【りんごの油絵の描き方】リアルなリンゴの絵画を描く方法を解説

皆さんこんにちは

今回は油絵の最もオーソドックスな
描き方を紹介していきます。

非常にシンプルなモチーフの課題
ではありますが、

真似するだけでリアルに絵を描けてしまう技法
なので、時間はかかりますが皆さんも是非
実践してみてくださいね。

それでは始めていきましょう。

 

油絵の具でりんごを描く手順を
今回は動画で解説していきます。

動画で使った解説スライドや解説文も
載せておくので、動画と併せて
ご活用ください。

 

りんごの油絵の描き方:下描き編

今回はジェッソの地塗りをした
白い板に描いて行きます。

初めはこのように長めの直線で
構図を決めていきます。

画面上にモチーフがどう収まるのか
イメージしながら構図を決めていきましょう。

この時、モチーフの縦横比も
あわせていきましょう。

 

構図が見えてきたら、長めの曲線で
形を決めていきましょう。

モチーフをしっかり観察して、自然な形
になるように描いて行きましょう。

余計な線は練りけしで消していきましょう。

輪郭線だけでなく形が切り替わるポイントや
明暗の境界線も線で探っていきましょう。

りんごの油絵の描き方:下塗り編

さて、ここからは褐色系の
半透明な絵の具で下塗りをしていきます。

この工程をインプリマトゥーラといいます。
刷毛で半透明な下塗りをしていきます。

 

このような下塗りをすることで、
鉛筆の炭が流れるのを防ぎます。

今回は時間短縮のためにアクリル絵の具
で下塗りをしました。

りんごの油絵の描き方:モデリング編

さて、ここからは油絵の具で描いていきます。

今回はペインティングオイルを
溶き油のベースに使います。

制作の序盤は、ペインティングオイルに
揮発性の油、テレピンを多めに加えて使います。

最初は褐色系の絵の具を塗っていきます。
今回は乾燥を早めるためにチューブ入りの
メディウムも使います。

バーントシェンナだけでは、鮮やか過ぎるので、
若干アイボリーブラックも加えました。

 

また、絵の具が硬すぎたので溶き油も加えて、
サラサラの状態にしていきます。

このように油絵の具を扱う時は、
絵の具の色だけでなく
硬さもしっかり調整しましょう。

リンゴの陰の形をしっかり観察し、
半透明なこげ茶色を塗っていきましょう。

 

いきなり分厚い絵の具を塗らず、薄い半透明な
絵の具を塗り重ねて色幅を作るのが

古典的な油絵の技法の基本です。

 

細い筆も使って、細かいカゲの形も
塗っていきます。

お次は地塗りの色よりも1段階
明るい色を作って塗っていきます。

 

先ほどは地塗りより1段階暗い色を
半透明な絵の具で塗っていきましたが

今度は地塗りの色よりも1段階明るい
色を不透明な絵の具で塗っていきます。

 

不透明な絵の具といっても、溶き油を
混ぜて硬さを調整して練っていきます。

地塗りの色よりも少しだけ明るい色
になるように調整して絵の具を
練っていきます。

乾燥を早めるためにチューブ入りの
メディウムも混ぜますが

絵の具よりも少なめに混ぜましょう。

 

あんまりメディウムが多いとビニールっぽい
安っぽい質感になってしまいます。

また、粘り気が強すぎて
塗りづらくもなるでしょう。

 

初めに塗った地塗りの色よりも
やや明るく、やや鈍く、やや黄色っぽい

不透明な絵の具を最適な硬さに調整して、
軟毛の筆で塗っていきます。

基本的に古典的な絵は薄く溶いた絵の具を
何層も塗り重ねて色幅を作っていきます。

 

絵の具が硬すぎだと、筆跡が残ってしまい
緻密に描くのが難しくなってしまいます。

特に制作の序盤はフラットな絵の具層を
作るイメージで塗っていきましょう。

背景の部分もフラットに塗っていきます。

 

最初に描いた下描きの線が消えないように、
やや透けるように塗っていきましょう。

 

 

1日目の作業はこれで終わりです。
油絵の具は基本的に乾燥が遅いため、
一層塗ったら、乾燥するのを待ちましょう。

絵の具を塗り重ねていくときも
カゲの形をしっかり意識して、

形を確実に刻みながら、
色幅を増やす

というのがポイントです。

 

最初に褐色系の中間色で
下塗りをしておくことで

下塗りよりも、1段階暗い部分、1段階
明るい部分の両方を1日で塗ることが出来ます。

このように中間の明るさから描き始めることで、
効率的に明るさの幅を増やしていくことが出来ます。

この状態で1日乾燥させます。
絵の表面が乾いた状態で次の段階に進みます。

 

 

カゲの中のさらに暗い部分を塗っていきましょう。

先ほどと同じように、暗い部分は溶き油の多く
混ざった透明な絵の具で塗っていきます。

今回もペインティングオイルを
溶き油のベースに使います。

 

制作の序盤は、ペインティングオイルに
揮発性の油、テレピンを多めに加えて使います。

最初は褐色系の絵の具を塗っていきます。

今回は乾燥を早めるためにチューブ入りの
メディウムも使います。

 

バーントシェンナだけでは、鮮やか過ぎるので、
若干アイボリーブラックも加えました。

また、絵の具が硬すぎたので溶き油も加えて、
サラサラの状態にしていきます。

カゲの中のさらに暗い部分の形を観察して、
色幅を増やしていきます。

 

暗い部分はこのように、透明なセロファンを
重ねていくようにして色幅を作っていきます。

出来る限り、筆跡が残らないように、
フラットに塗ることを心がけましょう。

また、筆跡が残っても大丈夫なように、
モチーフの形に添った筆のタッチで塗る
のもポイントです。

 

お次は明るいゾーンの色よりも1段階明るい
色を作って塗っていきます。

昨日塗った明るい色よりも1段階明るい色を
不透明な絵の具で塗っていきます。

 

不透明な絵の具といっても、溶き油を混ぜて
硬さを調整して練っていきます。

昨日塗った明るい色よりも少しだけ
明るい色になるように調整して
絵の具を練っていきます。

 

絵の具が硬すぎだと、筆跡が残ってしまい
緻密に描くのが難しくなってしまいます。

昨日と同じようにフラットな絵の具層を
作るイメージで塗っていきましょう。

背景の部分もフラットに明るい色を
塗っていきます。

 

この段階になると、モチーフに当たる光
を感じる状態になりますね。

このように伝統的な油絵の描き方では
制作の序盤は褐色系の絵の具で
明暗をとらえます。

いきなりモチーフの色を塗らず、
モチーフの光と影の形を意識して、
セピア調で描いていくのです。

ここで2日目の作業は終わりです。

 

りんごの油絵の描き方:グレーズ編

画面の表面が乾燥しているのを
確認して次の作業に入ります。

今回もペインティングオイルを
溶き油のベースに使います。

今回は、ペインティングオイルに揮発性の油、
テレピンを少しだけ加えて使います。

 

今日の作業ではモチーフの固有色を
再現していきます。

透明色にチューブ入りのメディウムを混ぜ、
溶き油を多めに混ぜます。

軟毛の筆を使って、優しく透明色を
塗り重ねていきます。

 

このように透明色を薄塗りする作業を
グレーズといいます。

明暗の境界線付近から塗りはじめ、
ハイライトを避けて塗るのがポイントです。

このように、鮮やかになりすぎた部分は
絵の具のついていない筆で、

グレーズをはがして
鮮やかさを調整します。

 

基本的に油絵は最初は褐色系の絵の具で
モノトーン気味に描き、その上に鮮やかな
透明色を塗り重ねていきます。

明るいゾーンにもうっすら透明色がのるように、
きれいな筆で、塗った透明色を広げていきます。

 

最も明るいゾーンが鮮やかになりすぎると
立体感がなくなるので、注意しましょう。

背景の部分もフラットに明るい白色
を塗っていきます。

このように、油絵で明るい色を塗る場合、
溶き油を混ぜた柔らかい絵の具を何層も
塗り重ねて明るくしていきます。

いきなり硬くて濃い絵の具をぼったり
ぬってしまうと、絵の表面が
荒くなってしまうのです。

モチーフの大まかな立体感、光の状況、
色味が見えてきました。

ここでまた1日乾燥させて、次の作業に入ります。

 

昨日と同じようにモチーフの鮮やかな部分に
透明色を塗り重ねていきます。

モチーフの立体感を損なわないように、
明るいゾーンを避けて塗っていきます。

暗いゾーンを鮮やかに、明暗の境界線付近を
さらに鮮やかに仕上げることで、
立体感と鮮やかさを両立することが出来ます。

 

透明色を塗り重ねるときはできるだけ
塗りムラがでないように丁寧に塗っていきます。

このように、透明色を塗り重ねるときも、
徐々に鮮やかに仕上げることで立体感を
損なわずに鮮やかにしていけます。

 

 

透明色を何度かに分けて塗り重ねることで

モチーフの大まかな立体感、光の状況、
色味がさらに自然に見えてきました。

ここでまた1日乾燥させて、
次の作業に入ります。

 

りんごの油絵の描き方:描写編

モチーフの暗い部分に透明な赤紫色
を塗っていきます。

暗いゾーンはやや青っぽく描くと
自然にみえるので、赤いリンゴの陰を
赤紫で再現していきます。

透明色を塗り重ねるときは、鮮やかに
なりすぎないように慎重に
塗り重ねていきましょう。

 

塗りムラがある部分は細い筆も使って、
穴を埋めるように透明な塗膜を
均一に塗っていきます。

画面全体が鮮やかになってきたら、
明るいゾーンにも鮮やかな色を作って
塗っていきます。

 

いきなり鮮やかにすると立体感が
壊れるので少しだけ白と黄色が
混ざった赤を塗っていきます。

さきほど、暗い部分を青っぽく塗ると
自然に見えると話しましたが

 

逆に明るいゾーンはやや黄色っぽく
描くと自然に見えます。

明るいゾーンはこのように
不透明な絵の具を作ってマットに
塗っていきます。

 

この時もモチーフの明るい光の形を
意識して塗っていきます。

最も明るいハイライトの部分は
避けて、塗っていきます。

 

モチーフの鮮やかな色は
明暗の境界線上に現れるからです。

最も明るいゾーンは白っぽく、
彩度が低いのです。

 

ここまでの作業では、透明な絵の具を
塗り重ねていく作業が多かったですが、
ここで、不透明でマットな赤を塗ったので

多少平面的に見えるかもしれません。

 

しかし、明るい部分はこのように、
不透明でマットな抵抗感のある色面で
一度塗らないと自然な印象には
仕上がりません。

ここでまた1日乾燥させて、
次の作業に入ります。

 

このくらいの段階になったら、
溶き油の揮発油の成分を減らします。

この日はペインティングオイルを
そのまま使っています。

 

さて、今の段階ではモチーフの真っ赤な色と、
ハイライトの白の間の色の段差が
画面を見づらくしていますね。

 

そこで今回はハイライトの白と、
真っ赤の間の色、明るいオレンジを
作って塗っていきます。

明るいゾーンなので、不透明な色を
パレット上で練ってマットに
塗っていきます。

このくらいの段階になったら、
モチーフの細かい表情も描いて行きます。

モチーフの細かい表情は基本的に、
明暗の境界線付近に現れます。

 

今回はリンゴの細かい
斑点模様を描いて行きます。

このように、リンゴの回り込み、
局面を意識して、点を打っていきます。

輪郭線に近づくほど、面の回り込みが
きつくなるので、斑点の密度も
上がっていきます。

 

 

ここまでの作業で

大まかな明暗、光の印象、モチーフの色、
情報の疎密が再現されました。

これらの要素を押さえられていると、
モチーフのぱっと見の印象はもう再現できています。

ここでまた1日乾燥させて、
次の作業に入ります。

 

ここからの作業は、鮮やかさを上げながら
さらに細かい情報を盛り込んでいく作業です。

 

モチーフの真っ赤な部分をよく観察すると、
明るい部分ほどやや鈍くオレンジっぽく
なっていることに気が付きます。

そこで、今塗ってある赤よりも、若干白っぽく
若干黄色っぽいオレンジを塗っていきます。

 

お次はリンゴのハイライト付近の明るい紫
を作って塗っていきます。

このように制作の終盤は

明るいゾーンを中心に、モチーフの色を
ソックリにパレットで作っては塗る
という作業をして描写を進めます。

カゲの形のエッジが強すぎので、
今塗ってあるカゲの色より若干明るい陰色を作って、
境界線付近に塗っていきます。

 

境界線にかぶさるように塗って、ぼかすことで
ピンボケ状態を作っていきます。

お次はリンゴの斑点の色を
観察して再現していきます。

明るい黄緑をしていますね。

この段階になると、パレット上にも絵にも、
様々な色が現れ鮮やかになっていきます。

パレット上の色をご覧ください。
鮮やかな色といっても、ほんの少し白が
まざったような不透明な色ばかりです。

 

基本的に、明るいゾーンの色はやや白っぽく、
不透明な絵の具で作ります。

そうすることで、光が当たっているような
印象の絵を描けます。

 

モチーフの明るいゾーンに、
赤だけでなく、オレンジ、赤紫、黄緑など

様々な色相の色が現れ、フレッシュな
印象が出てきました。

これで完成でも良いのですが、カゲの中の
鮮やかさと情報量が少し足りないので、
もう一日かけて仕上げていきます。

 

1日乾燥させて、次の作業に入ります。

 

りんごの油絵の描き方:仕上げ編

今回の油絵の制作もそろそろ終盤です。

終盤は溶き油にリンシードオイルなどの
乾性油を混ぜて、透明感と艶のある
仕上がりにしていきます。

しかし、ただ乾性油だけを混ぜると
乾燥が非常におそくなってしまうので、

樹脂や乾燥促進剤も混ぜて、
調整していきます。

 

この段階でようやく、モチーフの
ハイライトの部分も透明色を
塗り重ねていきます。

モチーフの色を観察して色を決めましょう。
今回は赤紫を塗り重ねます。

 

この時も必ず、鮮やかに
なりすぎないように注意しましょう。

繰り返しになりますが、最も明るいゾーンが
鮮やかになりすぎると立体感がなくなるのです。

リンゴの鮮やかな赤しっかり溶け込むように
濃度を調整して赤紫色の透明色を
塗り重ねていきます。

お次はカゲの部分を暗く鮮やかにしていきます。

前回明るいゾーンにやや鮮やかな色を塗ったので、
カゲの中が相対的に鈍くなってしまいました。

 

このバランスを保つためにカゲのゾーンに
鮮やかな赤を塗っていきます。

このくらい完成が近づいてきたら、
モチーフの色をよく観察し、鈍い部分に
透明な絵の具をグレーズして
調整していきます。

赤紫色をグレーズした結果、リンゴの斑点が
埋没してしまったので、不透明な黄緑と
黄色を作ってもう一度描き起こします。

 

このように制作の終盤は

透明色で暗く鮮やかに仕上げる
不透明色で、モチーフの明るいゾーンを描き起こす

この操作を満足いくまで繰り返します。

りんごの油絵の描き方:ニスがけ編

今回はニスがけも解説していきます。

完成直後の油絵は、表面がこのように
表面の艶にムラがあります。

そこで、表面の艶を整えるために
保護用のニスをかけていきます。

 

保護用のニスは通常、半年から1年ほど、
油絵を乾燥させてからかけますが

今回使うタブロースペシャルは表面が
乾燥していれば使えるので、
すぐにニスがけできます。

タブロースペシャルはとろみがあるので、
テレピンを若干加えて塗りやすい
硬さに調整しましょう。

 

このように羊毛の刷毛で画面全体に
均一にニスをかけます。

タブロースペシャルは樹脂成分が多いため、
比較的乾燥が早いですが

ニスがけした絵は1週間ほどはホコリの
付きづらい場所に保管しておき、
乾燥させましょう。

このように艶が均一になりましたね。

 

最終的にこのような仕上がりになりました。
古い時代の油絵はリアルな絵も多く、

どうやって描いたのか
わからないものも多いです。

 

しかし今回紹介したように古い時代の油絵は
基本的にかなりシステマティックなルールを
守って描かれたものが多いのです。

真似するだけでリアルに絵を
描けてしまう技法なので、

時間はかかりますが皆さんも
是非実践してみてくださいね。

 

りんごの油絵の描き方:後日談編

 

ちなみに今回描いたリンゴの制作プロセス
を毎日SNSで公開していたところ

Facebookの投稿を見たお客様から
問い合わせがあり販売することができました。

今回の作品は販売する予定はなかったのですが、
思いがけず販売することができました。

 

このような額装のシミュレーション
画像を用意して、お客様に選んでもらい
無事お届けすることができました。

本当に世の中何が起こるかわかりませんね。

みなさんも、積極的に情報発信をしていれば、
このような思いがけない幸運が舞い込むことも
あるかもしれませよ。

 

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