【お金持ちが絵を買う心理】人が絵を買う理由を解説

絵を買う心理がわからない…
画家さんにはこういった悩みを持つ方も
多いようです。

こんにちは画家の黒沼です。

今回はお金持ちが絵を買う心理
というテーマでお話していこうと思います。

今回もなかなかキワドイテーマです。

今回のお話は絵を販売したい画家さんに
とって非常に重要な話ばかりなので
是非最後まで読んで頂ければと思います。

 

目次

絵を買う心理や理由がわからないワケ

人が絵を買う心理や理由について
前にこんな面白い話を聞いたことがあります。
これはある画商さんから聞いた話です。

画商さんは絵を売るのがお仕事ですから
絵を買うようなお客様、

まあつまりはお金持ちを相手に
ビジネスをやっているわけです。

そういったお金持ち相手のビジネス
というのは、まあいろいろあるわけですが

その画商さんは、高所得者向けの
ビジネスセミナーに行ったとき、
こんなことを言われたそうです。

お金持ち相手のビジネスが
うまくいかない理由は

あなたがお金持ちの気持ちが
わからないからだ

お金持ちの気持ちを知るためにも、
時々良いレストランに行ったり

グリーン車に乗ってみたりして

お金持ちが見ている世界を体験するべきだ

こんな話をきいたそうです。
これは確かに納得ですよね。

お金持ちの方が、何を求めていて、
何になら喜んでお金を払うのか?

これがわかっていないと、お金持ち
向けのビジネスはうまくいかないわけです。

 

画家は絵を買う心理や理由がわからない

人が絵を買う心理や理由について知るには
お金持ちの気持ちを知るべき。

これは我々、画家にとっては残念な話です。

絵描きは多くの場合、お金持ちでは
ないので、お金持ちの気持ちがわかりません。

しかし絵はお金持ちが買うことが多いわけです。

絵を描く我々は絵を買う人の
気持ちがわからないのです。

 

これじゃあビジネス的にはう
まくいくはずがありません。

絵を売るために絵を買う人
の気持ちを知りたい

でもわからない。

こういった疑問を持っている
画家さんは多いようです。

 

前に画家を目指す方から
こんなメールを頂いたことがあります。

 

私自身のことですが、私は主に現実世界の方に
時間を割いており、実はあまりネットで
活動をしていません。(活動自体はネット上のみです)

ですがパトロンの方たちは数が減少はするものの、
それでも支援を続けて下さる方が
少数いらっしゃいます。

印象派の絵が世間的に認められなかった時代にも
デュラン=デュエルのように、
本当の意味で自身にリターンはないのに、

恐らくは、印象派が世間に認められて長く
繁栄する遠い未来のために投資活動を行う人
がいました。

現在私が活動に対して消極的であるにも関わらず、
パトロンとして投資活動をして下さっている方々に
似たシンパシーを感じます。

描き手側であるのにも関わらず致命的な感性だと
思うのですが、こういったリターンは少ないのに

画家の未来に投資するパトロンたちというのは、
一体絵からどのような価値を見いだしている
のでしょうか。

正直なところ、私には具体的に言語化できる
だけの説明ができません。

ぜひ黒沼さんからの知見で、
ご意見がほしいです。

 

こういった質問を頂きました。

ちょっと嫌味な話ですが、
私はビジネスを学んだ結果、

ある程度ビジネス的にも
結果を出すことできました。

その結果、画家でありながら、
画家に投資する方々の気持ちも
わかるようになってしまいました。

 

実際、ついこの間、
友人の展示に行って絵を購入し

絵を買うお客様の気持ちを
味わってきたところです。

このとき買った絵の紹介動画は
今後作るので是非お楽しみに~

 

お金持ちの人が絵を買う心理や理由

人が絵を買う心理や理由について
ここまで書いてきましたが
いかがでしょうか。

さてここからはお金持ちが画家に
投資してくれる理由について
解説していきます。

 

これは私の意見ですが、
投資家さんや社長さんが
我々に力を貸してくれるのは

「自分と同じように、
好きなことで生きている
自由な人を応援したい」

「自分と同じように、オリジナルな
価値を生み出している創造的な
人たちを応援したい」

こういった思いからだと思います。

 

画家のような自由でクリエイティブな
喜びに満ちた生き方を肯定したい

という強い思いから応援して
くださるのだと思います。

実際、展示会場で絵を買うお客様と
話をしていると、感じるのですが

絵を買うお客様は作品
それ自体が欲しいだけではなく

その絵を描いた画家が語る苦労話や
制作にかける思い

などの話を聞くのが楽しくて
絵を買うことも多いのです。

 

そういった意味でも、

うまい絵しか売れない
なんてことはないですし

名前の売れている
有名な画家の絵しか売れない

なんてこともないのです。

 

絵を買う心理や理由を知る方法

人が絵を買う心理や理由について
分かってきたでしょうか?

さて、ここからは絵を買うお客様の
気持ちがわかるようになる
具体的な方法を解説していきます。

もうお分かりの方もいるかも
しれませんが、それは

「友達の個展で絵を買う」ことです。

実際、ついこの間私は友達の
個展で絵を買いました。

 

私はその友だちの作風が好きで、
前々から1枚絵を買いたいと思っていました。

そこで、その友達の個展の時に
飾ってある絵の中から1枚絵を買おう
と思ったわけです。

ただ純粋に芸術鑑賞するような
気分で絵を眺めるのと

気に入ったものを
1枚選んで購入するために
絵を眺めるのでは

全く気分が違います。

 

実際、私は絵を買うときに
こんなことを考えていました。

①気に入ったものはどれか?
②購入できる値段のものはどれか?
③実際に家に飾れるものはどれか?

この3つです。

気に入ったものはどれか?

もうこれは直感で好きなものを
選べば良いのですが

難しいポイントが一つあります。

それは多くの場合、
あなたが良いと思うものは、
既に売れていることも多い

ということです。

 

基本的に個展の場合、
クオリティーの高い作品から
順番に売れていきます。

実際、私も会場で絵を選んでいた時
欲しいものがいくつかあったのですが

既に売れていて、購入できないものが
いくつもありました。

 

また、面白いことに
私が絵を選んでいるときに

他のお客様が私が目を付けていた
作品を購入してしまったのです。

絵を買うお客様はせっかく
絵を買うのですから、

妥協せず、気に入ったものを
買いたいと思います。

 

その時の私もそうで、

こりゃウカウカしていると、
どんどんお目当ての絵が
売れてなくなってしまうぞ

と焦ったわけです。

 

こういった気持ちも、自分が
絵を買うまではわからないもの
だと思います。

 

購入できる値段のものはどれか?

もちろんこういったことも、
絵を買う人は考えます。

実際に私が買った、1番気に入った
絵は3万円でしたが

正直言って私はその絵を3倍の
値段でも買っていたと思います。

 

つまり、ビジネス的には
その絵の値段設定は失敗なわけです。

必要以上に絵を安売りした結果、
売り上げを伸ばし損なった、

機会損失なわけです。

 

これは実際に絵を購入して
気が付いたのですが

どんなに安くてクオリティーの
高い絵でも、気に入らなければ
買いたいとは思いません。

逆に多少高くても、気に入った
ものがあれば購入したいと思うのです。

絵を買うお客様は
絵を選ぶのに妥協したくないわけです。

 

実際に家に飾れるものはどれか?

そして、これが最も忘れがちな視点です。
我々画家は、絵を描くのに夢中で

その絵が実際に額縁に収まって、
お客様の家に飾られる場面を

全くイメージできていないことが多いのです。

絵を買うお客様は、
どんなに気に入った絵が、
どんなに安い値段で売っていても

自分の家に飾れる場所がなかったり
人に見せられないような絵の場合は

絵を買わないのです。

実際私も、絵を買うときに、
その絵を自分の家のどこに飾ろうか

イメージしながら選びました。

その結果、あんまり大きな絵は
飾れないなと思い

小さな作品の中から気に入ったものを選ぶ
という選び方をしたわけです。

 

お金持ちが絵を買う時の心理や考えていること

人が絵を買う心理や理由について
知るには

このように実際に絵を買う前提で
個展を見に行くのがオススメです。

すると、本当に様々な
味わったことのない感情を味わえます。

 

そして、絵を買うお客様の気持ちが
分かるようになるのです。

すると

どんなサイズの絵が売れやすいか?
どんな額縁に絵を収めれば良いか?
どんな値段設定をすれば良いか?

これらが分かってくるわけです。

なので、あなたも是非、小さくて安い絵でも良いので

友達の絵を買ってみる
という体験をしてみてください。

 

人が絵を買う心理はいろいろある

人が絵を買う心理や理由について
ここまで解説してきましたが

もちろん絵を買う理由は
本当に人それぞれです。

ここでは、これまで私が日本全国で
絵を売ってきた中で、

特に多かった絵を買う理由について
解説していきます。

 

絵をプレゼントしたい

結婚式や出産祝い、新築祝いなど
絵を特別なイベントの贈り物として
購入されるお客様も結構いらっしゃいます。

こういったケースの場合もやはり、
プレゼントされた側が気軽に飾れるような

小さいサイズの絵で、尚且つ飾りやすい
明るめの色彩、

日本人が見慣れている花や動物、
風景の絵が人気です。

 

こういった用途の場合、お客様が額縁を
選ぶ手間をかけずに済むように

額縁をセットして販売
できると喜ばれます。

 

会話のきっかけにしたい

玄関先や客間に絵を飾り、
来客の際の会話を楽しみたい。

絵を買うお客様の中には
こういった優雅な時間を期待して

絵を買うお客様も多いです。

玄関先や、客間などは来客の際に
自然に目が行くことも多く

そこに飾る絵を掛け軸のように
季節ごとに架け替えて楽しむようなお客様もいらっしゃいます。

実際、私も↑の絵はお客様が8月に飾るための
花の絵として描いたバラの絵となっています。

このお客様は1年を通して12枚の季節の花
の絵を用意して毎月架け替えて楽しむ

という飾り方をしていました。

こういった飾り方をすると、
お客様との会話が絵をきっかけに
始まるなんてことも多いようです。

 

インテリアにこだわりたい

絵を買うお客様はやはり、
余裕のある方が多いので、

インテリアにこだわりの
ある方も多いです。

様々なインテリアを試した結果、

絵画が持っている独特の生命感にひかれて

絵画のコレクションを
始める方も多いようです。

 

現存の画家が描いた絵には
他のインテリアにはない、

描き手のストーリーや生命感が
あると感じるお客様も多いのです。

 

どんな高級家具であっても、
購入する際に、作り手の思いや
苦労話を聞いて買うことはできません。

こういったモノにまつわるストーリーをも、
買い物やインテリアを通して楽しみたい

そんなお客様も絵を買う方には多いのです。

 

思い出を絵画として残したい

個人の肖像画や家族肖像画、
ペットの肖像画など

思い入れのあるイメージを
絵画という形で残すために

絵を購入、または注文される方も
少なくありません。

実際、これまで私はお気に入りの服や
指輪に身をまとったお客様の
個人肖像画や

初孫の誕生を記念した親子3代にわたる
家族肖像画

残り短い命となった愛猫の肖像画など
を描いたことがあります。

他にも、お気に入りの花である
ボタンを描いてほしいという注文を
受けたこともあります。

正直言って、私はプロの画家として活動し、
こういったクライアントの思い入れのある
肖像画を描くまでは

人物や動物といったモチーフを描く
楽しさや深みのようなものを
理解できませんでした。

 

人物も動物も形のアレンジが難しく、
構図の自由が利かないため、

画家としてあまり面白みを
感じられなかったのです。

なので花のように色と形を自由に
配置しやすいモチーフを
描くことが多かったわけです。

クライアントの強い思いに画家として
精一杯こたえるために描くようになってから

人物画や動物の絵の持つ深みや
存在感がよくわかるようになりました。

このように職業画家をやっていると、
ビジネス目的で絵を描き始めた結果

“深遠なモチーフ”を
見つけることがよくあります。

 

これは部屋にこもって一人で絵を描いている
だけでは見つからないものなので、
本当にお客様には感謝しております。

 

「人が絵を買う心理」は良いモチーフになる

人が絵を買う心理というと、

「画家はそんなことを考えず純粋に
自分が描きたいオリジナルなものを描け。」

「人に頼まれて描くのは絵じゃない。
デザイナーの仕事だ。」

こういった考えを
持つ方もいると思います。

まあそのあたりの考え方は人それぞれですが

個人的には、人に頼まれて
絵を描いたくらいでは

オリジナリティーや独自の価値は
損なわれないと思っています。

 

さあ、何をやっても良いです。
完全に自由です。次の合評会までに
自由に絵を描いてください。

大学に入ったばかりの頃、こういった
自由課題が出されて多くの美大生が
困惑していたことをよく覚えています。

私は浪人が長く、もし自由に描く
としたらこんな絵を描きたい!

というビジョンがあったので、
あまり困りませんでしたが

ついこの間まで高校生だった、現役生は

何をやったら良いのかわからない

「自由を扱えない状況」になっていました。
そして、そんな状況にさらに
落ち込む子も多くいました。

自由はこういう怖い部分
持っているのです。

 

また、尾形光琳やレオナルドダヴィンチなど
近代以前の有名な絵画は世界中どこを見ても

「人に頼まれて描いた絵」です。

人に頼まれて描いたものが、
オリジナルな価値を持っていないのであれば

彼等は現代的な意味では
画家ではないのかもしれません。

デザイナーや職人なのかもしれません。

しかし、私はそのように、純粋な創作と
職人仕事、デザインを区別することに

どれほど意味があるのか?
と考えるわけです。

ここまで書いた通り、これまで私は
「絵を買う人の心理」
「人が絵を注文する理由」を考慮して

絵を描いた結果、これまで描くことの
なかった新しいモチーフを「新発見」したり

 

自分一人では絶対に到達できなかった
境地に注文制作を通して
達することが多くありました。

そういった意味でも、オリジナリティー
あふれる独創的な制作をしたい画家さんも

時には「人に頼まれて絵を描く」
という経験をしてみても良いと思います。

 

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