【油絵で風景画】初心者向けに簡単な技法や描き方を解説

油絵って乾燥遅くて使いづらい…
制作に時間がかかる

ウマくグラデーションを作れない
絵の具を塗り重ねると下層がとけちゃう…

そんな方には今回の記事を
是非読んで頂きたいです!

今回は最もオーソドックスな油絵技法

ヴェネツィア派の絵画技法を
解説していきます。

非常に効率的に色幅を作れる
描き方なので、油絵を描く方には
是非最後までみてほしいと思います。

真似するだけでリアルに絵を描けて
しまう技法なので、時間はかかりますが
皆さんも是非実践してみてくださいね。

それでは早速始めていきましょう。

油絵の具で風景を描く手順を
今回は動画で解説していきます。

動画で使った解説スライドや解説文も
載せておくので、動画と併せて
ご活用ください。

目次

油絵の風景の描き方:下描き編

今回は下絵がA4サイズに
収まらなかったので

作った下絵を上下に分けて印刷し
転写していきます。

下絵の余分な部分、上下左右を
カッターで切り落とします。

 

下絵の裏側を鉛筆で
真っ黒に塗っていきます。

線がある部分だけ
塗っておけば大丈夫です

 

塗り終わったら、マスキングテープで
キャンバスに下絵を固定して、
線の上からボールペンでなぞっていきます。

下絵の線を全てなぞると
このように転写できます。

 

油絵の風景の描き方:明暗編

ここからは絵の具に入っていきます。
鉛筆の粉が流れるのをとめるため

初めに半透明な茶褐色の
下塗りをしていきます。

この作業をインプリマトゥーラ
といいますが、

今回は作業をスピードアップするために
アクリル絵の具で下塗りしていきます。

半透明のやや鮮やかな茶褐色を
下塗りしておくことで

中間の明るさから絵を
描き始めることが出来ます。

 

さて、ここからは
油絵具に入っていきます。

今回はペインティングオイルという
予め調合された溶き油に揮発油の
テレピンを加えて使います。

 

制作の序盤は艶がなく、乾燥がはやい、
揮発性の油を多く混ぜた溶き油で
描いて行きます。

次に、絵の具を練っていきます。

地塗りの茶褐色よりもほんの少し明るく、
少し黄色っぽい絵の具を作っていきます。

 

地塗りよりも明るい絵の具を塗る時は
このように不透明でマットな状態の
絵の具を塗っていきましょう。

キャンバスの布目に絵の具が食いつくように
しっかり塗りこんでいきます。

下塗りの色が透けて見えないように
フラットに色面を塗っていきましょう。

 

お次は下塗りよりも1段階
暗い色を作って塗っていきましょう。

下塗りよりも暗い部分を塗る時は
溶き油を多く混ぜた半透明でサラサラな
状態の絵の具で塗っていきます。

 

明るい部分は不透明な絵の具でマットに
暗い部分は透明な絵の具で下地を透かすように
塗っていくのがポイントです。

今回紹介するヴェネツィア派の
絵画技法はこのように

1日のうちに
明るい部分と暗い部分を1色ずつ
塗り重ねるので

効率的に色幅を増やしていけるのです。

 

明るさがさらに2段階増えましたね。

制作の序盤はこのように褐色系の土から
作られた絵の具を使うことが
多かったようです。

 

土系の絵の具は乾燥が早い上に
キャンバスへの食いつきも良く、

また、安く手に入ったため制作の序盤、
広い面積を塗る時に使われたようです。

今回使った絵の具はバーントシェンナは

シエナの土を焼いた絵の具
という意味なんだそうです。

 

さて、今回は明るい部分のさらに
明るいゾーンを塗っていきます。

今塗ってある最も明るい色よりも少しだけ、

明るく黄色っぽい絵の具を
作って塗っていきます。

 

明るいは下に塗った色が透けて
見えないように不透明な絵の具で
フラットにマットに塗っていきましょう。

 

キャンバスの布目に絵の具が食いつく
ようにしっかり塗りこんでいきます。

細かい部分も細い筆を使って、
明るい形を刻んでいきます。

お次は今塗ってある暗い色よりも
1段階暗い色を作って塗っていきましょう。

暗い部分を塗る時は溶き油を多く混ぜた
半透明でサラサラな状態の絵の具で塗っていきます。

暗い部分を塗る時はどうしても
筆のタッチが残りやすいので、

モチーフの形に添った
タッチを残していきます。

水面は横向きのストロークで
塗っていきましょう。

明るさがさらに2段階増えましたね。

このヴェネツィア派の描き方は絵の具を
塗り重ねるごとにどんどん明るさの幅が
増えていくので、

光と影に特徴のある絵を
描くのに向いています。

 

今回はこれまでとは違い、
暗い部分のみを塗り重ねていきます。

今回の絵の場合、最初の地塗りの色よりも
暗い部分の方が情報量が多いため

暗いゾーンにより多く絵の具
を塗り重ねていきます。

今塗ってある最も暗い色よりも
1段階暗い色を作って塗っていきましょう。

暗い部分を塗る時は溶き油を多く
混ぜた半透明でサラサラな状態の
絵の具で塗っていきます。

 

暗い部分を塗る時はどうしても
筆のタッチが残りやすいので、

モチーフの形に添った
タッチを残していきます。

水面は横向きのストロークで
塗っていきましょう。

 

今回も暗い部分のみを
塗り重ねていきます。

 

今塗ってある最も暗い色よりも1段階
暗い色を作って塗っていきましょう。

ペインティングナイフの側面に
絵の具を付けて画面上でこすると

筆では引けないような細い
シャープな線を引くことが出来ます。

暗い部分を塗る時は溶き油を多く
混ぜた半透明でサラサラな状態の
絵の具で塗っていきます。

暗い部分を塗る時はどうしても
筆のタッチが残りやすいので、

モチーフの形に添った
タッチを残していきます。

 

水面は横向きのストロークで
塗っていきましょう。

波が砕けたような細かい形は
先の割れた筆の荒いタッチで表現します。

 

明るさの段階が増えてきましたね。

まだ4層しか塗り重ねていませんが、
今回紹介したヴェネツィア派の描き方は

かなりスピーディーに明るさの幅を
だしながら形を刻んでいくことが出来ます。

 

 

今回もこれまで同様、絵の中の暗い部分と
明るい部分を同時に塗り重ねていきます。

まずは、今画面の中で最も暗いゾーンの中で
さらに暗い部分に半透明なこげ茶色を
塗り重ねていきます。

 

暗いゾーンの形を意識してできるだけ
ムラなく半透明な絵の具を
塗り重ねていきましょう。

お次は今画面の中で最も明るいゾーンの中で
さらに明るい部分に不透明なクリーム色を
塗っていきます。

明るいゾーンは下に塗ってある色を
完全に隠蔽するように
マットに塗っていきましょう。

 

この時も必ず明るいゾーンの形を意識して
できるだけムラなく塗り重ねていきましょう。

細かい形を塗る時は細い筆を使って
丁寧に塗っていきます。

油絵の風景の描き方:グレーズ編

さて、今回からは鮮やかに
画面を仕上げていきます。

ここまでの作業工程では、画面の
明るさの段階を増やすことを
重視してきました。

 

ここからは、中間の明るさのゾーン、
暗いゾーンを中心に画面を
鮮やかにしていきます。

最も明るいゾーンを避けて、

半透明な鮮やかな絵の具を
塗り重ねていきます。

今回は半透明な赤みのオレンジを
塗り重ねていきます。

さて、今回も前回同様、半透明な
赤みのオレンジを塗り重ねていきます。

 

このように透明色を塗り重ねる技法を
グレーズ技法といいますが

これは何回かに分けて行うと良いでしょう。

透明色を塗り重ねると画面が
暗く鮮やかになるわけですが

いきなり濃い絵の具を塗り重ねると、
一気に画面が鮮やかになり
立体感がなくなってしまいます。

俗にいう、

画面が染まってしまうという状態です。

 

今までじっくり作ってきた明るさの段階が
鮮やかな絵の具で台無しになってしまうのです。

今回のように鮮やかな透明色を
重ね塗りするグレーズ技法を何度かに分けると

画面全体が一気に鮮やかに
なってしまうのを防げます。

 

1回塗り重ねた部分はやや鮮やかに
2回塗り重ねた部分はかなり鮮やかに

なるわけです。

 

 

油絵の風景の描き方:仕上げ編

このくらいの段階になったら、
溶き油に乾性油のリンシードオイルを
増やしていきます。

乾性油は美しい艶と透明感を
持っていますが

乾燥が非常に遅いので、
ダンマル樹脂も一緒に追加します。

また、溶き油がねばついていると
描きづらいので、少しだけ揮発性の
テレピンも追加します。

 

今回はこの絵の中で最も
暗いゾーンに黒を塗っていきます。

これまで通り、今画面上で最も
暗いゾーンの中でさらに暗いゾーンに
塗るイメージです。

 

半透明な黒い絵の具を作って、
カゲの形を意識して塗っていきます。

塗りムラが出ないように
丁寧に塗っていきましょう。

今回も前回同様、溶き油に
リンシードオイルとダンマル樹脂を
加えて描いていきます。

 

油絵は基本的に制作の序盤は、
乾燥が早く艶のない揮発油で描きます。

制作の序盤はモノトーンに近い色で
明るさの段階を広げていく作業なので、

艶があると細かい明るさの差
が見づらいのです。

制作の終盤では、今回のように
艶のあるリンシードオイルや
ダンマル樹脂のような

乾性油や樹脂を加えた
溶き油で描いて行きます。

 

序盤は揮発油多め
終盤は乾性油と樹脂多め
と覚えましょう。

こうすることで、油絵らしい
透明感と艶のある
上品な仕上がりの絵が描けます。

 

さて、今回は明るい部分にも
鮮やかな色を塗り重ねていきます。

 

これまでの作業で、オレンジや赤など、
鮮やかな色が

画面の中間の明るさの部分、
暗い部分に塗れました。

この図のように基本的に

明るい部分は鈍く黄色っぽく
中間の明るさは鮮やかに
暗い部分はやや鮮やかに

仕上げるのが自然な光
を描くポイントです。

 

明るい部分は白っぽいので、
基本的に鈍い色なのですが

ここまで作業が進んでくると

明るい部分の彩度も上げたほうが
自然になります。

暗いゾーンや中間の明るさのゾーン
よりも鮮やかにならないように

注意しながら少しずつ鮮やかな
半透明な黄色を塗り重ねていきます。

 

半透明な鮮やかな色を
塗り重ねるときは最も明るいゾーンを
避けて塗るのがポイントです。

 

今回も前回同様、溶き油に
リンシードオイルとダンマル樹脂を
加えて描いていきます。

序盤は揮発油多め
終盤は乾性油と樹脂多め
と覚えましょう。

こうすることで、油絵らしい透明感と
艶のある上品な仕上がりの絵が描けます。

 

この図のように基本的に

明るい部分は鈍く黄色っぽく
中間の明るさは鮮やかに
暗い部分はやや鮮やかに

仕上げるのが
自然な光を描くポイントです。

前回の作業で明るいゾーンの彩度が上がったので

今回は中間の明るさのゾーンの彩度を
さらに上げていきます。

半透明で鮮やかなオレンジ色を作って、
中間の明るさのゾーンに塗り重ねていきましょう。

 

 

続いて暗いゾーンに半透明で鮮やかな
赤みのオレンジを塗り重ねていきます。

最後にハイライトを塗っていきましょう。

 

いきなり真っ白を塗ってしまうと、
金属の光沢のような印象になってしまいます。

今回の場合、太陽の光が周りにこぼれだし
グラデーション状になっています。

これを再現していきましょう。

 

今塗ってある明るい黄色に馴染むように
真っ白を薄くなするように塗っていきます。

つづいて今塗った白の中で最も明るいゾーン、
つまり太陽のシルエット部分に

濃い真っ白な絵の具を塗っていきます。

 

 

最終的にこのような仕上がりになりました。

今回紹介した方法では
中間の明るさから描き始め

明るい部分と暗い部分を
同時に描き進めました。

 

そして明暗のベースが
できてから鮮やかな色を塗り

最後に最も暗いゾーンと明るいゾーンを
塗って微調整し完成となりました。

 

今回紹介した描き方は
ヴェネツィア派の描き方ですが

この描き方は油絵の最も
オーソドックスな描き方です。

皆さんが自由に絵を描くときにも
非常に参考になると思うので
是非実践してみてくださいね。

 

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