こんにちは画家の黒沼です。
これまで私は日本全国の百貨店で
展覧会を開き、
100枚以上絵を売ってきました。
今回はそんな経験を生かし、
プロの画家の七つ道具とその使い方
についてお話します。
お客さんの目を釘付けにする
展示方法もお伝えするので
是非最後まで読んでみてください。
目次
プロの画家の7つ道具とは
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/wood-2628286_1920.jpg?resize=440%2C358&ssl=1)
プロの画家の7つ道具とは
展覧会の際に活躍する道具のうち
重要な7つの道具のことです。
展覧会では、作品の搬入、飾りつけから
お客様への配送まで、様々な作業があります。
メジャー
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/tape-measure-145397_1280.png?resize=448%2C353&ssl=1)
メジャーは飾りつけ、配送で活躍します。
最近ヤマト運輸などでは運送費が
アップしたため、厳密に箱のサイズを
測っておく必要があります。
私もヤマトに集荷まで来てもらって
「このサイズは運べませ~ん」
となったことがあります。
配送前に荷物の3辺を計測する際、
メジャーは活躍する というお話でした。
また、メジャーは飾りつけの時も、
こんな感じで活躍します。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/DSC_0727-1-e1508774704291-169x300.jpg?resize=399%2C708)
床から絵の中心までの長さを計測します。
全ての絵の中心を、この長さにあわせると、
絵をセンターあわせで
飾りつけられるわけです。
あと、会期中にメジャーがポケットに
入っていると良いことがあります。
「この絵 良いな~と思うんだけど、
家のあの場所に飾れるかしら」
といったセリフがお客様から聞こえたら
さっとメジャーを取り出し、
作品の額込みのサイズを計測して見せましょう。
「○○㎜×○○㎜ですねメモに
書いておくので、お持ちください。」
と言って、作品のサイズを書いた
メモをお渡ししましょう。
会場では絵が家よりも小さく見えたり
大きく見えたりするものです。
そこで、メジャーがあれば、安心して
お求め頂ける というわけなんです。
水平器
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/DSC_0728-e1508774889497-169x300.jpg?resize=370%2C656)
水平器は飾りつけの際に活躍します。
このようにセンターあわせが済んだ
額の傾きを直すわけです。
メジャーで床からの距離を測り、
センターあわせ
↓
水平器で額の傾きを直す
この合わせ技で、スピーディーに
綺麗に絵を飾れます。
最近ではスマホアプリの水平器も
あるようなので、活用してみてください。
ポートフォリオ
ポートフォリオとは作品集のことです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/DSC_0743-300x169.jpg?resize=728%2C410)
ポートフォリオには自信のある
過去作品を載せておきましょう。
「この作品と同じ構図で、描いてくれる?」
と、過去作品のオーダー制作依頼が
入ることがあります。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/DSC_0746-e1508775029528-169x300.jpg?resize=379%2C673)
また、そうなったときのために、
作品価格表も入れておきましょう。
お客様によっては、予算と飾る場所の関係で、
「30号の過去作品を3号で描いて欲しい。」
というオーダーを出される方も
いらっしゃいます。
そんな時、サイズと価格の表が
あればスムーズに制作依頼を
受けられるわけです。
この方法で私はここ3年で5回、
オーダー制作依頼を頂きました。
また、作品や価格表の他にも、
技法や制作テーマの説明のページ
も用意するとより深く作品を
理解してもらえますよ。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/DSC_0745-300x169.jpg?resize=728%2C410)
静電気除去スプレー
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/09/DSC_0612-e1505370308311-169x300.jpg?resize=381%2C676)
額の選び方の記事でも書きましたが、
私はアクリル板で保護された額を
使っています。
アクリル板はガラスと異なり、
簡単に割れません。
(運送会社のミスで、お客様のもとに届いた時
ガラスが割れていた なんてことが
ガラスだとたまにあります。)
さらにアクリル板は最近は進化しており、
紫外線をカットし、
絵を守ってくれます。
しかし、一つだけ弱点があります。
静電気です。
アクリル板は-の電気を帯びやすいので、
ホコリがつきやすいんです。
特に黒っぽい絵の場合、
ホコリはかなり目立ちます。
そこで、この「SEリリーフ」
がおすすめです。
色々な額用の静電気除去スプレー
を試しましたが、これが一番手軽で、
効果的だと思います。
私の作家仲間も「SEリリーフ」
使っている人が多いですね。
眼鏡拭き
静電気除去スプレーと併せて
持っておきたいのが、眼鏡拭きです。
額縁は普通、壁にかけて使います。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/09/IMG_0355-1024x77011-300x226.jpg?resize=728%2C548)
しかし、私は小さい作品はこのように、
寝かせて展示しています。
このような展示を
「枕置き」というんですが、
これホコリがつもりやすいんです。
会期中にも額にほこりは積もっていきます。
なので、私はポケットに
眼鏡拭きを常に入れています。
名刺
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/business-card-427511_1920-300x199.png?resize=728%2C482)
展覧会会場では、名刺を交換したり、
置いておくことができます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/DSC_0747-300x181.jpg?resize=728%2C439)
画家の名刺なので、作品画像
があると良いでしょう。
名刺作成はコチラのビスタプリント
が簡単でおすすめです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/DSC_0748-300x183.jpg?resize=728%2C444)
検索窓の素材をフリーで提供しているサイト
を使って、こんな名刺を作ってみました。
画家の4つのタブーの記事でもお話しましたが、
会場Aで出会ったお客様を
会場Bに招待することはできません。
会場のお客様を盗んだことに
なるからです。
しかし
お客様が名刺の検索窓をみて、
ホームページにたどり着き、
展覧会情報を見て、別の会場に来た
となると、こちらとしては
止めようがありません。
名刺の他にも、ブロッシュアーやチラシ
を置いておくこともあります。
ブロッシュアーとは、ポートフォリオの概要
を1枚の紙にプリントしたものです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/表面color-1-1-300x212.jpg?resize=728%2C514)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/裏面-300x218.jpg?resize=728%2C529)
私は壁画制作も行っているので、
壁画制作ユニットTAMAKOBOのチラシ
も会場に置いています。
ともシール
ともシールとは、額の箱の側面に貼っておく
ラベルシールのことです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/DSC_0749-300x169.jpg?resize=728%2C410)
箱の中身がわかるように
作品タイトル、作家名、制作年、技法
を書いておきます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/DSC_0750-コピー-230x300.jpg?resize=500%2C652)
また、額縁の裏にも同じように
ラベルシールを貼っておく必要があります。
その他
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/screwdriver-145111_1280-300x286.png?resize=300%2C286)
他にも、ガムテープやカッター
(作品梱包、開封時に使います。)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/DSC_0750-300x277.jpg?resize=417%2C385)
プラスドライバ―
(額縁のヒンジのねじ締めに使います)
マジック(ともシールに書く時使います。)
金づち(額を掛ける時のくぎ打ちに使います。
芳名帳(会場によってはリストをくれない
ので、その場合、お客様に記入を勧めます)
略歴(画家の活動歴です。売れた絵に同梱します)
などもあると良いと思います。
(この辺りは会場が用意してくれた
こともあります。)
絵画の飾り方、展示方法:絵を飾るおすすめの高さ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/スライド3.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
ここまで紹介してきた画家の7つ道具を
駆使して、実際に絵を飾ってみましょう。
絵を飾る高さはこのように、
目線の高さよりも少しだけ低くなるように
絵の中心をそろえて展示すると良いでしょう。
特に細かく描きこんだ絵は、展示する位置が
高すぎると、近寄って見れないので、低めに
飾るのがおすすめなんです。
絵画の飾り方、展示方法:絵を飾るおすすめの色の配置
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/スライド1.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
このように似たような色の絵、額装が
隣り合うと、展示空間がまったりしてしまい、
お客様が絵の前を素通りしてしまう。
そんなことも多いのです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/スライド2.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
同じ4枚の組み合わせでも、このように
似た色が隣り合わないように飾ることで
展示空間にメリハリが生まれ、1枚1枚を
じっくりと見てもらうことができます。
絵画の飾り方、展示方法:グループ展で絵を飾る場合
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/gt.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
似た色が隣り合わないように飾ることで
展示空間にメリハリが生まれ、1枚1枚を
じっくりと見てもらうことができる
これは個展だけではなく、グループ展にも
言えることなのです。
カラフルな作風の人の隣にはモノクロの作風
の人の絵を飾る
などの工夫をして、展示空間にメリハリを
持たせてみましょう。
絵画の飾り方、展示方法:個展で絵を飾る場合
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/バランス.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
ここまで、似たような作風の絵を
隣り合わせで飾ると
展示空間にメリハリがなくなる。
そんなお話をしました。
この事実を生かして、絵の準備の仕方を考えると
このように似たような作風ばかりの絵を準備すると
必然的に展示空間にメリハリがなくなり
お客様にも絵をじっくり見てもらえないことが
多いのです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/バランスOK.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
なので、個展の場合でも
このように、統一した作風の中にも
サイズや色、額装にバリエーション
を持たせて絵を準備し、飾ると
お客様もじっくりと絵を見てくれます。
まとめ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/workshop-2608390_1920-300x200.jpg?resize=728%2C485)
今回は展覧会の際に必要な
7つ道具プラスαについてお話しました。
必要な時にないと焦ったり、せっかくの
チャンスをのがすこともあるので、
是非チェックしてみてくださいね。
次回はプロの画家に必要な接客術
についてお話しします。
こちらも重要な回ですのでお楽しみに!
↓画家になる方法はコチラ↓
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/06/画家になるには-300x176.jpg?resize=725%2C422)