着彩のコツや色の塗り方がわからない。
ここに何色を塗ったらよいのか?
こんな悩みを抱える方は
絵を描く人にも意外と多いものなんです。
とくに、漫画や人物など形を描くのが
得意な人に多いようです。
形を正確にとったり、明暗でモノを
見るのは得意だけど
彩度や色味のコントロールができない
方はデッサンだけ上手い方は
以外にも多いのです。
これまでは
「絵を飾って楽しみたい」
「絵を観に行きたい」
人むけに記事を書いてみました。
前回に引き続き、今日も
「絵を描きたい人」
「画家になりたい人」
に向けた記事を
書いてみようと思います。
自己紹介の記事でも書いた通り、
私はなかなか絵が上達せず、
長い絵の修行時代を送りました。
そんな私が色んな方から教わった
「絵がうまくなる方法」
について、書いてみようと思います。
今日は色付きの絵画(着彩)
の描き方について紹介します。
目次
着彩のコツや色の塗り方を学ぶための準備
着彩のコツや、色の塗り方について
今回は解説するわけですが
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/img_01-1.jpg?resize=356%2C435&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/img_01-コピー-2.jpg?resize=359%2C439&ssl=1)
前回の記事で紹介した、モノクロ3色で
画面を分割する練習が今回も役立ちます。
モノクロで見る意識もやはり大事
着彩のようにカラフルな色で絵を描く
時にも、やはり明度の関係を
正確にとらえて再現するのは
依然として重要なわけです。
「光の形、影の形を写し取る」力が
つくと、
色を使った描き方も上達するんです。
一見、デッサンのようなモノクロの
絵画の描き方と色付きの絵画の描き方は
関連がないと思うかもしれません。
しかし、前回練習した
「3色で画面を分割する」描き方が
色を塗る時も役に立ちます。
具体的な練習方法に移る前に
そもそも色って何なのか解説します。
色の3要素とは
皆さんは色の3要素という言葉を
聞いたことがあるでしょうか?
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/saidomeido-300x258.jpg?resize=414%2C356)
色相のイメージ
色の3要素とは
明度、彩度、色相のことです。
この科学的な定義が
絵を描くのに役立つのか?
とても役に立つんです。
今回はこの3要素を駆使することで、
鮮やかで立体的な絵画を
描く方法を紹介します。
着彩のコツや色の塗り方は色付きの光を意識するとわかる
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/venice-1933559_12802.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
着彩のコツや色の塗り方がわからない人の多くが
「色を塗ると立体感がなくなっちゃう」
「何色を塗れば良いのか分からない」
そんな悩みを持っています。
一般的に絵がうまい人でも、
色の使い方がわからない
という人は意外に多いです。
3色で塗り分ける意識は大切
実は色にもデッサンのような
科学的な理論があるんです。
色はセンスだけで勝負しなきゃ
いけないわけではないんです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/ta-na.jpg?resize=520%2C375&ssl=1)
前回練習した、3段階の明度で
画面を塗り分ける描き方
これは色彩のまとまりのある
絵を描くのにも役立ちます。
前回は完全なモノトーンで
光をとらえましたが、
実際、光には色がついています。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/sun-2784408_1920-300x200.jpg?resize=494%2C329)
私たち人類のの「光」という経験は
大体「太陽光」または「炎」です。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/advent-80125_1920-300x225.jpg?resize=485%2C364)
そのため、太陽や炎のように
黄色からオレンジに変化する色の光を、
自然な光だと感じます。
(逆にネオンのような人工的な光を
描く場合は、
黄色以外の光の設定が良いです。)
着彩のコツ:明るい色は暖色、暗い色は寒色と覚える
着彩や色塗りが苦手なデッサンエリートに
是非覚えておいてほしいのが
明るい色は暖色
暗い色派は寒色
この大原則です。
この記事ではこの先結構
複雑な話をしていきますが
迷ったら、この原則さえ
守っていれば自然な色を
選んで塗ることが出来ます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/色相環-300x300.jpg?resize=300%2C300)
明るいゾーンには
黄色、オレンジ、赤、黄緑
のような、色相環の上の方にある
温かみを感じる色を塗り
暗いゾーンには
青紫、青、紫、赤紫色
のような色相環の下の方にある
冷たい印象の色を塗る。
たったこれだけを意識する
だけでも、自然な色を
選んで塗ることができます。
これは太陽や炎など
自然界に存在する光源が
どれも暖色系だからです。
雲一つない良く晴れた日
オレンジがかった夕日を浴びる
白い船は
明るい部分が黄色よりのオレンジ
暗い部分は空の反射光を受けて
青っぽくなっていますね。↓
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/the-quantum-of-the-seas-848437_1920.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
逆にこの大原則を破って
明るいゾーンには
青紫、青、紫、赤紫色
のような色相環の下の方にある
冷たい印象の色を塗る。
暗いゾーンには
黄色、オレンジ、赤、黄緑
のような、色相環の上の方にある
温かみを感じる色を塗る。
こうすると、非常に
不自然で人工的、作為的な
印象の絵になります。
ちょうど、ネオンライトの光に
照らされたような感じですね。
この光の設定で絵の中に
自然な空間を演出するのは
結構難しいので、あまりオススメしません。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/osaka-2225441_1280.jpg?resize=400%2C600&ssl=1)
着彩のコツや色の塗り方がわかると夕日も描ける
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/sunset-173886_1920.jpg?resize=728%2C546&ssl=1)
色付きの光の場合
今回は黄色からオレンジに変化する
光の代表として「夕日」を上げます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/kamome-300x152.jpg?resize=300%2C152)
この画像は白いカモメに
夕日が当たっているシーンです。
このように白いものを観察すると、
光源の持つ色を確認しやすいです。
次にこの夕日の画像をよく見てください。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/sunset-173886_1920-300x225.jpg?resize=591%2C443)
最も明るいゾーンは鈍い黄色
中間の明るさは鮮やかなオレンジ色
暗いゾーンはやや鮮やかな赤紫っぽいです。
つまり夕日のシーンを色付きで描く時
最初に塗り分ける三色は
1.明るく、彩度が低い、黄色
2.中間の明るさで、彩度がとても高い、オレンジ
3.暗い、彩度がやや高い、赤紫色
となるわけです。
葉っぱ越しの光の場合
次の例に行きましょう。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/leaf-299931_1920-1-300x207.jpg?resize=505%2C348)
緑色の葉っぱに太陽光が当たっています。
よくみると、明るいゾーンは鈍い黄緑っぽく、
暗いゾーンは青っぽい緑をしています。
用意する3色は
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/happaトライアド-300x300.jpg?resize=300%2C300)
1.明るく、彩度が低い、黄緑色
2.中間の明るさで、彩度がとても高い緑
3.暗い、彩度がやや高い、青みの緑
となります。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/はっぱ-300x183.jpg?resize=728%2C444)
黄色い光の太陽光が半透明な緑色の
葉っぱに当たることで、
森の中は黄緑色の光が
降り注ぐことになります。
このように劇的な光と色彩を両立する
場面を描く場合
1、明るい、低彩度の、黄色に近い色
2、中間の明るさで、高彩度で、1の隣の色相の色
3、暗く、中彩度で、青に近い色
の三色で塗り分けると良いということです。
この理論を使って、いくつか実験してみましょう。
色付きの光をイメージで描く方法
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/kamomesea-300x188.jpg?resize=484%2C303)
こちらの白いカモメを夕日のシーンに連れていくとどうなるでしょう?
前回の記事と同じ要領でやってみましょう。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/kamomesea-300x188.jpg?resize=409%2C256)
①モチーフ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/kamomesea-mono-300x188.jpg?resize=409%2C256)
②モチーフの白黒コピー
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/kamome-ll-コピーsirokuro-300x186.jpg?resize=410%2C254)
③モチーフのモノクロを3色のみで描く
ここから色つきです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/kamome-ll-300x186.jpg?resize=413%2C256)
④用意された3段階の明度に低彩度、
高彩度、中彩度の色相の隣り合った3色を塗る。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/kammome-triad-300x183.jpg?resize=728%2C443)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/明度彩度.png?resize=648%2C86&ssl=1)
※画像の3の色は背景色として、
便宜的に2と4の間の色を塗りました。
つまり、画像の1,2,4の色が
用意する3色です。
着彩のコツや色の塗り方がわかると屋外の風景を描ける
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/sun-3588618_12801.jpg?resize=728%2C485&ssl=1)
着彩のコツや色の塗り方について、
ここまで夕日の設定で説明してきました。
メルマガ読者の方からこんな質問を
頂きました。
「夕日の設定で描く方法はわかったのですが
朝や昼間の設定の光を描くにはどうすれば
良いのですか?」
ここではこの質問にお答えします。
良く晴れた日の光の場合
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/dog-1123016_12801.jpg?resize=538%2C357&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/dog-1123016_12801hoseigo.jpg?resize=539%2C358&ssl=1)
上の画像はよく晴れた日の昼間
屋外で撮ったクリーム色の犬の写真ですが
下の画像はその画像を補正したものです。
下の画像は犬の暗いゾーンや草木の
暗いゾーンに空色のフィルターがかかっています。
明るいゾーン、中間は犬と草木そのままの色です。
青いフィルターをかけたような色で描
着彩のコツや色の塗り方がわかると実際より鮮やかな絵が描ける
着彩のコツや色の塗り方について次は私が実際に
描いた絵画で説明します。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/thHOYLJQWE-300x219.jpg?resize=516%2C377)
①モチーフ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/1bw-300x219.jpg?resize=516%2C377)
②モチーフの白黒コピー
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/3shoku-f-300x219.jpg?resize=512%2C374)
③モチーフのモノクロを3色のみで描く
ここから色つきです
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/3shoku-ff-300x219.jpg?resize=493%2C360)
④用意された3段階の明度に低彩度、
高彩度、中彩度の色相の隣り合った3色を塗る。
⑤固有色(モチーフ自体の色)を足して、
グラデーションを細かくしていく
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/トライアド-300x186.jpg?resize=728%2C452)
この絵画は影色(3の色)を
緑で描いています。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/石鹸 とらいあど-300x300.jpg?resize=300%2C300)
このように明るい色(1の色)と
中間の明るさの色(2の色)は隣り合った色相
影色(3の色)は1,2の色から
離れた色相の色を使うと
劇的な光を表現できます。
またこの絵画の場合、光の3色は
1:明るく低彩度の黄色
2:中間、高彩度のオレンジ
3:暗く、中彩度の緑
で設定していますが、下の石鹸は赤でした。
モチーフに色がついている場合
こういった場合、色は足し算で求めます。
つまり、赤い石鹸は白黒コピーすると、
暗い色(3の色)です。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/3shoku-f-300x219.jpg?resize=432%2C315)
そこで、3の色の暗く、中彩度の緑と、
モチーフそれ自体の赤色を足した
色を塗るわけです。
本物の石鹸はとても鮮やかな赤でした。
しかし、絵画の中では、緑の影色との
足し算により、
鈍い赤になっています。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/bara-300x225.jpg?resize=546%2C409)
この絵画の石鹸の赤色のように
モチーフそれ自体が持っている色を
固有色と言います。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/色相環1.jpg?resize=399%2C408&ssl=1)
実は固有色も今まで話した理論通り、
明るいゾーンは黄色に近づき、
暗いゾーンは青に近づきます。
着彩のコツや色の塗り方がわかると、身近なモチーフもより鮮やかに描ける
着彩のコツや色の塗り方がわかると身近なモチーフも
現実以上に鮮やかな状態で自然に描く
ことができるようになります。
赤いモチーフの場合
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/apple-1834639_12801-1.jpg?resize=347%2C347&ssl=1)
例えば、真っ赤なリンゴを立体的に描きたければ、
1:明るく、彩度の低いオレンジ
2:中間で、彩度の高い赤
3:暗く、中彩度の赤紫色
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/リンゴ表.png?resize=517%2C99&ssl=1)
の3色で塗り分ければ良いわけです。
この3色を塗り分けてから、より
細かいグラデーションを追っていくと
現実以上に鮮やかで立体感のある
リンゴを描けるわけです。
緑のモチーフの場合
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/paprika-1717226_960_7202.jpg?resize=315%2C402&ssl=1)
緑色のピーマンの場合はどうでしょうか?
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/3shoku.jpg?resize=322%2C411&ssl=1)
1:明るく、彩度の低い黄緑
2:中間で、彩度の高い緑
3:暗く、中彩度の青緑
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/ピーマン表.png?resize=496%2C95&ssl=1)
の3色で塗り分ければ良いわけです。
この3色を塗り分けてから、より
細かいグラデーションを追っていくと
現実以上に鮮やかで立体感のある
ピーマンを描けるわけです。
光の色×モチーフの色で描くことが大切
実際にモチーフを描く場合は光のもつ3色と、
モチーフの固有色の持つ3色の足し算
で描くわけです。
今回はとても複雑な話になってしまいました。
これは私の思いつきや経験則ではなく
光学的にも正しい理論らしいです。
なので、習得すればより、
リアルな絵を描けるようになります。
気になる方はは『カラー&ライト』を
読んでみてくださいね
着彩のコツのまとめ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/10/easter-1237585_1920-300x199.jpg?resize=603%2C400)
着彩のコツはわかったでしょうか?
今回も絵の上達方法、
色使いの練習方法について
解説しました。
これまで、線描、光とカゲ、色彩と
ステップアップ式で、
絵の描き方を紹介してきました。
今回の色彩の理論が最も複雑だと
思いますが、使えるようになれば
絵が大分上達すると思います。
是非練習してみてくださいね。
それでは今日はこのへんで