【炎や火の描き方】イラストにも使える上手に描く簡単な方法を解説

こんにちは!
画家の黒沼です。

今回は炎を描き方を
解説していきます。

日没直前の真っ赤な秋の空
神秘的なキャンドルの炎
などなど

炎は本当に絵になる
神秘的なモチーフ
だと思います。

今回は見ているだけで
ホッコリするような

炎の描き方を超ロジカルに
解説していきます。

 

目次

炎の描き方のコツ

炎の描き方の流れを簡単に
解説するとこのような感じです。

①↑の表を参考に①~③の3色を塗り分ける
②キワをピンボケ状態にする
③細かい表情を描写する

言葉だけで説明するとなかなかイメージ
しづらいと思うので、
是非動画を見てみてください。

 

炎の描き方のよくある失敗

炎の描き方は↑のように最適な3色を
選んで塗ることができれば
さほど難しくありません。

しかし、多くの初心者は彩度
コントロールする意識が弱いため

 

不自然な印象になって
しまうことが多いのです。

↓によくある失敗を2パターン
紹介しておきます。

↑こちらは明るいゾーンの彩度が
高すぎるせいであまり光を感じない
イラストっぽい印象になっています。

このようなハイコントラストな
光の設定では明るいゾーンは、
ほぼ白なので彩度が低いのです。

 

↓こちらは暗いゾーンの彩度が
低すぎるせいで印刷物のような
平板な印象のカゲに
なってしまっています。

カゲの中は私たちが想像するよりも
実際は鮮やかなのです。

炎の描き方の基本

炎の描き方
今回のモチーフの3色下絵を紹介します。

今回の下絵はコチラです。

明るく鈍い黄色
鮮やかなオレンジ
暗くやや鮮やかな赤紫

の3色です。

これまで解説した通り

①と②の色は色相環上で
隣にあります。

今回は②と③が
近い位置にありますね。

 

このように②と③の色相を近づけると、
自然な光の印象を出すことができます。

それでは実践パートに入っていきましょう。

 

 

炎の描き方:実践編

炎の描き方を動画で解説してみました。

↓ここからは動画に使った下絵の画像と
各制作段階の描き方解説です。

動画とあわせてご参照ください。

 

①線画をトレース

まずはじめに描くモチーフの
線画を用意します。

下絵の裏を鉛筆で真っ黒に塗り、
上からボールペンでなぞって

画面に転写していきます。

②中間色を下塗り

画用紙に下塗りを
していきます。

この初めに塗る下塗りを
インプリマトゥーラといいますが

インプリマトゥーラは、
中間トーンよりやや明るめの色を
半透明に塗ると良いでしょう。

 

今回は中間の明るさがオレンジなので
黄色とオレンジの中間の色を作って

ジェルメディウムを混ぜ、
半透明な絵の具を作っていきます。

転写した下絵の周囲を
マスキングテープでカバーしていきます。

 

筆に絵の具を馴染ませていきます。

インプリマトゥーラは早い手の動きで
半透明で均一な塗膜ができるように
下塗りをしていきます。

③暗いトーンを塗る

下塗りが終わったら
暗いトーンの色を作っていきます。

今回は暗いゾーンが赤紫色なので
赤紫のグレーを作っていきます。

最終的な仕上がりよりも
やや明るめやや鈍目に
不透明な絵の具を作り塗っていきます。

 

モチーフの立体感や光源の位置を
感じながら陰の形を塗っていきます。

初めのうちはこのように明暗の境目付近に
注目してモチーフの形を探るように
塗っていきましょう。

今回は明暗の境目である稜線付近に
現れるモチーフの質感も
この段階から再現していきます。

 

ホイップクリームのくだけた表情や
イチゴの表面の細かい凹凸も
感じながら陰の形を塗っていきます。

このようなざらついた質感は
筆に絵の具をあまり付けず、
筆を速く動かすことで
再現していきます。

このような筆のタッチを
ドライブラシといいます。

 

陰の形をぬりながら、このような
質感を表現していくときの重要なのは

全て同じタッチにしない
ということです。

 

同じ陰のゾーンでも
モチーフの稜線付近はカサついたタッチで塗り、

背景部分などはマットに平面的に塗る

などの工夫をして絵の具の付き方に
差をつけることで質感を感じる絵
になっていきます。

 

明暗の境目が把握できたら、
大きい平筆で暗い面を塗って
いきましょう。

不透明でマットな面を塗る場合は
このように複数回塗り重ねると
良いでしょう。

 

初めは半透明な絵の具でざっくりと塗り
2回目にマットに塗ることで

下絵の鉛筆の線を参考にしながら

陰の中に溶け込んでしまっている
モチーフの形を探りながら

暗い形を決めることが出来ます。

 

④明るいゾーンを塗る

暗いゾーンが塗れたら
次は明るいゾーンを塗っていきます。

今回は不透明な鈍い黄色を
塗っていきます。

下塗りの色よりも明るい色を
作るのがポイントです。

明るいゾーンは初めのうちは全て、
不透明でマットに塗りこむのがポイントです。

⑤半透明な黄色を塗り重ねる

さて、不透明な絵の具で
画面を3色に塗り分けました。

この段階である程度自然な光や
立体感を感じるでしょうか?

 

もし感じないようであれば、
塗った色が間違っている可能性が
あるので、確認してみましょう。

お次は不透明なベースの上に
黄色の半透明な絵の具を
かけていきます。

 

ジェルメディウムを混ぜて
絵の具の透明感と粘り気を上げて、
半透明な黄色い塗膜を重ねていきます。

明るいゾーンは最終的に彩度が低く
なるので、鮮やかになりすぎないように
注意しましょう。

 

⑥半透明なオレンジを塗り重ねる

次はオレンジを重ねていきます。
自然な光を演出するには

①と②の色を近づけるべきなので

黄色よりのオレンジを作っていきます。
今回も

ジェルメディウムを混ぜて絵の具の
透明感と粘り気を上げて、
半透明な塗膜を重ねていきます。

 

先ほど塗った黄色のゾーンよりも
鮮やかになるように
塗り重ねていきます。

一度塗っただけでは、鮮やかさが
足りないので複数回塗り重ねて、

ちょうど良い鮮やかさになった
ところで次の色へ移ります。

 

 

⑦半透明な赤紫を塗り重ねる

お次は赤紫を塗っていきます。

今回の絵は明暗のコントラストが
強いので、黒い絵の具も少し混ぜます。

ジェルメディウムを混ぜて絵の具の
透明感と粘り気を上げて、
半透明な塗膜を重ねていきます。

 

広い面を塗る時は
筆の後が残らないように手を素早く動かし

何度か塗り重ねることで、ムラのない
きれいな塗膜を作っていきます。

 

赤紫のゾーンも先ほどと同様
ちょうど良い鮮やかさになるまで
塗り重ねていきます。

黄色のゾーンより鮮やかで
オレンジほど鮮やかではない

ちょうど良いラインを目指して
塗り重ねていきます。

⑧中間トーンの彩度を上げる

オレンジのゾーンの中でやや暗い
ゾーンにオレンジを塗り重ね

暗くあざやかにしていきます。

このように透明な絵の具を
重ねるときは

鮮やかさを上げながら、
明るさの段階を増やす意識で
塗っていきましょう。

 

⑨イチゴの固有色を追加

お次はイチゴの赤を透明色で
追加していきます。

透明色を塗り重ねると、画面は
暗くあざやかになっていきます。

 

 

また色相環上では

黄色に近づくほど色は明るく、
青紫色に近づくほど
色は暗くなっていきます。

 

なので基本的に透明色を重ねて、
絵にモチーフの固有色を
追加していく場合

黄色から青紫に向けて順番に
色を追加していくと良いでしょう。

今回は

黄色→オレンジ→赤→赤紫
の順番でモチーフの固有色を
追加していきます。

今塗っている赤は若干黄色が
混ざっています。

ややオレンジ寄りの赤なのです。

 

モチーフの固有色をいきなり
重ね塗りすると、浮いてしまう
ことが多いので

今回の光の色である黄色を混ぜた
オレンジ寄りの赤を一旦塗っておくことで

自然な印象に仕上げることが出来ます。

 

画面を徐々に暗く徐々に
鮮やかにしていくことが

立体的で鮮やかな絵を描く
コツなのです。

 

⑩ロウソクの固有色を追加

お次は黄緑色のロウソクの固有色
を塗っていきます。

ベースにオレンジがあるので、
不透明で隠蔽しながら塗っていく
必要があります。

この時もモチーフの固有色を
いきなり塗るのではなく

 

モチーフの固有色に若干光の色である
鈍い黄色を混ぜて塗っています。

次はピンク色のロウソクを
塗っていきます。

この時も

モチーフの固有色に若干光の色である
鈍い黄色を混ぜて塗っています。

モチーフの固有色を追加するときは
その空間の光の色を若干混ぜて、
やや白っぽく塗るのがコツです。

⑪稜線付近の彩度を上げる

先ほどイチゴの明るい部分に
ややオレンジがかった赤を
一旦塗りましたが

全体の空間が見えてきたので、
稜線付近に透明で鮮やかな赤を
重ね塗りしていきます。

 

お次は炎の周辺や、白い
ホイップクリームの稜線付近に

透明で鮮やかなオレンジを
重ね塗りしていきます。

⑫ピンボケを作る

ロウソクの炎の周りの光の輪が
暗闇に溶け込むようにピンボケを
作っていきます。

ピンボケを作る最もシンプルな方法は
色の境界線を見つけて

2つの色をパレットに再現し、
混ぜ合わせて中間色を作って

境界線上に塗るという方法です。

 

かなり面倒な作業ではありますが
これを機械的にやっていくだけで

無限の色を感じるようなピンボケの
グラデーションを作ることが出来ます。

画面の隅を暗い赤紫で
塗っていきます。

 

この絵のように中心に光源があって
周囲が暗闇の設定を描く場合

画面の四隅を暗くすると
より自然な光を演できます。

 

⑬明るいゾーンの密度を上げる

画面全体の空間や光の雰囲気、
モチーフの色の調和が取れてきました。

ここからは不透明な絵の具を作って
今あるベースに薄く擦り付けるようにして

さらに明るさの段階を増やしていきます。

塗りムラが気になる部分も必要な色を
作って修正していきます。

 

次にハイライトを白で描きおこします。

最も明るいゾーンがあざやか過ぎるので

ほんの少しだけ黄色が混ざった
白を塗っていきます。

このようにハイライトの部分は
基本的にほぼ白なので、
彩度が低いのです。

 

また、今回のモチーフはイチゴや
溶けたロウソクなど、光沢のある部分
があるので

光源の光が反射しています。

 

これを細かい点を打つように
再現していきます。

全体の色の雰囲気やキワの表情を
確認し満足が行ったら
マスキングテープをはがして完成です。

 

完成

 

今回はこのような
仕上がりになりました。

 

この絵のように暗い空間に
ぼんやり光る光源があるような
設定の絵は

全体の色の関係を合わせ、

各モチーフの稜線付近を少し
描写するだけで自然な空間を
描けてしまいます。

 

また、ホイップクリームやイチゴなどは
形の厳密さは

さほど重要ではありません。

 

人物や動物など形に特徴がある
モチーフで練習をし、
疲れてしまった時には

今回のようなモチーフで光や質感を
描写する楽しみを思い出してみるのも
良いかもしれません。

 

 

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