【花の描き方】メイキングで解説!簡単に描くコツを紹介

こんにちは!画家の黒沼です。
今回のテーマは花の描き方です。

これまで私は実に様々な種類の
花を描いてきました。

デッサンと着彩、両方の技法の
描き方を動画でも解説しているので
是非最後まで読んでくださいね。

目次

花の描き方のコツを難易度別に解説

花の描き方を難易度別に
解説していこうと思います。

一口に花の描き方といっても、
花の種類によって描く難しさは
かなり変わってきます。

椿やアヤメのように一つ一つの花が
大きい花は描くのは
さほど難しくありません。

しかし、梅や桜のように一つ一つの花が
小さい花は非常に描くのが難しいです。

 

また、鮮やかな色の花と白い花を比べると

鮮やかな色の花を描くほうが
圧倒的に簡単です。

白い花は明暗をしっかり観察して
光を感じるデッサン的な描き方を
しないと様にならないのです。

 

ここまでの話を踏まえて、花を描く
難易度を比較するとこんな感じになります。

簡単←------ー----→難しい

椿(赤)<紫陽花<梅(白)<桜

 

椿の描き方のコツ

赤い椿の花は花のサイズも大きく、

色も鮮やかなのでさほど描くのは
難しくないでしょう。

形がシンプルで複雑な形のパーツも
ないので初心者にはオススメのモチーフ
かと思います。

 

椿を描く時のポイントは花弁を透過する
光の表情や葉っぱの艶のある光沢感を
再現できるかという点でしょう。

紫陽花の描き方のコツ

紫陽花は色が鮮やかですが、
花の形が非常に細かいので、
形を合わせるまでが大変です。

しかし、形さえ描ければ、
特徴はとらえきったも同然です。

紫陽花を描くときのポイントは
小さな花が集まって球体に
張り付いているように描けるか?

という点だと思います。

梅の描き方のコツ

梅は花のサイズが小さく、
パーツも細かいので、
なかなか難しい部類に入ると思います。

しかし、枝の質感に特徴があるので

透明感のある花弁の質感と
ゴツゴツトした枝の質感の対比を
描けるかどうか?

花の細かいパーツの形が描けるか
どうかがポイントでしょう。

桜の描き方のコツ

桜の花は梅以上に難しいかもしれません。

白っぽい花なのでしっかり明度を追って
デッサン的に描く必要がある上に、
花が小さく形が細かいです。

また、梅ほど枝の形や質感に特徴がない
のでしっかり愚直に観察して

細かい色味や形の変化を追っていく
必要があります。

 

花の描き方メイキング:実践編

花の描き方をデッサンと着彩の
両方で解説していきます。

デッサン編

鉛筆デッサンの花の描き方を動画で
解説してみました。

この動画で使った下絵を↓
に貼っておきます。

各制作段階の解説文も載せておくので
動画とともにご参照ください。

 

①長めの直線で構図を決める

今回はこの花の画像を
描いていきましょう。

 

画面左上の画像がモチーフの画像で
下の【今の目標】と書いてある画像が
この作業工程で目指す、良い途中段階です。

 

初めはこのように長い直線で
モチーフの形をおおまかに
とらえていきます。

今回のモチーフは複雑で
細かい形も多いですが

 

いきなり細部を描かず

画面の中にモチーフが
どう収まるのかをイメージして

長い直線で構図を
検討していきましょう。

 

②短めの直線で形を探る

画面の中にモチーフが
どう収まるのかが
見えてきたら

短めの直線も使って
個々の花の配置を描いて
いきましょう。

③さらに短いの直線で形を探る

このくらい、モチーフの配置が
見えてきたらモチーフの形に注目して、
短めの直線を引いていきます。

この時もいきなり細部を描かず

モチーフの中で、目立つ部分に注目し
形の変化を直線で追っていきましょう。

 

④線の交点に注目して形を決める

このくらい位置関係が見えてきたら
今度は曲線で、形を決めていきましょう。

ここまで引いてきた直線が
交わっている部分は
形の変わり目の部分なので

この交点の形の変化を強く意識して、
曲線で形を決めていきましょう。

 

⑤細かい形を決めていく

今回は花のモチーフなので、

かなり細かい形を追っていく
必要があります。

今自分がどこを描いているのか
わからなくなるくらい

細かい形を追うことになりますが

このくらいの段階になったら
形が狂うのを恐れずに

細かい形を曲線で
どんどん追っていきましょう。

 

この時も、形の変化が目立つ部分を
手掛かりに曲線で形を決めていきましょう。

この段階で手を抜かず、
しっかり形を観察して描いておくと

この先のトーンを増やす段階が
かなり楽になります。

粘り強く頑張っていきましょう。

 

⑥陰影の形を意識して塗っていく

今回のモチーフは画面左上から
光がさしています。

光源が左上にあるわけです。

光源の位置がよくわからない場合
床に落ちる陰に注目してみましょう。

今回のモチーフは右側に
影が落ちているので、

光源が左上にあることが
わかります。

 

床に複数の影が落ちている場合は

最も濃い影に注目して、
光源の位置を探ると良いでしょう。

さて、まずはじめは、このように
光源の位置やモチーフの形を意識して、
陰を塗っていきます。

 

白いモチーフは光と影の形が
はっきりと出るので

制作の序盤に形を探りながら、
陰影を塗っていくと良いでしょう。

 

今描いている、白い花のモチーフは
花弁が薄く、光を若干透過するので

石膏像や布のように濃い影は出ません。

 

なので、今はHBくらいの
やや硬めの鉛筆で塗っています。

明暗法の理論を頭でイメージしつつも

モチーフをよく観察し、モチーフの質感を
感じる色を塗っていくことが重要なのです。

 

花に光が当たっている印象が出たら、
次は今塗った花の陰の色を基準に、
他の部分を塗っていきましょう。

今回のモチーフでは、花瓶や台の部分は
黒いので、白い花の陰の部分よりも
圧倒的に暗いですね。

 

今回の画像は白い大きな花の部分は
明暗の境界線が数多くありますが

花瓶やテーブルの部分は
フラットなグレーの色面になっています。

 

このように主役の部分の立体感がでたら
周囲の色面の部分はフラットにまずは
塗ってしまうと、

効率的に色幅を増やしていく
ことが出来ます。

 

黒い色面を塗る時のコツは
いきなり、濃い鉛筆を立てて
ゴリゴリ紙の目をつぶして塗るのではなく

何度か重ね塗りをしていく
のが良いのです。

いきなりゴリゴリ塗ると、
鉛のような黒光りした色面に
なってしまいます。

 

まずは

3Bくらいの鉛筆で優しく
均一に塗ってみましょう。

 

⑦ガーゼで炭を刷り込む

均一に鉛筆で面を塗れたら、
次はガーゼですり込んでいきましょう。

ただ、黒い色を塗っただけだと、
紙の凹凸がチラチラと目立ち

黒い面が手前に飛び出して
見えてしまうのです。

 

今回の黒い面はモチーフより奥にあり
あまり目立ってほしくないので

このように、ガーゼで刷り込んで、
しっとりとした面を作りましょう。

ガーゼではこすれない、細かい部分は
擦筆ですりこんでいきましょう。

さて、これで画面上に
大まかな白黒グレーの3色がのりました。

しかし、たった今ガーゼで
こすったところなので、

形の境界線が全てぼんやりしています。

 

ここからは、鉛筆を立てて、線を引き
場合によっては、練りけしで白い線を引いて
色の境界線をはっきりとさせていきます。

 

モチーフの明暗の境目や
強くぶつかっているキワを

優先的にはっきりと描いていきます。

この時、絵の中にある境界線全てを
はっきりとぶつけないように
注意しましょう。

色のぶつかりが目立つ部分を優先的に
はっきりさせていきます。

また、色面の塗りムラも
修正していきます。

 

なかなか大変な作業ですが
この段階をクリアすると

絵の遠目の印象は完成します。

 

⑧画面全体の色幅を増やす

この段階で次にやっていきたいのは
グレーのフィルターを重ねて
色幅を増やすです。

鉛筆を寝かせて、優しく塗ることで
半透明なグレーのフィルターを画面にかけ
色幅を増やしていきます。

そして最後が、塗りムラを修正するです。

 

シャープなキワを作ったり
グレーのフィルターを重ねる作業を
繰り返すと

どうしても、フラットな色面に
塗り残しや色むらが出てきます。

 

これを見つけ次第、穴を埋めるように
鉛筆で塗りつぶすということを
しましょう。

基本的に今回はこの3つの作業を
絵が写真そっくりになるまで繰り返します。

非常に忍耐力のいる作業ではありますが
頑張っていきましょう。

 

⑨主役部分のトーンを増やしながら描写

はい、まずはこの主役に
白い花を描いていきます。

今、白飛びしている部分や
明るいグレー1色で塗ってある部分に

グレーのフィルターを重ねることで
色幅を増やしていきます。

 

白黒グレーの3色が塗り終わり
画面全体の印象が自然になってくると

いつ、細かい描写をはじめたら
良いかわからなくなることがあります。

しかし、今のバランスの良い状態をのまま
では、ピンボケ写真のような情報量の少ない
絵で終わってしまいます。

なので、ある段階から意識的に、
細かい描写をしていく必要があるのです。

 

この時、オススメなのが、
主役の目立つ部分から完成させていく

という方法です。

 

特に明暗がぶつかっている部分には
細かい情報が集まっているので、
意識的にここから攻めていきましょう。

主役の部分以外でも、
明暗の境界線付近には

細かい表情が多くあるので、

意識的にここを細かく
描いていきましょう。

 

描写を進めていくと、
明るい部分が黒くなりすぎて
いることが多いので、

定期的に陰の部分も重ね塗りして、
明暗の関係が崩れないようにしましょう。

 

⑩最終的なキワの調整

さて、グレーのフィルターを重ねる
作業が進んできて、

だいぶトーンが増えてきたのました。

ここからは、形を細かく観察し
シャープなキワをつくっていきましょう。

 

ここからは先はこの3つの作業を繰り返し、
本物ソックリになるまで、
ひたすら観察しひたすら移していきます。

自分がどこを描いているのか
わからなくなりますが

形に特徴のある
目立つ部分をてがかりに

描写を進めていきます。

その部分の色とキワの表情を完璧に
再現するような意識で描いていきますが

明暗の境界線付近や
モチーフ同士が重なっている部分から
優先的に再現していきましょう。

 

完成

最終的にはこのような
仕上がりになりました。

今回使った鉛筆は

制作の序盤が HB、2Bと3B
色を塗る段階で、
さらに4Bと7B、8Bを追加

最後の描写の段階で 2H,3H、9Hを
追加して描きました。

今回は暗い色面をしっかり塗るために
ステッドラーの7Bと8Bの鉛筆を
使いました。

 

これらの鉛筆には、黒鉛と粘土だけ
ではなく黒色の顔料が混ざっているため、
かなりしっとりした黒を作れます。

数年ぶりのデッサンだったこともあり
画用紙に鉛筆で、黒い色面を塗るのに
なかなかてこずりましたね。

紙のざらつきをおさえつつ、
鉛のテカリをださないように塗る

というのがなかなか大変でした。

 

冒頭でもお話しましたが、
今回はモノクロの絵画作りを
解説するために

あえてこのような色幅を
しっかり作るデッサンを描きました。

なので黒い色面を塗る技術は正直必須
ではないと思います。

 

しかし、今回のようにしっかりと
暗い色のゾーンを作ると、

白い花の白さが際立つような
絵を描くことができます。

なかなか根性のいる課題では
ありますが是非挑戦してみてくださいね。

 

着彩編

アクリル絵の具での花の描き方を動画で
解説してみました。

この動画で使った下絵を↓
に貼っておきます。

各制作段階の解説文も載せておくので
動画とともにご参照ください。

 

今回の3色下絵はこのような感じです。

明るい部分は
鈍い黄色または
鈍い黄色にモチーフの固有色を混ぜた色

中間の明るさは
鮮やかなオレンジまたはモチーフの固有色

暗い部分はやや鮮やかな青です。

 

白いモチーフの場合は
この3色になり

赤や緑など固有色のついたモチーフの場合

この組み合わせになるわけです。

 

それでは実践に入っていきましょう。

 

 

①下絵を転写

まずはじめに描くモチーフの
線画を用意します。

線画の裏を鉛筆で真っ黒に塗ります。
線がある部分だけ塗れば良いです。

線の方向を変えて、
何度か重ね塗りしましょう。

 

線画の上の部分を2か所
マスキングテープで固定し
転写していきます。

線の上をボールペンでなぞり
画用紙に線を転写していきます。

 

②中間色を下塗り

画用紙に下塗りをしていきます。

この初めに塗る下塗りを
インプリマトゥーラといいますが

インプリマトゥーラは、
中間トーンよりやや明るめの色を
半透明に塗ると良いでしょう。

 

今回は中間の明るさがオレンジなので
黄色とオレンジの中間の色を作って

ジェルメディウムを混ぜ、
半透明な絵の具を作っていきます。

転写した下絵の周囲は
マスキングテープでカバーしておきます。

 

③暗いゾーンの色を塗る

下塗りが終わったら暗いトーンの
色を作っていきます。

今回は暗いゾーンが青色なので
青みのグレーを作っていきます。

最終的な仕上がりよりも
やや明るめやや鈍目に不透明な絵の具を
作り塗っていきます。

 

モチーフの立体感や光源の位置を
感じながら陰の形を塗っていきます。

今回のようにモチーフの形が複雑に
入り組んだ絵を描く場合、

不透明な色をいきなり塗ってしまう
と下描きの線が消えて見えなくなって
しまうので

 

初めはこのように薄く水でといた
絵の具を塗っていきます。

下書きの線が透けて見えるように
薄く塗っていきます。

多少塗りムラが出ても良いので
光と影の形をしっかり意識して
塗り分けていきましょう。

 

④暗いゾーンの中でトーンを刻む

大まかに明暗の境界線が見えてきたので、
今度は不透明な絵の具を塗りこんでいきます。

今の目標の画像の最も暗いゾーンを
不透明な暗いブルーグレーで塗っていきます。

この時も光と影の形を塗り分ける
意識で塗っていきましょう。

 

⑤暗いゾーンの中を狭い色幅で描く

お次は少しだけ水を混ぜた先ほどの
ブルーグレーを塗っていきます。

今回のモチーフはかなり劇的な光を
感じるハイコントラストな絵なので、

暗い部分はかなり狭いトーンの幅で
描く必要があります。

 

そこでこのように、今の段階で2番目に
暗いゾーンを最も暗いゾーンに
近づけていきます。

このような2段階のプロセスを踏むことで、
暗いゾーンに形を刻みながら微妙な色の差で
塗り分けることが出来ます。

 

⑥明るいゾーンを塗る

暗いゾーンが塗れたら
次は明るいゾーンを塗っていきます。

今回は不透明な鈍い黄色を塗っていきます。

下塗りの色よりも明るい色を
作るのがポイントです。

明るいゾーンは初めのうちは全て、不透明で
マットに塗りこむのがポイントです。

左上から差し込む光を感じながら
明るく鈍い黄色を塗っていきましょう。

このように様々な色のあるモチーフの場合、
まずは白いモチーフを手掛かりに

明暗や立体感を探っていくと良いでしょう。

 

⑦3色の勘液を確認

さて、不透明な絵の具で画面を
3色に塗り分けました。

この段階である程度自然な光や
立体感を感じるでしょうか?

もし感じないようであれば、
塗った色が間違っている可能性があるので、
確認してみましょう。

 

お次はさらにもう一段階暗い色を
不透明で塗りこんでいきます。

 

⑧暗いゾーンの色幅を増やす

モチーフの中の細かい暗い形も細い筆を
使って塗っていきましょう。

 

⑨中間トーンの色幅を増やす

さて、お次は明るい色のモチーフの
暗い部分の色を塗っていきます。

今回の色彩設定の場合

明るい部分が黄色、中間の明るさが
オレンジまたは固有色、暗い部分が青

となっています。

 

なので明るい色のモチーフの
暗い部分はちょうどこの辺り

中間の色と暗い色を混ぜた色
つまり

鮮やかなオレンジとやや鮮やかな
暗い青を混ぜた色となります。

実際にやってみるとわかりますが、
この2色を混ぜると

ニュートラルなグレーが出来ます。

色相環の反対側にある色同士を
補色といいますが、

補色であるオレンジと青を混ぜると
暗いグニュートラルなグレーになるのです。

今は不透明な絵の具でベースを作る
段階なので、全体的に明るめ鈍目に
色を塗ります。

なので、ニュートラルな明るめ
のグレーを白いモチーフの陰に
塗っていきます。

 

⑩明るいゾーンの色幅を増やす

主役となる白いモチーフを
描いていきます。

今の状態では白飛びして、
立体感のない状態なので

黄色っぽいグレーを作って
陰の形を塗っていきます。

 

白い花を描くときのコツは
陰に暗い色を塗らないことです。

明るい部分よりもほんの少し
くらいグレーを塗って
陰の形を刻みましょう。

 

陰の形を刻んだあとで

このように明るい絵の具を
なするように上から重ねることで、

明るい狭い色幅のなかで
花弁の立体感を描くことが出来ます。

主役以外の白い花も
同じ要領で描いていきます。

 

⑪固有色を追加

この段階で白い花の
大まかな立体感は出ました。

お次はいよいよ固有色を
再現していきます。

固有色とはモチーフ自体に
ついている様々な色のことです。

 

今回はまず、葉っぱの色を
作って塗っていきます。

固有色を作る時のコツは
実際のモチーフの色よりも

やや黄色っぽく
やや明るめに作ることです。

 

今回は緑の葉っぱに
黄色い光が当たっているので

明るく鈍い黄緑を作って
塗っています。

 

このように白いモチーフで光の三色
今回の場合は黄色オレンジ青ですが

これを再現したあとで
固有色を塗っていくと

明暗と色彩を両立した
絵を描くことが出来ます。

 

このように制作の序盤は
不透明な絵の具で

完成イメージよりも
やや明るめやや鈍めに
色を置いていき

色彩よりも立体感重視で
描いていきます。

 

⑫半透明の黄色を塗り重ねる

不透明なベースの上に
黄色の半透明な絵の具をかけていきます。

ジェルメディウムを混ぜて
絵の具の透明感と粘り気を上げて、
半透明な黄色い塗膜を重ねていきます。

明るいゾーンは最終的に
彩度が低くなるので、

鮮やかになりすぎないように
注意しましょう。

 

⑬半透明のオレンジを塗り重ねる

次はオレンジを重ねていきます。
自然な光を演出するには

①と②の色を近づけるべきなので

黄色よりのオレンジを作っていきます。
今回も

 

ジェルメディウムを混ぜて
絵の具の透明感と粘り気を上げて、
半透明な塗膜を重ねていきます。

先ほど塗った黄色のゾーンよりも
鮮やかになるように塗り重ねていきます。

白いモチーフのハイライトを
避けて塗っていくのがコツです。

 

つまり白いモチーフの明暗の境界線あたりと
暗い部分に塗っていくイメージですね。

一度塗っただけでは、鮮やかさ
が足りないので複数回塗り重ねて、

ちょうど良い鮮やかさになったところで
次の色へ移ります。

 

⑭半透明の赤を塗り重ねる

お次は赤寄りのオレンジの
透明な絵の具を作っていきます。

透明色を塗り重ねると、
画面は暗くあざやかになっていきます。

また色相環上では
黄色に近づくほど色は明るく、
青紫色に近づくほど色は暗くなっていきます。

なので基本的に透明色を重ねていく場合

黄色から青紫に向けて順番に
色を追加していくと良いでしょう。

 

今回は

黄色→オレンジ→赤
という順番で透明な色を重ねていきます。

このように透明な絵の具は先ほどの
オレンジの時と同様

各モチーフのハイライトを避けて
塗っていくのがコツです。

 

透明な絵の具を何層も塗り重ね、
暗くあざやかな色面を作るコツは

塗りムラなく丁寧に塗ることです。

いきなり暗く鮮やかにするのではなく

ジェルメディウムの混ざった
透明な粘り気のある絵の具を
薄く何度も重ねることで

塗りムラのない色面を
作ることが出来ます。

 

⑮半透明の青を塗り重ねる

お次は青を塗っていきます。

今の状態で、画面全体が
少し明るすぎ、鮮やかすぎるので

青に少しだけ黒を混ぜた
透明な絵の具を塗り重ねていきます。

この段階でも、塗りムラが
でないように塗り重ねていきます。

 

暗い部分は特に絵の具を重ねる回数が
多いので塗りムラが出ないように
丁寧に塗り重ねていきます。

暗さと鮮やかさが
丁度よくなるまで塗り重ねていきます。

 

⑯明るい部分を不透明で描きおこす

ここからは不透明色で明るい部分を
中心にモチーフの細かい形を
描き起こしていきます。

モチーフの明るい部分の彩度を
落としながら明るくすることで

自然な光を感じる状態になります。

 

⑰明るいゾーンの密度を上げる

このように

真っ白な絵の具と
ほんの少し黄色が混ざった白

の2色を作って明るい部分の形を
描くのがコツです。

赤い花とピンクの花の明るい部分も
同様に描いて行きましょう。

白が混ざった
不透明で明るく鈍い絵の具で

明るい形を刻むように
描いて行きましょう。

明るい部分が描けたら、
暗い色を重ねてきましょう。

暗い部分の彩度が高すぎるので、
黒の混ざった絵の具を重ねることで
彩度を抑えるのが狙いです。

 

⑱キワと色ムラを調整

はい、最後に塗りムラと
モチーフのキワを修正して

 

 

このように仕上がりました。

このようにカラフルなモチーフでも
光の3色を意識したプロセスで描くことで

鮮やかさと立体感を両立した
絵を描くことができます。

 

このように最適な色を画面に
配置することができると

細部を細かく描かなくても
迫力のある絵を描くことが出来ます。

かなり複雑ですが是非
皆さんも挑戦してみてください。

 

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