野に入れた場合、
キャプションは用意すべきでしょう。

百貨店美術画廊やアートフェアなどの
販売を意識した展示会場の場合は、

会場側が用意してくれることも多いですが
貸し画廊などでの展示の場合、

キャプションを作ってくれない
会場も多いです。

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展示にキャプションが必要な理由

 

「えっ、この作品って買えるんだ!」

前にどうしても会場の規約で価格入り
のキャプションを作れない時が
あったのですが、

 

見に来たお客様にこういわれたのです。

 

日本ではまだまだ、
「絵は買って飾って楽しむもの」という
認識が浸透していないので、

価格の記載されたキャプションを見て、
初めて作品購入を意識するお客様も
多いのです。

 

そういった意味でも価格を記載した
キャプションの準備は必須と言えます。

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展示キャプションに書く作品情報

展示キャプションには

・作品タイトル
・作家名(個展の場合は不要)
・制作に使った画材、支持体
・作品サイズ
・制作年
・消費税込みの作品価格

などの作品情報を記載します。

 

展示キャプションのサイズ

 

展示キャプションのサイズには、
これといった決まりがあるわけでは
ありません。

作品の下に貼ってみて違和感のない
サイズであればなんでも良いでしょう。

 

作品説明ボードも用意する場合、全体の
サイズのバランスも考慮して考えると
良いでしょう。

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展示キャプションの作り方

キャプションの作り方を
具体的に解説していきます。

今回紹介する方法を実践した
良い動画を見つけたので紹介しておきます。

 

展示キャプションに記載する作品情報が
決まり、ちょうどいいサイズも
決まったら、作っていきましょう。

展示キャプションはカードのような
厚みのないものでも良いのですが、
ピタパネという材料を使うことで

 

厚みのあるキャプションを
作る事もできます。

ピタパネはキャプションのみならず、
作品説明や作家あいさつのボードづくり
にも使えるので、とても便利です。

ピタパネのようなスチレンボードは
切り方に少しコツがあるのですが、

これについても、解説した良い動画
があったので、紹介しておきます。

 

展示キャプションを貼る位置

展示キャプションを貼る位置は作品の下、
中央に貼る場合が多いです。

展示スペースの都合上、それが難しい
場合は、作品の右下に貼るのも
良いでしょう。

 

作品が壁掛けでの展示でなく、枕置き
の場合や立体作品の場合も作品の下に
置くのが良いでしょう。

 

展示キャプションの具体例ー平面作品の場合

 

黒沼 大泰 ←作家名
vase of flowers ←作品タイトル
アクリル、箔、板 ←制作に使った画材、支持体
727㎜×606㎜←作品のサイズ(㎜)
2018←制作年
49,6800(税込み)←税込み価格

英語表記

Kuronuma Hiroyasu ←作家名
vase of flowers ←作品タイトル
Acrylic,foil,panel ←制作に使った画材、支持体
727㎜×606㎜←作品のサイズ(㎜)
2018←制作年
49,6800(税込み)←税込み価格

※素材が多い場合はミクストメディア
という記載でも良いでしょう。

 

展示キャプションの具体例ー立体作品の場合

 

黒沼 大泰 ←作家名
vase of flowers ←作品タイトル
アクリル、箔、板 ←制作に使った画材、支持体
300㎜×210㎜×200㎜←作品のサイズ(㎜)
2018←制作年
49,6800(税込み)←税込み価格

英語表記

Kuronuma Hiroyasu ←作家名
vase of flowers ←作品タイトル
Acrylic,foil,panel ←制作に使った画材、支持体
300㎜×210㎜×200㎜←作品のサイズ(㎜)
2018←制作年
49,6800(税込み)←税込み価格

 

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作品説明の展示キャプションも用意すべし

 

キャプションのおかげで絵が売れた
そんなこともあったりするのです。

 

「あれっ 絵が売れてる。しかも2枚も」

寝坊してしまい、展示会場入りが遅れた
私は会場につくと、

絵が2枚売れていることに
気が付きました。

 

作品説明の展示キャプションを見て、
朝一で購入してくださったお客様が
いたようなのです。

このように作品の表現意図や作家の思い
を知って、作品購入を決断してくれる
お客様も多いものです。

 

そのお客様は、作品と一緒に、
その作品説明ボードも送って欲しいと
言っていたので、

作品説明ボードのおかげで
絵が売れたと考えて良いでしょう。

 

こういったケースもあるので、
作品説明ボードもキャプションとともに
用意すると良いでしょう。

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作家あいさつの展示キャプションも用意すべし

 

展示キャプションの他に、作家あいさつ
など、dmに記載した情報を印刷して、

ピタパネに貼ってボードを作っておく
のも良いでしょう。

 

画家のプロフィールやアーティストステートメントの書き方

名前、生年月日、顔写真などの基本情報

名前、生年月日、顔写真などを載せておきます。
出身地や最終学歴なども載せておくと

お客様や会場スタッフと会話のきっかけに
なるので、オススメです。

これはステートメント全般に言えることですが
とにかく、かっこつけずに
わかりやすく書きましょう。

 

略歴

略歴はギャラリーで開いた展覧会の略歴だけでなく
受賞歴や、壁画制作などの絵画関係の仕事の実績
全般を書くと良いでしょう。

制作コンセプト

画家の語るコンセプトというと、ポエミーで
何を言っているかよくわからないものであったり

美術史マニアに向けて書かれた文章になってしまい
がちですが、絵を知らない一般的な人々にも

普段の画家の興味関心や、制作のテーマやモチベーション
の内容がわかるような、わかりやすい文章を
心がけましょう。

 

展示キャプションについた赤いシール

キャプションに赤いシールが付いている
展覧会で作品を見ていると時々、
そんな作品があります。

それは何を意味するかと言えば、
「その作品が売れた」ということです。

 

作品の売約後、お客様の希望を聞き、
会期終了後のご自宅への配送か、
今手で持ち帰るかを選んでもらいます。

今、手で持ち帰る場合、作品は
なくなるので、赤いシールがついた
キャプションはこんな感じでまとめて、
端に貼っておきます。

 

先程もお話しした通り、日本ではまだまだ、

「絵は買って飾って楽しむもの」
という認識が浸透していないです。

 

赤いシールが貼られたキャプションを
見て、初めて作品購入を意識するお客様
も多いので、

もし絵が売れた場合には、必ず
赤いシールを貼ってもらうように
しましょう。

 

そして、その作品をその場でお持ち帰り
の場合、作品はもう会場に飾っていなく
とも、

赤いシールのついたキャプション
は壁に貼っておくべきでしょう。

 

そういった意味でも赤いシールが
貼られたキャプションは重要と言えます。

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展示キャプションについた青いシール

 

展示キャプションについた赤いシールの
意味を知っている方は多いと思いますが

青いシールの意味を御存じでしょうか?

 

青いシールは「その作品が購入検討中」
であることを意味します。

「絵を見て、一目ぼれしたので、
買いたい。でも、奥さんにも相談したい
ので、

会期中にもう一度奥さんも連れてきて
意見を聞きたい。でも、なんとか
キープしておいてほしい。」

 

そんなお客様の希望にこたえるのが
青いシールなのです。

 

しかし、青いシールがついた作品を
購入検討中のお客様が戻ってくる前に、

他の誰かが購入すると決断した場合、
そちらのお客様にお譲りすること
になります。

 

青いシールを希望されたお客様には、
そのあたりを説明し
ご納得いただいておきましょう。

 

展示キャプションをはがす瞬間

キャプションをはがす瞬間とは
一体どんな瞬間なんでしょうか?

粘り強く制作を続け、ようやく
思い通りの作品が完成した。

画家にとって、この瞬間は最も充実感
を感じる瞬間でしょう。

 

しかし、自分で接客し、絵を売る画家
の場合、それに負けない最高の瞬間が
あります。

 

それは、キャプションをはがす瞬間です。

 

お客様に作品説明をして、購入を決断
してもらった瞬間、

キャプションをはがして、
会場スタッフの元に持っていくのですが

 

この時の充実感も作品完成の喜びに
負けないものなんです。

「販売」を自分の力でやり遂げた。
お客様に認めてもらえた。

そんな喜びを感じることができるのです。

 

作品完成の喜びが大好きで制作を
続けている画家は多いと思いますが

作品成約の喜びを実感できる画家は
まだまだ少ないと思います。

 

是非、そんな喜びを味わえる画家が
増えてほしいなぁ~と思っています。

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