【なぜつぶれない?】貸しギャラリー・画廊の経営と料金相場の裏側





貸しギャラリーの相場について
質問をよく受けるのですが

その疑問について考える前に
ご紹介したい話があります。

 

お客さんもほとんどおらず
出てくる料理もマズイ。

アクセスも悪く、店内には
スタッフも見当たらない。

そんなレストランを
イメージしてみてください。

 

つぶれますよね。

 

しかし、お客さんもほとんどおらず、
展示する作品も上手くない、

アクセスも悪く、
スタッフも見当たらない。

そんな貸し画廊は無数に存在します。

 

今回はそんな「なぜかつぶれない」
貸し画廊の経営の秘密を解説します。

 

目次

貸しギャラリー・画廊経営の裏側

貸しギャラリーの相場や経営は
実際の所どんな感じなんでしょうか?

外国人観光客を乗せた大型バスが
頻繁に立ち寄る

絵画好きのマダムが
常に店内にいる

 

そんな賑わっている貸し画廊も
もちろんあります。

そんな貸し画廊はもちろん、
展覧会最終日には、キャプションに
赤いシールがたくさんついています。

 

しかし、全ての貸し画廊がこうではありません。

 

いついっても、お客さんがいない、
スタッフもいない。

その上アクセスが悪くて
辿り着くことすら難しい。

絵が展示していなかったら、
ギャラリーであることにすら気づけない。

 

そんな貸し画廊はたくさんあります。
なぜ、そんな画廊が生き残っているのでしょうか?

作家仲間や、画廊関係者から聞いた話から
このを解き明かしていきます。

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貸しギャラリー・画廊の収入源

貸しギャラリー・画廊の収入源は
お察しの通り、作家から徴収する
高額な展示料金です。

私は貸し画廊で何度も展示しましたが、
どう考えても、展示料金は割に合いません。

 

誰も読まなそうなテキトーなDM、
テキトーなホームページ、
会場にいてもほとんど、お目にかからないのに、
なぜか偉そうなスタッフ、

見に来てくれる友人がほぼ全員
迷子になるアクセスの悪さ

などなど

 

これなら、ポップアップショップでも借りて、
自分でDM作って、自分のブログとSNS
集客したほうがマシだと思います。

 

しかし、貸し画廊を経営する彼らも
家賃を払う必要があるため、高額な
展示料金をとるしかないのです。

 

なので、毎週展示する作家を
調達するのに必死に努力
しているようですね。

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貸しギャラリー ・画廊の相場とは

「貸しギャラリーの相場のようなものが
あれば、展示する際に参考にしたいので
教えてほしいです。」

メルマガ読者の方からよくこんな質問を
頂きます。

この質問に答える前にプロの画家になる上
で知っておきたいお金の考え方を
紹介させてください。

 

10万円のポストイットを見たらあなたは
どう思うでしょうか?

「高すぎる。」
きっとそう思うはずです。

しかし、10万円の新車だったらどうでしょう。

「安すぎる。安すぎて逆に心配。」
きっとそう思うはずです。

 

値段が高いか安いか、これは手に入る価値に
対して、割高か、割安かでしかないのです。

この考え方は貸しギャラリーを選ぶ時にも
あてはまります。

いくら安くても

・ほとんどお客様が来ない
・殺風景でみすぼらしく展示風景写真に活用できない
・画商さんにやる気が全くない
・もちろん絵は売れない

そんな会場で展示したい人は
いないでしょう。

なので、上記の4項目を
事前にリサーチして

割安なお値段以上の展示の
出来そうな会場で展示すべき
なのです。

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貸しギャラリー・画廊を経営する画商の秘密

これまで何人もの画商さんに
お会いしてきましたが、

画商として頼もしい方は
ほんの一握りです。

ほとんどの画商さんが
「売れなくてよい。」というスタンスで
画廊を趣味でやっています。

なぜ、彼らは食いっぱぐれないのか。
それは彼らの本職にありました。

 

銀座のギャラリーのオーナーなどの場合、
寿司屋さんが本業で、

画廊は趣味でやっている。

 

土地や株などの不労所得を持っており、
趣味でギャラリー経営という
パターンの方も多いです。

 

このように画廊経営は資産家が余剰資金で
赤字を垂れ流しながら趣味でやっている
場所も多いみたいです。

ビジネスとしては常に
破綻しているわけですね。

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百貨店でも絵は勝手に売れるものではない

しかし、これは貸し画廊だけでなく、
一部の百貨店美術画廊にも
当てはまることです。

百貨店美術画廊でも週替わりで
展覧会をやっていますが、

ビジネス的な意味でやる気のある
画商や作家の回もあれば、

そうでない回もあります。

ビジネス的な意味でやる気のない方々の
展覧会では勿論、

ほぼ絵は売れず、赤字になります。

 

 

会場によっては赤字の週の方が
多い場所もあるでしょう。

それでは、なぜ百貨店美術画廊は
なくならないのか。

 

それは百貨店の稼ぎ頭である、
服飾、食品部門が稼いでいるからです。

「お店に行けばなんでもあるのが百貨店」
なので、そのイメージを守るために
赤字でも絵を売っているんですね。

 

もちろん、都心の百貨店なんかは、
ほぼ常に黒字なんて場所もあるでしょう。

都心の百貨店の利益で地方の系列店舗の
赤字を埋め合わせるという発想で
やっているんですね。

 

しかし、グループ全体の経営が
怪しくなってくると、別系列と合併したり、

売り上げの微妙な地方店舗を閉鎖したり、
画廊をなくして、催事場にして、
北海道物産展をやったりします。

 

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貸しギャラリー・画廊経営をする方へ

絵画をたしなむには画商さんの読者
いらっしゃるようなので、

画商さんへのポジティブなメッセージも
まとめておきます。

 

画商さんはやはり、画家と同様、
厳しい経営の中

「好きなことで生きる」
実践されている方々だと思います。

画家と利害が衝突することも
あるかもしれませんが、広い意味では
同業であり、仲間と言えます。

 

そんな画商さんに私の立場で
お伝えできるのは

【こんな画廊なら何度も展示したい】
という画家目線の希望でしょうか。

是非チェックしてみてくださいね。

 

貸し画廊の率直な印象

正直、申し訳ないですが貸し画廊には
あまり良いイメージはないです。

展示料金が高額で、絵が売れても
経費回収すらままならないためです。

そして、展示経験から学べることも
少ないため自分が成長するための
投資としてお金を払う実感が持てないです。

 

ただし、絵を売るのは簡単ではないですよね。

もし絵が1枚も売れなかったとしても、
この展示料金で「またここで展示したい」
と思わせる工夫が必要かと思います。

 

貸し画廊は評判がとても大切

 

特に美大生は定期的にグループ展を
開きたがるので、美大生の間での
良い評判を得ることはかなり大切です。

しかも良い評判が得られれば、作家が
友人の紹介でやってくきます。

(ファイン系美大生のコミュニティは
密だが、規模が大きいです。)

 

ほとんどの美大生は
「前に友達が展示していた画廊」
で展示します。

 

銀座には「悪名高き画廊」というのが
いくつかあります。

・辿り着くのすら困難
・オーナーの売り込みに
圧迫感がある(電話で押し売りしてくる)
・もちろんお客さんもほぼ来ない

これは若手作家や美大生の間で
「ぼったくり画廊」として、
悪評が拡散してしまっています。

 

小さい貸しギャラリーの在り方ーご来場者の方への対応

 

常に在廊&接客は難しいとしてもリピーター、
お得意様への案内、接客だけは真剣にやるべき
だと思います。

「作家の人となり」「作品の技法」
「作品のテーマ、表現内容」

作家に聞いておいて作家がいなくても
お客さんに説明できるようにすべきでしょう。

 

また展示したい貸しギャラリー・画廊とは

作家の成長に必要な情報を与えられる
会場であること

画商自身が季刊誌を出し、美術業界に
ついて作家を教育している例もあります。

制作を続け、展覧会を定期的に開くことが
「作家としての成長につながる」ということ
を実感させましょう。

(希望者には長期的な
メールサポートをするなど)

 

オンラインとオフラインでしっかり集客できる画廊だということ

SEOの知識に裏打ちされた
影響力のあるオウンドメディア
画廊が持っていることも重要です。

 

これらをアピールできれば、作家は
絵が売れなくてもまたここで展示したい
と思うでしょう。

 

貸しギャラリー・経営に学ぶ画家の生き残り戦略

さて、このように絵画の販売一本で
頑張っている店というのは
少ないようですね。

これはお店だけでなく、
我々個人の画家の生き残り戦略にも
応用できます。

それが、私の提案する
複業画家という生き方です。

 

絵画の販売のみならず、収入の柱と
コネクションを複数持って、
自由に絵の仕事で稼ぐ

そんな生き方です。

 

絵画の販売は、工夫次第でもちろん、
黒字にできるのですが、

いかんせん収入が不安定になりがちです。

そこで百貨店の食品部門が
画廊の赤字を埋め合わせられるように

安定的に収入の上がる部門と
収入に波のある部門を
組み合わせてやっていくわけです。

 

少し稼げる楽しい仕事、普通の仕事、
安定的に稼げるきつめの仕事

といった感じで、自分の自由時間の
複数の仕事に分割していく発想です。

 

気持ちの切り替えと集中力さえあれば、
これはこれで

結構楽しい生き方だと思います。

 

 

大企業も社員に副業を認め始めた昨今、
複業画家という生き方はいかがでしょうか?

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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