[西洋美術史]ボッティチェリなどルネサンス期の有名作品を解説

どうも 絵画をたしなむ
 を運営する画家の黒沼です。

 

これまで、記事を書いてきて
画家の名前を引用して

説明したりすることが結構あり、
話が専門的になりすぎる
ということが気になっていたので、

これから西洋美術史についての
記事を易しく書いていこうと思います。

 

初心者でも、玄人でも楽しめる
記事を目指して頑張って
書いていきたいと思います!

今回は初期ルネサンスの美術
について解説します!

 

当時の音楽とともにお楽しみください!

 

 

西洋美術史の基本?ルネサンスってそもそも何?

中世の絵画には、十字架で苦しむキリストや、
涙を流すマリアなど、

人間の罪深さや弱さを表現した
モチーフがよく選ばれました。

 

古い時代のヨーロッパには

キリスト教を中心とする、
偉大な神と、罪深い人間
という世界観のヘブライズム

 

 

古代ギリシャの文化を中心とした
「合理的な精神をもった自由な人間」
という世界観のヘレニズム

2つの思想がありました。

古代はヘレニズムが、
中世はヘブライズムの影響が
強かったわけです。

ルネサンスは
古典古代の復興、再生」を
目指す運動でした。

 

当時、商業都市として成功した
フィレンツェを中心に、

人間の可能性や自由を表現する
流れが生まれたようです。

フィレンツェの活気に満ちた
市民たちとヘレニズム的思想は
相性が良かったんですね。

 

また、当時のヨーロッパでは
キリスト教の教会勢力により

古代ギリシャの思想が隠蔽
されていました。

古代ギリシャの思想は
当時のキリスト教の教会にとって

都合が悪い物であったようです。

 

しかし、その頃イスラム世界では
学問が発展し古代ギリシャの思想
の研究が盛んに行われていました。

また、北アフリカにあった
アレクサンドリアの図書館には

ヨーロッパでは抹殺、隠蔽されていた
古代ギリシャの文献が
数多く眠っていました。

 

地中海貿易で、非ヨーロッパ世界
と盛んに交流していたイタリア
の諸都市国家では、

そのあたりのルートから
古代ギリシャの思想が流入
してきていたようです。

 

 

しかし、ルネサンス思想は
単なる古典古代の模倣に
とどまりませんでした。

古典古代を参照しつつ、

当時発達しつつあった、科学的、
合理的知見を持って古典古代を
超えることを目指していました。

 

初期ルネサンス3大巨匠

ルネサンス3大巨匠と言えば

レオナルド・ダ・ヴィンチ
ミケランジェロラファエロ
が有名ですね。

しかし、これは盛期ルネサンスの
3大巨匠なんです。

初期ルネサンスには
建築、絵画、彫刻の分野で
秀でた3人がいました。

 

建築家のブルネレスキ
画家のマザッチョ
彫刻家のドナテルロの3人です。

この三人はまとめて
初期ルネサンス3大巨匠と
呼ばれています。

 

初期ルネサンス3大巨匠 ブルネレスキ

漫画を描かれている方にはお馴染みの
パース(線遠近法)を生み出したのは、

建築家のブルネレスキでした。

ブルネレスキは
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
のドーム建設で有名です。

この建築は当時、非常に斬新な工法
をとっていることで有名でした。

 

このドームは頂点に重しとして
塔が乗っていますが、

これは非常に型破りな
アイデアだったようです。

 

ドームの上に重しを置くと、
より安定した構造になる

というのは彼が初めて
実用したそうです。

また、このドームは

下かららせん状にレンガを
積み上げて
作られました。

 

ちょうどソフトクリームを
コーンの上に作る時の
ような感じですね。

この工法も、当時はとても
斬新なもので、今日では
常識になっている工法のようです。

 

様々な斬新な工法を編み出した
ブルネレスキですが、

0から全てを生み出した
わけではないようです。

ブルネレスキもまた、
ルネサンスの巨匠らしく

古代ローマを参照して
制作していました。

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
のドームは

古代ローマのパンテオン
参考に作られたようです。

 

初期ルネサンス3大巨匠 マザッチョ

マザッチョもブルネレスキ同様、
様々な斬新なアイデアを
実用した画家でした。

マザッチョはブルネレスキが
発見した線遠近法(パースペクティヴ)
初めて絵画に応用しました

 

また、マザッチョは初めて
絵画にサインを入れた画家
としても有名です。

この頃から、画家や彫刻家、建築家
が歴史に記録されるアーティスト
にかわります。

 

(これ以前の時代は、彼らは職人で、
手を汚しながら働く低い階級だと
みなされていました。)

 

初期ルネサンス3大巨匠 ドナテルロ

ドナテルロは石膏像にもなった、
ガッタメラータ像やジョルジョ像
で有名な彫刻家です。

ドナテルロの彫刻は
古代以来の肉体を持つ
と言われています。

 

ロマネスク期やゴシック期の記事でも
書いたように、中世の彫刻は

建築の柱の一部であるもの
がほとんどでした。

これに対し、ドナテルロの彫刻は
柱がなく、自立しています。

 

片足重心の自然なポーズ
(コントラポスト)

古代彫刻の特徴でした。

ドナテルロの彫刻もコントラポスト
の自然な表現だったので

「古代以来の肉体を持つ彫刻」
と呼ばれたんですね。

 

初期ルネサンスの有名な画家たち

アルベルティ

アルベルティは特に建築の分野で
優れた業績を残しました。

ルネサンスの巨匠らしく、
アルベルティも古代建築を
参照しつつ、

それを乗り越えるような
建築を作っています。

建物の頂点に載っている三角の屋根は
破風と言いますが、
これはパルテノン神殿にもありましたね。


サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂は

古代ギリシャ風の破風、古代ローマ風の
アーチ+中世の教会のバシリカ様式
(中央が上に飛び出し、そこに窓を開けた建築)

で作られています。

 

アルベルティは典型的なルネサンス的天才、
つまり万能人でした。

『絵画論』、『彫刻論』、『建築論』は
後の芸術家に大きな影響を与えたようです。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチ
アルベルティの理論から多くを学び、

制作し「万能の天才」と
呼ばれるようになったようです。

 

ヴェロッキオ

ヴェロッキオは
レオナルド・ダ・ヴィンチや
ボッティチェリの師匠として有名です。

当時の絵画や彫刻は一人の作家が
完成まで手掛けるのではなく、

親方徒弟からなる工房が
チームワークで行いました。

 

ヴェロッキオ工房も絵画や彫刻
など多くの作品を受注制作していました。

レオナルド・ダ・ヴィンチが工房に入り、
天使を描かせるとずば抜けた才能を
発揮しました。(左下の左の天使です)

これをきっかけにヴェロッキオは
絵筆を折り、彫刻に専念した

というエピソードはとても有名です。

 

因みに彼の本業の彫刻作品はこんな感じです。

このダヴィデ像は
レオナルドダヴィンチがモデル
だと言われています。

 

ポライウォーロ

ポライウォーロはヴェロッキオ
のライバルで、当時有名な彫刻家でした。

人体研究のためにはじめて解剖
を行った芸術家としても有名です。

 

ちなみに、ポライウォーロとは
「鶏肉屋」という意味らしく、

解剖を行っていた彼らしい
あだ名がつけられたんですね。

 

フラ・アンジェリコ

フラ・アンジェリコは画家である
と同時に修道僧でした。

ルネサンス期の合理的、科学的な
見方にはあまり興味を持たず、

 

神の世界への信仰心をより優雅に、
より甘美に描くことに
心を砕いていたようです。

 

ボッティチェリ

ボッティチェリはギリシャ神話
モチーフとした名作を数多く描きました。

これは当時、経済的に繁栄した
フィレンツェの裕福な市民への
注文に応えたものでした。

 

キリスト教からみれば異教である
ギリシャ神話のモチーフが描かれたのには

メディチ家などの世俗勢力の台頭
のおかげだったようです。

 

初期ルネサンス美術まとめ

今回は初期ルネサンス
美術について紹介しました。

レオナルドダヴィンチや
ミケランジェロの先輩にあたる、

彼らの作品も、中世とは
一味違う魅力的な作品が
たくさんあるんですね。

初期ルネサンスの特徴をまとめると

・古代ギリシャ・ローマ文化の復興

・解剖学を彫刻へ応用した

・幾何学的遠近法を絵画に応用した

という感じですね。

 

次回は盛期ルネサンスについて紹介します。

それではまた

 

↓西洋美術史についてはコチラ↓

 

 

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