【果物の絵画】セザンヌ作品や有名な顔の絵も解説

こんにちは!画家の黒沼です。

今回は果物の絵画について
ガッツリ解説していきます。

果物の絵画はシンプルなモチーフ
でありながら、

構図のバリエーションは
非常に豊かです。

 

描きたいモチーフが見つからないときや
構図の勉強がしたい時、

果物の絵画は非常に役に立ちます。

今回は画家の皆さんの参考になりそうな
歴史上の果物の絵画を紹介していきます。

最後に私が体験した

「果物の絵画を描いておいて良かった話」も
シェアするので

是非チェックしてみてください。

 

顔に見える果物の絵画

果物の絵画と聞いて最初に思い浮かべる
のがこの絵だと思います。

この絵はマニエリスム期の画家、
アルチンボルドが描いたものです。

当時の王様などの権力者の肖像を
果物を集めて表現する

という当時としては
極めて珍しい絵を描きました。

 

アルチンボルドは博物学に造詣が深く、
植物学的に正しい、植物図鑑のような
精緻な果物の絵を描きました。

アルチンボルドの絵というと
果物の絵が有名ですが

 

他にも本ばかりを集めた絵や、
花ばかりを集めた絵など

いろいろなモチーフを組み合わせて
肖像画を描いています。

 

最初期の果物の絵画

果物が主役の絵画を最初に描いた画家は
カラバッジョだとされることが多いようです。

それまでの絵画は、歴史画や肖像画が多く、
静物や風景はそれらのモチーフの脇役の
ような扱いだったようです。

カラバッジョが描いたこのリンゴの
静物画は「生命のはかなさ」を表現した

「ヴァニタス」と呼ばれるテーマで、
これ以後のヨーロッパで数多く
描かれることになります。

 

このリンゴの絵は命のはかなさを
表現するため、よく見ると
虫食いにあっているようです。

 

16世紀スペインの果物の絵画

果物の絵画は16世紀のスペイン
でもよく描かれました。

このような果物や食器など、
厨房においてあるような物を
モチーフに描かれた
当時のスペイン絵画を

ボデゴン(厨房画)と呼びます。

 

果物のモチーフとしては
マルメロがよく登場しますね。

このシンプルで静かな雰囲気の絵画は、
この時代の少し後のスペインの画家、
スルバランも影響を与えています。

この時代のスペインの絵画は
フレッシュな果物の絵画にもかかわらず

非常に厳格で厳かな雰囲気が
漂っていますが、

これはスペインのストイックな
カトリックの文化を反映しているようです。

 

ラテンなノリで人生を楽しんでいそうな
スペイン人がこういう絵を描くのは
ちょっと意外ですね。

実は私はこの時代のスペインの画家
サンチェス・コタンという画家の絵が
好きでよく模写していました。

ただの果物や野菜が緻密な描写と
強烈なライティングのおかげで
神秘的な儀式ののように見えますね。

 

17世紀オランダの果物の絵画

果物の絵画で最もフレッシュな
フレミッシュの方々の絵です。

厳密にはこの時代はオランダは
フランドルとオランダに分かれていて

フランドル=フレミッシュ
オランダ=ダッチ

なのですがこれらの両国の絵は
よく似ています。

非常にフレッシュで宝石のように
輝く果物の油絵を描いています。

この時代の画家の描く空間や質感は
本当にリアルで瑞々しく修業時代の
私はかなり影響を受けました。

この時代の画家の果物の絵画は
画面構成が非常に見事ですね。

 

近代絵画の巨匠で色彩の天才と呼ばれた
マティスも修業時代、この時代の絵画を
模写して構図を勉強したんだそうです。

 

セザンヌの果物の絵画

果物の絵画、特にリンゴの絵で
最も有名な絵はおそらく
セザンヌの絵画でしょう。

セザンヌの絵画は決して現実を
リアルに再現したものではありません。

リンゴの絵も言われなければ
赤い丸にしか見えないものもあります。

 

セザンヌはモチーフをモチーフらしく描く
ということよりも

画面上に色彩と形が美しく
配置することを追求しました。

 

日本の果物の絵画

 

果物の絵画を描いた日本人を
ここからは紹介していきます。

 

速水御舟

速水御舟の絵画にはよく
果物や食器といったモチーフが登場します。

16世紀スペインのボデゴン(厨房画)
と似たモチーフのチョイスですね。

この、今日食べたものを画面に収め、
インスタにアップしたみたいな

速水御舟の私生活を感じる構図や
モチーフのチョイスは
なんだか和みますね。

絵手紙が好きな方は構図や
モチーフのチョイスが参考に
なるかもしれません。

 

岸田劉生

こちらは岸田劉生のリンゴの絵ですね。

近代日本の静物画はこういうシンプルで
静かな雰囲気の物が多いですね。

岸田劉生といえば麗子像で有名ですが
個人的にはリンゴの絵の方が好きです。

このリンゴの絵は岸田劉生の家族観や
人間観を表現しているようで

何かスペインバロックに通ずる
神秘的な雰囲気を感じますね。

 

果物の有名な絵画作品いろいろ

果物の絵画の有名どころは
他にもいろいろあります。

モチーフのチョイスや構図が
参考になりそうな作例を
いくつか簡単に解説していきます。

 

シャルダン

シャルダンはロココ期の画家で数多くの
静物画を描きました。

この時代の絵画は底抜けに明るい、
軽妙な絵が多いのですが

(ロココ期の絵画は美術史家の
間では評価が低いようです。)

シャルダンだけは別格!

という評価が一般的
なんだそうです。

 

私もシャルダンの厳粛で神秘的な雰囲気が
好きで修業時代よく模写をしていました。

 

アンリ・ファンタン・ラトゥール

アンリ・ファンタン・ラトゥール
の作品も人気が高いですね。

彼の作品は画像ではなかなか
魅力が伝わりづらいのですが

実物は絵の表面が
かなりボコボコしています。

 

絵に近づいてみると
ザラついた桃の質感や

花びらの凹凸が、絵の具の厚みで
表現されているということに
ビックリします。

フラットな画面に緻密に描いた
絵ではないんですね。

 

マグリット

こちらはかなりの
“変わり種”ですね。

リンゴが実際の何百倍もの
大きさになっていますね。

マグリットはこのように
あり得ないサイズ感や
モチーフの組み合わせを利用して

非日常的な、シュールな
雰囲気を演出する

「デペインズマン」という手法を
多用しました。

 

きっとマグリットはリンゴではなくて
も良かったんだと思います。

モチーフのサイズ感がおかしい
というのが重要なんですね。

 

果物の絵画が売れた時の話

果物の絵画はやっぱり人気が高いなぁ
こう感じたエピソードを紹介していきます。

以前、油絵の基本的な描き方を
動画で解説するために、

リンゴの絵を油絵で
描いたことがあります。

 

この絵は描き方動画を
作るためだけに描いたので

展示する予定もなかったですし、
販売するつもりもなかったのですが

 

なんとミラクルが起きました。

この絵のメイキング画像を
FacebookやInstagramで
アップしたところ

なんと

この絵はおいくらですか?

というメッセージが
初対面のお客様から入ったのです。

実際こんな感じで飾って頂けました。

このエピソードについては動画の最後で
詳しく解説しているので
是非チェックしてみてください↓

 

 

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