[絵の仕事]売れる絵の特徴とは プロの画家が徹底解説





 

どうも 絵画をたしなむ を運営する
画家の黒沼です。

私は普段はギャラリーや百貨店での
企画展で絵画を展示、販売しています。

 

今回からは私がプロの画家として活動を
続ける中で、学んだ画家ためのになるための

マインドやテクニック
などを
書いていこうと思います。

 

新聞にほぼ確実に載る方法、リピーターを
増やす方法、企画展を実現する方法、展示に
出す絵の枚数とサイズ、購入を勧める
クロージング術、

目に留まるDMの作り方、お客様を思いやる
細やかな気遣いやアフターフォロー
画家としてのビジネスチャンスをつかむ
テクニック、

売り上げ実績を安定させるノウハウ,地域ごと
の絵の好み、絵を売りやすいタイミング、
人が集まるワークショップの作り方

 

などなどの内容を数回に分けて
紹介していきます。

 

私は本当に不器用で
無力な人間なんです。

 

そんな私がプロの画家になった方法
を惜しみなく書いていこうと思います。

 

 

 

目次

飾りやすい絵は売れる

以前の記事にも書いたことですが、私は
「売り絵」という概念はナンセンスだと
思っています。

所有したいと思われる絵(売れる絵)と
売れない絵の2種類があるだけ
ということです。

「売り絵は芸術ではない。」
「私は純粋に芸術としてやっている。」

そんなことをいう方がいらっしゃいますが、

誰にとっても価値のないものを作る意味
などあるのでしょうか?

 

それに考えてもみてください。

ラファエロ、フェルメール、
狩野永徳、長谷川等伯、尾形光琳、
葛飾北斎

近代以前の巨匠である
彼らの絵は間違いなく名作ですが

その名作のほぼ全てがクライアント
ありきの売れる絵です。

時の権力者を満足させるために描いた
売れる絵が結果的に、名作になった
という例はいくらでもあります。

サロンやアカデミーといった当時の
権力を批判し前衛的な制作を目指した
印象派をはじめとする近代の画家ですら

今では超高額で取引されているわけです。

 

現代においても、日本人のクリエイター
で評価されるのは、やはり

村上隆、奈良美智、宮崎駿、
押井守、新海誠などなど
商業的成功を手にした者ばかりです。

売れる絵=一定以上のクオリティーを
もった所有欲をくすぐる絵といえます。

 

売り物にもならないレベル
作品しか作れないのに

これは芸術だから売れなくてよい。
と強がっている人も多い印象です。

 

100人に1人が気に入れば良い。

そんなことをいう方もいらっしゃいますが、
その1人にリーチするための戦略は
とっているのでしょうか?

インターネットの発達したこの時代
見込み客が少ないから、上手くいかない
という言い訳は通用しません。

 

どんなにニッチな市場でも、しっかり
情報発信していれば、

見込み客を発掘できる時代だと思います。

 

この時代においてリサーチや
マーケティング、セールスの重要性も
わからない方は、間違いなく

時代の本質をとらえた良い芸術作品など
作れないと思います。

 

今回は、売れる絵の傾向についてお話します。

 

 

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売れる絵のモチーフ

以前の記事にも書きましたが、私の経験上、
現代においても日本人が好むモチーフは

 

花鳥風月+美人画です。

 

花鳥風月といっても、伝統的な日本画風の絵
しか売れない。ということではありません。

あくまで、モチーフの好みの話で
花の絵、動物の絵、風景画(風月=風景)、
美人画 
の人気が高いという話です。

 

そして、花鳥風月だからと言って必ずしも
日本画である必要もありません。

確かに最近日本画は人気が高いですが、
油絵でもアクリル画でも、

花の絵、動物の絵、風景画、美人画は
良く売れます。

 

 

花の絵は売れる

花の描かれた絵は男女問わず
良く売れます。

日本人はもともと床の間に
季節ごとに花を生けたり

花の描かれた掛け軸を飾る習慣
がありました。

そのため、春には春の花の絵が
夏には夏の花の絵が
秋には秋の花の絵が
冬には冬の花の絵が良く売れます。

コレクターさんの中には
毎月花の絵をかけ替えて楽しむ方も
いらっしゃいます。

「今9月用の絵がないんだよね~
秋バラが結構好きだから、描いてくれる?」

そんな形で実現したオーダーメイド作品
が↑です。

 

日本にはもともと月次絵(つきなみえ)という
絵のジャンルがありました。

12か月それぞれを代表するモチーフを描いた
12枚1組の12連作の絵です。

毎月絵をかけ替える方がいるのは
こういった背景によるものかもしれません。

この習慣を生かして、花を描く画家さんは
印刷会社に営業して、作品カレンダーを作って
販売している方もいらっしゃいます。
(私はまだやってません。)

 

動物の絵は売れる

動物の絵も飾りやすいため
良く売れます。

中でも、鳥の絵や猫の絵は
売れ筋です。

 

また、原画の販売とは別に
購入者へのプレゼントとして

干支を描いた色紙なども
好評です。

また、動物だけでなく
昆虫を描いた作品も良く売れます。

 

中でも、チョウやトンボは人気ですね。

基本的に日本人は
自然が描かれた絵が好きなんですね。

ちなみに、この作品は猫の絵を得意とする
私の友人画家の作品なのですが

彼女は「猫の画家」として、動物病院に営業をかけた
結果、壁画の仕事をとってきました。

壁画は一人で描くのが難しいため、私も助っ人として
制作に携わりました。

このように、普段自分がよく描くモチーフに関連する
企業や施設に営業してみると、思いのほか仕事や
コラボが実現したりするものなんですよ。

 

風景を描いた絵も売れる

 

風景画も飾りやすいため人気です。

中でも、地平線や水平線が見える
ような広大な風景を描いたものは
人気が高いようです。

風景画家さんでも豪華客船のある
風景を描いて、それを手に持った
写真が新聞掲載されたことをきっかけに

豪華客船での船内展覧会、船内絵画教室
の仕事を取ってきたかたもいらっしゃいます。

これはかなりレアなケースだと
思いますが、

普段自分がよく描くモチーフに関連する
企業や施設に営業してみて、コラボが
実現したケースですね。

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美人画も売れる

美人画というと、大正ロマンの竹久夢二
や江戸時代の大首絵を思い浮かべる方も
多いかもしれません。

このような絵ももちろん未だに
人気がありますが、

最近流行しているのは
ホキ美術館にあるような

フォトリアルな美人画です。

最近の売れる絵の傾向

しかし、この流行も終わりつつあり、
最近では

小松美羽さんのような粗いタッチ
の作品や

金箔や文様を使った装飾的な
作品の人気も高まってきています。

 

もともと、人物画は
飾っていると、監視されている気分に
なるので、売れづらいとされてきました。

また、美人画が飾ってあることを
気にする奥さんもいらっしゃるようで、

そんなわけで売れづらいジャンルでした。

しかし、最近ではサラリーマンコレクター
という独身男性のコレクターが増えてきた
こともあり、美人画も売れるように
なってきたようです。

 

抽象画は売れない

日本において抽象画を売るのは難しいです。

抽象画は日本人にとってなじみ深い
絵画ではありません。

ヨーロッパなどでは写実的な絵画を飾る
習慣が長らくあり、

鑑賞者が飽きるほど具象絵画を眺めてきた
結果、絵画のエッセンスのみを抽出した

抽象画を見て楽しむカルチャーが育ちました。

しかしながら、日本においては
フォトリアルな作品の人気が現状かなり
高いです。

このトレンドが成熟し、鑑賞者が
リアリズムに飽きてくると

ひょっとしたら抽象画への
興味も徐々に増してくるかもしれません。

 

エログロの絵も売れない

しかしこれは考えてみれば当たり前で、
極端に個性的で、鑑賞者が混乱する作品は
飾りたいとは思わないでしょう。

 

一部のマニアを除き、ムンクの『叫び』
が部屋にあったら、落ち着かないはずです。

ムンクの『叫び』は美術館にこそ
必要なわけです。
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良く売れる絵の技法

少し前まではフォトリアルな絵
がアート市場を席捲していましたが、

最近では他にも様々な売れる絵の
技法が登場してきています。

 

金箔を用いた絵は売れる

 

金箔を用いた作品は
強い物質感と華やかな雰囲気を
持っているため、人気が強いです。

 

箔を使った作品は箔の部分が
見る角度によって色が変わる、

絵の前を通るときらきら光る
効果がでるので、これも
実物を見ると面白いです。

お客様に金箔を扱った作品を
アピールする時にはこんな
説明をしています。

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装飾文様を用いた絵は売れる

こちらの作品はプラチナの箔と
流水の紋様を組み合わせた作品なのですが

こういった細かい紋様を
施した作品も人気が高いです。

ちなみにこちらの作品は
石膏の地塗りをした板に

金属の針で流水紋の溝を
彫りこんでから箔を貼り

最後にメノウ棒で磨くという
中世ヨーロッパの黄金背景技法
を用いて制作しております。

背景の箔の部分は見る角度に
よって流水紋が見える作品
となっております。

 

といった感じの説明を
お客様にした結果
売約となりました。笑

 

良く売れる絵のサイズ

飾りやすいサイズであることも重要です。

ここまで話した通り、飾りやすい絵の方が
売れる傾向にあります。

 

私の経験上、良く売れるサイズは

サムホール以下です。

 

海外とは異なり、日本の住宅は
大きくありません

狭い壁面でも気軽に飾れる
小さな絵は売れやすいです。

 

また、大きな家に住んでいる
お客様にとっても、小さい絵は
魅力的です。

なぜかといえば、大きな家
に住んでいるからと言って

大きな絵を飾れる広い壁面は
限られているからです。

小さい絵は場所を選ばずに
気軽に飾れるのが魅力なのです。

このあたりも接客の時に
お客様にアピールしてみましょう。

 

この傾向は都会ほど顕著です。

ちなみに地方は家が大きく
大きいサイズでも売れます。

 

都会と地方では絵柄の好み
も少し違います。

 

都会ほどポップな絵、モダンな絵にも
寛容です。

地方伝統的保守的なモチーフや
構図の絵が好まれます。

ここまで、あまりに個性的(個人的)な作品は
売れづらい
小さい絵は売れやすい
という話を書きました。

しかし、無個性な絵、小さいが
存在感のない絵
所有したいと思われません。

 

絵をみれば一瞬で「○○さんの絵だ!」
とわかるものである必要があります。

 

コレクターの方々は特にそう思うようです。

また、小さくても、部屋のインテリアに
飲み込まれるような弱い絵は求められません。

 

小さくても、完成度の高い絵画こそ
求められるわけです。

 

具体的には
描写の密度、グラデーションの密度、
複雑な画面構成

の作品は見る人の目を釘付けにします。

 

絵の描き方について詳しくはコチラ


釘付けにならない絵を
所有したいとは思いませんよね。

 

絵のテーマや個性の基本的な考え方をプロの画家が徹底解説

2019.01.11

【画家の仕事】絵の仕事の種類や有名になる方法を解説

2018.08.04

 

 

 

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あなたにとっての売れる絵を見つける方法

 

ここまでは日本のアートマーケットで
どんな絵が売れるのかについて
お話ししてきました。

ひょっとしたら、美術市場のリアルな
お話しが続いて、純朴な方は引いてしまった
かもしれません。

しかし、あなたの個性や世界観が
反映されていて、尚且つ売れる絵

そんな絵が描けるようになったら
最高ですよね?

実際にメルマガ読者の方からも
こんな悩みや相談が寄せられることは
多いんです。

 

わたしが画家になるために知りたいことは、
「自分の世界観をつくるには、どのような
練習をすればいいのでしょうか?ということと、

「私は頭が固くて、中々アイデアが出てこない
のですが、どうすればアイデアが
出てくるでしょうか?」ということです。

 

今後、自分の独自の世界観というものがなくて
悩むことがきっと出てきてしまうので、
今のうちに知っておこうと思い、質問しました。

また、私は子供だというのに、自分の世界観を
出すようなアイデアが出てきません…。

これも、アイデアを出すための方法や、
練習法を教えていただきたいです。

広島県在住 10代 女性 Nさん

 

個性がいかに大切か痛感しました。
しかしどう表現すれば個性が出るのか
いつも悩んでいます。

70代 男性 Iさん

 

このように、年齢を問わず、自分の個性や
世界観を見つけるというのは簡単ではないようです。

しかし、この問題は結構、根性で
解決したりします。

 

どういうことかといえば、ひたすら
自分が良いと思うものを見て、

ひたすら真似をするということです。

気に入った作品を丸ごと模写して
それを自分の作品であるかのように
発表するのは、もちろん問題です。

 

しかし、良いと思ったものを
素直に取り入れる習慣を身に着ければ

自然と、「自分が好きなものの傾向」
が見えてきます。

あなた独自の世界観とは

生まれたときから既に存在していて、
それを探す果てしない「自分探しの旅」
の末に見つかる

神秘的なものではありません

 

あなたにとっての売れる絵は
数多くの展示経験、鑑賞経験を経た末

あなたの中に残った
あなたが良いなと思った無数の絵を総合した
ものです。

なので、良いものをひたすら見て
ひたすら模写

これだけでも、複数の作家のものを
やれば、あなた独自の世界観は
生み出せると思います。

 

「まなぶ」という言葉は「まねふ」
という言葉からできたと言います。

日本人にとって古くから、
学ぶこと=マネすることだったわけです。

 

そして、西洋美術史の本を読んでいても
やはり、似たような教訓が得られます。

西洋美術史の本を読むと、大体は
古代ギリシャのパートから始まります。

古代ギリシャの美術が最も大切にしていた
価値観の一つに「ミメーシス」という
ものがあります。

ミメーシスとは「模倣的感染」という意味
なのですが

イメージとしては、「良い物」、「良い人」
に出会い、感化された人がそれを模倣する
ことで、良い物が出来上がる、良い人格が
育つ

といった価値観です。どこか、古代中国の
孟子の王道政治の価値観にも似ています。

 

このように、文明初期段階の
古い時代には世界中で

模倣=学び=良いこと
という図式がありました。

これは画家としてのキャリア
初期段階の駆け出しの画家にも
参考になる価値観かと思います。

 

因みに私の作風は

中世ヨーロッパの黄金背景技法
17世紀オランダの花の絵画
日本の戦国時代や江戸時代の金屏風

辺りの技法や雰囲気を総合した世界観
となっています。

基本的には近代以前の東西の職人技
を総合したものになっていると思います。

これらの時代の技法を総合した技法で
日本のアート市場で受け入れられやすい
花鳥風月のモチーフを描いているわけですね。

このように、時代や地域の垣根を
飛び越えて、様々な分野から

あなたが好きなものを引用し、
総合できれば、

見たことないものが自然に
出来上がると思います。

 

実際に【あなたにとっての売れる絵】
の法則がうっすら見えてきたら

それを人に説明できるレベルで
作業工程別に文章化してみましょう。

これができる作家は非常に強いです。

なぜなら、たまたま上手くいって
売れた絵をもう一度
描くことができるからです。

上手くいった絵というのは不思議なもので
、複数人から買い求められたりするんです。

展覧会初日に売れてしまった絵をみて
お客様が

「売れてしまったか~同じ絵はもう
描けないよね?」

と言ってくださることも結構あります。

そうした場合
「同じ構図で似た絵を
描くことはできますよ。」

と提案しましょう。
自分の作業工程を把握している作家には
それを提案することができます。

 

そうした、注文の実績がある方は
ポートフォリオに赤札を2枚貼ることで
実績をアピールし、

売約済み作品でも、もう一枚描ける
ことをアピールしてみましょう。

そのページを見て、売約済み作品の
注文を取ったこともあります。

 

 

売れる絵の答えは市場に聞け

ここまで、日本のアート市場での人気
や、あなたにとっての売れる絵の見つけ方
について解説してきましたが、

最も確実な情報はお客様の声なのです。
なので、実際に展示を開いてお客様の反応を
みるしかないのです。

それでは、どこで挑戦すればよいのか?

 

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初心者が売れる絵を見つける方法

売れる絵を売れる場所で
買う人に売れば売れます。

これは間違いないです。

しかし、初心者はいきなり
売れる場所で展示するのは難しいです。

 

よくメルマガ読者の方に

「初心者の私が絵を買うお客様が良く来る売れる
会場で展示するにはどうすれば良いですか?」

こんな質問を頂きます。長々と方法を解説
することもできますが、基本的には難しいです。

ルーブル美術館の学芸員が面白いことを
いっていました。

「ルーブル美術館で展示ができるのは
ルーブル美術館の価値を上げる作家だけです。

ルーブル美術館で展示したことで価値が上がるような
作家は展示できないでしょう。」

これはとても示唆に富んでいます。

絵が売れる、名前が売れる「おいしい会場」
で初心者がいきなり展示しても、会場側には
メリットがありません。

展示を開いたことで、会場にメリットをもたらせる
ような作家になるしかないんですね。

 

 

画家が会場にもたらせるメリットとは
具体的には

売上、知名度、話題性などです。

あなたが必死に情報発信した結果
展覧会をテレビや新聞が取り上げたり
ネット上でバズったりしたとします。

あなたはもう会場にとって
ありがたい存在です。

そんな画家を目指してみましょう。

 

まずはカフェギャラリーなど
人が多く、安めに展示できる会場
で展示を開き

ブログやSNS、テレビや新聞への告知
をしてPRの練習をしてみましょう。

 

そして、実際に展示をしてみて
お客様の反応を見ましょう。

告知を見てきたお客様はいるか?
お客様はどの絵の前で立ち止まるか?
売れる絵の共通点は何か?

などなど着眼点はいくらでも
あります。

 

絵が売れる人の考え方

ここまで、絵を売るために
知っておきたい様々な事実や方法
を紹介してきましたが、

「今一つ売れる絵が見えてこない。」
「自分の絵が売れるイメージができない。」

そんな方もいると思います。

 

なぜ、そんな方は絵が売れるイメージ
ができないのでしょうか。

それはおそらく、
絵を売ったことがないからでしょう。

「絵が売れたことがないから
売れる絵を調べているんだ。」

「絵が売れないのは売ったことがない
からだなんて、そりゃそうだ。
じゃあどうすれば良いのか?」

ごもっともな言い分です。

 

それでは、絵が売れる人の思考を
コピーできる簡単な方法をお伝えします。

それは、絵が好きな知り合いに
絵をプレゼントして、感想を聞く方法です。

無料でプレゼントするわけなので、相手から
改善すべき点を聞き出すのは難しいでしょうが

自分の作風の良さが何なのか?
実際に絵を飾ってみて、どう思ったか?
部屋の雰囲気は変わったか?

などの答えを聞くことはできるでしょう。

何人かにこれをやると自分の絵の強みを
把握することができるでしょう。

 

私も一時期、知人の経営する美容院に
通い、髪を切ってもらうたびに新しい絵を
飾らせていただいていました。

 

毎月プレゼントするというのは、さすがに
やりすぎなので、

毎月新しい絵を持って行って、先月の絵
は持って帰ってくるという感じです。

そして、髪を切ってもらっている間に
美容師さんから、先月の絵の感想や
お客様の反応について、いろいろと
聞かせてもらっていました。

意識的に毎回異なる作風の絵を持っていく
ことで、自分の絵のうち、どの作風の反響が
良いかをリサーチしたんです。

 

メルマガ読者の方でも

実際に知人に絵を売ったことがある人は
【自分にとっての売れる絵】をわかっている
方が多いです。

実際にメルマガ読者の方からこんな
お話も聞きました。

 

私の知っていることといえば
社会人になってから知り合った

美術教師さんから得た知識、独学で
得た知識、
実際に絵を買って
いただいたから
感想くらいなものです。
美大卒でもない、こんな私ですが

実際に絵を売ってみて、

面白い発見をしました。吹奏楽や
オーケストラといった音楽が

好きな方々は、絵画にも興味を持って
頂ける方が多いということです。

はじめは、子供向け演奏会のチラシの
イラストを描いているだけでした。それが、自然とまわりの方々に

「この人、絵描けるんだな、
仕事頼みたいな」
という流れになり、今では、
「あなたが描いた絵を買いたい。

是非描いて欲しい」と言って
頂ける方まで
いらっしゃいます。

 

また、口コミで、
「この子は絵が描けるのよ。」

と、次のお客様を紹介して
いただくこともあります。

このように、実際に動いてみて初めて
【あなたにとっての売れる絵】というのは
見えてくるものなんです。

そして、彼のように実際に動くと
いろんな人が協力してくれて

次の仕事を持ってきてくれることも
よくあります。

 

美大卒ではない、独学の彼
そんな素晴らしい行動力で

絵を売った実績を作ったのです。

美大を出て作家活動をしても
絵が1枚も売れずに一生を終える
画家もいる中で、これは本当に素晴らしいと思います。皆さんも是非、恐れずにお客様の声集め
に挑戦してみてほしいと思います。

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絵が売れる人のアイデアはお客様の声の中から見つかる

「お客様への質問やアンケートは
回答をもらうのが難しいと感じます。どうしても面倒くさいと思われたり、
漠然とした回答しか得られなかったり
するのです。」
こんな声をメルマガ読者の方から
頂きました。

確かに、お客様の声集めにはちょっとした
工夫が必要です。

お客様の声集めのコツは
具体的な質問をいくつか用意しておく
事です。
漠然と、「絵を飾ってみてどうですか?」
と聞くと、こちらに気を遣って「はい。 素敵ですよ~。」といった
当たり障りのない回答
をお客様もせざるを得ません。
そこで、「その絵が飾ってあることに
気づいた方はいらっしゃいますか?」「その絵が話題になったことは
ありますか?」
「その絵を飾る前と後で、
どんな変化がありましたか?」「その絵を今の場所に飾ろうと
思った理由は
何ですか?」「私に絵を頼んでくれた
理由は何ですか?」
「私が絵の受注をしていることを
知ったきっかけ、
メディアは
何ですか?」
などの、こたえやすい具体的な
質問を用意しておきましょう。具体的な答えが欲しければ、具体的な質問が必要なんですね。
そして、お客様から少しずつ感想が

出てきたら、

「具体的には?」
「他には?」
「例えば?」
「そのことを最近強く感じた
出来事はありますか?」

 

といった質問を続けて
より、答えやすい状態を
作っていきましょう。

すると、お客様も会話の中で
自分の思考や感想が整理できて雄弁に語ってくれたりするもの
なのです。
あくまで、和やかに相手の様子を
みながら、会話をはずませながら
これらの感想をお聞きできると
良いでしょう。

 

絵が良く売れる画家の額の選び方

絵の飾りやすさ、存在感について
考える時

額の選び方もとても重要です。

 

実際、半年間売れなかった
大きな絵が額を変えた途端に売れた

なんてこともありました。

 

では、飾りやすい額とは

まず第一に絵の色合いにあった額
でしょう。

これは、各々の作品で
考えていきましょう。

 

次に、明るい色、華やかなものです。

絵を飾りたい人からすれば、
絵は「ハレの物」
であるわけですね。

 

 

 

私も実際、黒くてシックで、モダンな額を
使っていた時期はあまり売れませんでした。

「こういうシックな額縁はバーなどを除いて
あまり飾りやすいものではないから、替えた
方が良いよ。」

先輩作家からそんなアドバイスを頂いたことが
あります。

実際に、額縁を明るく華やかなものにかえると
絵の雰囲気が見違えて、次の展覧会で初日に
売れました。

一度仕入れた額縁を、無駄にするというのは
とても後ろめたいし、もったいないと思うかも
しれませんが、

このように、額を交換するだけで売れてしまう
ことも結構あるので、

逆に、「額を交換しなかったためにずっと
売れるはずの絵が売れないのはもったいない。」
と考えるようになりました。

 

昔はシックなボックスフレームばかり
使っていたのですが、

最近では華やかな装飾付きの
金や銀のボックスフレームが流行っており、
私も使っています。

 

 

 

 

このような、装飾のあるタイプで、
中の板には自分で布を張って仕上げています。
(この額はとても評判が良いです。)

この額縁はアクリル板で保護されているので
落としても割れず、運送業者もお客様も安心です。

また、軽くて丈夫なため、鋲の長いダルマ画鋲
1本で壁にかけることもできます。

作品をお客様に説明する時に
このような額縁の知識もあると、
購入の後押しをできることもあるので

皆さんも、熱く語れるお気に入りの
額縁を探してみてくださいね。

 

 

↓詳しい内容はコチラ↓

【インテリア】部屋の壁に絵画を飾る時に注意する3つの要素

2017.09.19

 

 

 

 

これはハイミロンという宝石箱に
使われる布を貼って仕上げていますよ。

 

 

 

 

 

 

絵を売るためのピラミッドを作る

 

さてここからが重要です

 

売れる絵の条件が分かってきた。

その条件を押さえて、
プロとして結果を出したいとします。

 

ではどうすればよいか

キレイな在庫ピラミッドを作りましょう。

 

在庫ピラミッドとは、
大きな作品ほど少なく、小さい作品ほど多い

という出品作品の用意の仕方です。

 

 

これをキープすると(売れたら同じサイズを
描き足す)、売り上げが安定します。

具体的には

30号以上 1~2枚
3号~20号 7,8枚とか
サムホール以下
たくさん(在庫の半分)

といった感じです。

 

例えば個展で30枚出品なら

30号以上 1~2枚
3号~20号 13or14枚
サムホール以下 15枚

 

グループ展で10枚出品なら

30号以上 1枚
3号~20号 4枚
サムホール以下 5枚

といった感じですね。

 

前に「他者の常識」の話をしましたね。

 

初めてあなたに出会った人はやはり、
いきなり大作を買うのは難しいわけです。

 

あなたの絵を気に入ってくださるお客様
と出会ったときのため

飾りやすい絵がたくさんあり、
選べるようにしておきたいわけです。

 

しかし、小さい絵が飾りやすいからといって、
小さい絵ばかり並べていれば、

展示空間の見映えが
ビミョー
です。

 

グループ展の場合
自分の展示場所を
スルーされてしまいます。

 

 

それにビジネス的には、
利益率の高い絵(大きい絵)が売れた方が
良いわけです。

安いものばかり作っていると、
過当競争(安売り競争)に
巻き込まれて、
皆で貧乏になってしまう

 

というのはよく聞く話ですね。

 

大きな絵もしっかり作って、
下に向かっての競争ではなく、

上に向かって競争したいわけです。

 

【個展の準備方法】画家が絵の展覧会でやるべきことを徹底解説

2019.01.14

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絵が売れる画家の成功例

さて、ここからは実際の売れっ子作家
が絵を売るために使っている

テクニックをより具体的に
紹介していきます。

 

ここまで紹介したように、
飾りやすいモチーフを描いた絵で
在庫ピラミッドを作るというのが、

絵を準備するうえでの工夫であり、
基本なのですが

 

その他にも、様々な工夫があります。

作品説明ボードの用意

会場に作家がいて、お客様と直接
接客ができる場合、

作品の技法や、モチーフへの思い、
作家の人となりを伝えることが
できます。

 

作品それ自体の出来栄えも、もちろん
重要なのですが、購入を決断する際の
最後のきっかけとしては

このあたりの作品に関する情報が
決め手になったりするものなんです。

 

そこで、これを作家がいないときにも
伝えられるように作品説明ボードを
用意しましょう。

この会場には外国人のお客様も
多かったため、

日本語と英語の両方で作品説明文を
用意しました。

 

このボードはピタパネという
糊つきのスチレンボードに
紙を貼って作っています。

これがあったおかげで、自分がいない
間に絵が売れたことが過去に
何度かあります。

 

効果実証済のノウハウなので、是非
実践してみてくださいね。

 

おまけの準備

「この色紙は売っていないの?」

展示会場にこのような小さい色紙を
置いておくと、

お客様に質問をされることがあります。

 

これをきっかけに話がはじまることも
あります。

また、

「この色紙は絵を購入されたお客様
にプレゼントするものなんですよ。」

 

とお伝えすることで、

絵=買って、飾って楽しむもの
という認識をお伝えすることも
できます。

 

日本ではまだまだ、この認識がない方
も多いため、

こういうちょっとした工夫が結果を
大きく左右することもあるんです。

 

色紙には、その年の干支であったり、
その作家を象徴するような、

得意のモチーフなどを
描くことが多いです。

 

意外にも、これがきっかけで、
絵が売れたケースもあるので、
あなどれません。

 

ある時、私はその年の干支である
鶏の色紙を描いて、プレゼント用に
展示していました。

すると、動物の絵をコレクション
しているお客様が絵を見に
来られました。

 

そのお客様は花の絵は一枚も
持っていなかったのですが、

鶏の色紙に惹かれて、若手作家応援
の意味もこめて、私の花の絵を
買ってくださいました。

 

こんな予想もしない形で、プレゼント
色紙が役立つこともあるのです。

 

複数購入割引

 

お客様の中には、2枚の絵のうち
どちらを買おうか決めかねて、

迷ってしまうお客様も
いらっしゃいます。

もし、しばらく迷っている様子なら、
作家負担での割引を提案
してみましょう。

 

複数枚購入された方には、作家負担で、
1割引きのお値段でお売りするのです。

言うまでもないことですが、
絵は売れなければ、収入0です。

材料費や額代、制作に掛けた
時間と労力は売れて初めて回収できる
のです。

 

安売りする必要はないですが、
本当に気に入ってくれた方が現れたら、

多少割引をしても、もらって頂くのが
良いと思います。

 

日本では個展を開いても絵は売れないのか?

「日本のギャラリーでは個展をやっても
絵が全く売れないので、海外に行きたい
と思います。」

こんな声をメルマガ読者さんから頂くことが
あります。

確かに、海外の方が絵が売れる場所も
多いでしょうし、絵を買う人が多いのも
事実でしょう。

しかし、「誰も所有したくない絵」は
どこへ出しても売れません。

そして、日本でも正しい準備をすれば、
絵は売れます。

実際、私のメルマガで学んだ読者さんでも

今まで1枚も絵を売ったことがなかったのに
1回の個展で4枚も絵が売れるようになった
画家さんもいらっしゃいます。

彼へのインタビュー記事を書いてみたので
是非チェックしてみてください。↓

 

個展で絵が売れない原因

 

個展には1人の世界観で会場を
埋めつくせるというメリットがありますね。

しかし、これが仇となって

「絵が全く売れない!」
「誰も絵を見てくれない。」

そんな悲劇が起こることもあります。

そして、多くの場合それは

似たような色、構図、サイズの絵
ばかりを展示していた

ということが原因なのです。

 

絵が売れない個展の実例

実際、メルマガ読者さんからも
数多くの失敗談が寄せられています。

「個展なので、統一感があったほうが
良いと思い、同じような作風の絵ばかりを
展示していたら、お客さんが全く絵の前で
立ち止まらず、スルーされてしまい、
残念な思いをしました。」

こんな声が数多く寄せられているのです。

統一された世界観、作風ももちろん
必要ですが、お客さんが見ていて飽きない

作品のバリエーション、作風の幅も
用意できる懐の深い画家になりたいものです。

 

絵を売る罪悪感があるあなたへ


「自分が描いた絵でお金を取る
なんてできない。」

「自分の絵に数万円の価値なんかない。」

純粋に良い作品を目指して制作している
素朴な作家さんはそんなことを
思うかもしれません。

しかし、少しだけ考え方を変えてみましょう。

もし、あなたが絵を売ろうとしなければ

あなたの絵を購入して幸せになるはずだった
救われるはずだったお客様はどうなるでしょう。

 

また、もしあなたが努力の結果
30万円の価値のある絵を描いたとします。

それを20万円で売ったらどうでしょう。

あなたは10万円分の価値を無償で
社会に提供したことになります。

 

他にもこんな事実もあります。
今、街の画材屋さんは一斉に店じまいを
始めています。

今、画材の販売で生き残っているのは
世界堂TOOLSなどの一部の店のみですが

そんな一部の画材店ですら、学校への
画材販売で何とか生き延びているそうです。

美術の授業で使う画材の販売で毎年
持っているんですね。

 

こうした状況の元凶は
美術業界全般の縮小なわけですが

今のままでは全滅に追い込まれる
かもしれません。

稼げる職業画家がたくさんいれば
こんなことにはならなかったのに…

 

絵を売ることは良いことなのかも
しれない。そう思えてきませんか?

 

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売れる絵は世界を今より良い場所に変える?

絵を描くのが好きな方は本当に
純朴な方が多いため、

「売れる絵」について考えること、
「売れる絵」を真似して学ぶこと

への罪悪感や遠慮が強い方
が多いのです。

 

私はこれは本当にもったいない
ことだと思います。

 

世界的に有名な現代アーティストの
ヘンリー・ダーガーを御存じでしょうか?

彼は独学で絵を学び、趣味で
絵を描いていたそうです。

 

今では、その独特な世界観が人気を博し、
ニューヨークの一流のギャラリーで
作品が取引されています。

 

しかし、彼の絵が評価されたのは
彼の死の直前だったのです。

彼は若いころから数多くの絵を
描いていましたが、

彼自身が「画家になって、絵を売る」
ことに全く興味がなかったのです。

 

死の直前に脚光を浴びたときですら、

「私が残した絵は全て捨ててくれ。」
と言っていたようです。

私はこの話を聞いて、なんとも
もったいないなと思います。

 

あなたが描いた作品が正当に評価され、
安くない値段で売れれば

あなたは新たに材料を買って
絵を描くことができます。

 

絵を買ったお客様は、世界に
一点の作品を飾って、

絵を買う前よりも、少しだけ
豊かな生活を送れます。

 

そして、絵を売った画家が
増えることで、将来の日本の
子どもたちは、少しだけ

「画家になりたい。」と
言いやすくなります。

 

就職活動を控えた、
美大の3年生が気兼ねなく

「作家活動」という夢を
追うことができるようになります。

 

子どもたちが、画家を目指せる国
に日本が変わるためにも、

絵を売るのに遠慮はいらない
と私は思います。

 

そんな理由で、売れる絵は、
世界を少しだけ良い場所に
してくれるように私には思えます。

 

まとめ

今回はプロの画家なら知っておきたい
飾りやすい絵」について
書いてみました。

 

次回はプロの画家なら知っておきたい
「お金の話」
についてお話します。

 

 

↓詳しい内容はコチラ↓

[絵の仕事]絵の値段の決め方、画家の確定申告を解説

2017.10.17

 

今回同様、重要な回ですので、お楽しみに!

 

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