【水彩画】動物を透明水彩絵の具で描く方法を解説

水彩画で動物を描く方法を動画で
解説していきます。

今回は透明水彩絵の具で、
猫を描いて行きます。

目次

水彩画で動物を描くコツ

水彩画で動物を描くとき
今回のように白い背景の場合

露出オーバーと、ドライブラシ
を意識して描くと良いでしょう。

 

今回のように白い背景で強い光の
当たったモチーフを描くと

露出オーバー気味の、やや白飛びした
写真のような状態になります。

 

このような場面を描くときのポイントは

〇明るい部分は紙の白を残す
〇明暗の境界線上を鮮やかに
〇やや暗い部分を優先的に細かく描く
です。

 

また、ドライブラシ技法はカサついた
筆のタッチをいかした表現ですが

今回は油絵で使う豚毛の剛毛の筆
を使っています。

 

少しだけ水の混ざった硬めの絵の具を
剛毛の筆で、素早い手の動きで
塗っていくことで、

カサついたタッチを入れていく
ことが出来ます。

 

因みに今回の色彩計画はこんな感じです。

白い背景に溶け込むように、
明るい部分はかなり明るく鈍い黄色、
中間トーンと黄色よりのやや鮮やかな
オレンジ

暗い部分は少し鮮やかなオレンジです。

 

これまで描いてきた絵よりも
鈍目の設定ですが

これは、今回の絵が

ドライブラシのカサついた筆のタッチと

リアルな細かい毛の質感描写をみせるのが
目的だからで、

ややモノトーンよりの設定なわけですね。

それでは早速制作に入っていきましょう。

 

動画解説で使った途中段階の
スライド画像と解説文も載せておくので

動画解説と併せてご活用ください。

 

水彩画で動物を描く‐線画の転写


水彩画で動物を描く場合
初めに線でしっかり形をとって
おくべきでしょう。

まず初めに今回描く下絵の裏側を
鉛筆で真っ黒に塗っていきます。

鉛筆を動かす方向を変えて、図像の部分が
しっかり黒くなるように
鉛筆を塗り重ねていきましょう。

下絵をマスキングテープで固定し
線の部分を上からボールペンでなぞって
転写していきます。

水彩画で動物を描く‐下塗り

下絵を転写し終わったら、ここからは
透明い水彩で描いて行きます。

今回はドライブラシという
カサついた筆のタッチを生かした
描き方をしていきますが

いきなり荒い筆のタッチで
描いて行くのではなく

 

制作の序盤は大まかな光とカゲを
意識して淡い色でカゲの形を
塗っておくと良いでしょう。

まず初めは紙の白に溶け込むような
淡い黄色を塗っていきます。

 

濃くなりすぎた部分は乾燥した
柔らかい毛の筆で吸い取ることで、
淡い色を塗っていくことが出来ます。

 


淡い茶色を作ってカゲの中の
さらに暗い部分を塗っていきます。

今回の絵のように白い背景を
生かして描く水彩画は

 

基本的に白い部分を残しながら、
暗い部分を描き進めていきます。

なので、基本的にやや暗い部分に
最も細かい表情が出てきます。

 

背景の白とこれまでに塗った
カゲの部分が馴染むように

淡い黄色で境界線の部分に塗って
行きます。

 

淡いこげ茶色を作ってカゲの中の
さらに暗い部分を塗っていきます。

今回の絵のように白い背景を
生かして描く水彩画は

 

基本的に白い部分を残しながら、
暗い部分を描き進めていきます。

なので、基本的にやや暗い部分に
最も細かい表情が出てきます。

ここまでに塗った絵の具の境界線は
全てぼんやりしていますね。

 

このように制作の序盤は水が
大量に混ざった絵の具で淡く

画面全体の明暗をピンぼけした状態で
描き、ベースを作るのがポイントです。

 

水彩画で動物の毛並みを描く技法


ここまでの作業で
明暗のベースが完成しました。

ここからは猫の毛の質感を感じるような
カサついた筆のタッチを入れていきます。

今回は油絵で使う豚毛の剛毛の筆
を使っています。

 

少しだけ水の混ざった硬めの絵の具を
剛毛の筆で、素早い手の動きで
塗っていくことで、

カサついたタッチを
入れていくことが出来ます。

 

このような筆のタッチを
ドライブラシと呼びます。

この時、猫の毛並みや形に添った
タッチを入れていくのがポイントです。

筆のタッチを入れ終わったら、
今度は細い筆に持ち替えて、
細かいタッチを入れていきます。

 

さきほど入れたタッチに馴染むように
素早い手の動きで、細い線を
引いていきます。

猫の目や鼻の部分は下書きの線を
はみ出さないように丁寧に
塗っていきます。

 

ドライブラシの技法を使った絵は
顔の主役の部分はリアルに描き、
主役以外の部分、

今回で言えば体の部分は
荒いタッチで仕上げる

というタッチのコントラストを
使うことで生き生きした絵を
描くことが出来ます。

水彩画で動物の細部を描く方法


タッチが荒く見えすぎている部分に
水が多く混ざった茶色を塗り重ねることで
落ち着かせていきます。

今回のように白い背景で
強い光を浴びたモチーフを描く場合

やや暗い部分に最も情報が集まります。

筆の荒いタッチや、細かい描写はこの
やや暗い部分に来るようにすべきなのです。

なので、最も暗い部分は情報を
減らす必要があるのです。

 

この最も暗い部分の情報を減らすために

タッチが荒く見えすぎている部分に
水が多く混ざった茶色を塗り重ねることで
落ち着かせていくわけです。

逆に情報が足りない部分は細い筆で
細かいタッチを入れたり、

猫の毛の細かい表情をリアルに
描写していくことで

情報を増やしていきます。

 

このようにドライブラシの技法は
情報量の粗密をしっかりあわせることが
重要です。

 

最も暗い部分を描いて行きます。

影の形を刻む意識で
黒い線を引いていきましょう。

暗い部分の描写が進み
中間トーンの鮮やかさが
たりなくなってきたので

やや鮮やかなオレンジを
塗り重ねていきます。

ここまで、ドライブラシの技法で
入れてきた、エッジの利いた

暗い形の周辺に鮮やかな色を
塗り重ねていきます。

完全に上から塗り重ねて
キワのぶつかりを弱める部分と、

 

ドライブラシのハードエッジな
キワを残す部分をしっかり
作り分けましょう。

下の絵の具がはげないように、
毛の柔らかい筆で、優しいタッチで
塗り重ねるのがポイントです。

 


猫の耳や鼻、口の部分などに
鮮やかな色を塗っていきます。

明暗の境界線上に少ない面積で
塗っていくのがポイントです。

いきなり鮮やかな色を塗らず、
初めは水が多めに混ざった
絵の具で淡く塗り、

最も鮮やかになる部分はもう一度
塗り重ねる

といった塗り方をすると、立体感を
損なわずに鮮やかに仕上げることが
出来ます。

 


最後に今回の絵の主役の顔の部分を
細かく描写していきます。

今回の絵の光の設定の場合

やや暗い部分に最も
細かい描写が入ります。

 

そこで、顔の部分の描写も、
やや暗い部分を積極的に
描写していきましょう。

猫の毛並みや形に添った
細かいタッチを入れていき、
細かい表情を表現していきましょう。

今回は白い絵の具で
細いひげを描いて行きます。

 

水を混ぜると透けてしまうので、
ほぼ水の混ざっていない状態の
白を細い筆で塗っていきます。

明暗の境界線上を鮮やかに

顔のやや暗い部分を
優先的に細かく描く

この2つのポイントを意識して
描写していきます。

 

水彩画で動物を描く方法はいろいろ

最終的にこのような
仕上がりになりました。

今回のように白い背景で
強い光の当たったモチーフを描くと

露出オーバー気味の、やや白飛びした
写真のような状態になります。

このような場面を描くときのポイントは

〇明るい部分は紙の白を残す
〇明暗の境界線上を鮮やかに
〇やや暗い部分を優先的に細かく描く
です。

また、今回は猫の毛並みを
ドライブラシの技法で表現しました。

このように細かい表情を描く方法は
何も写真のようにリアルに描く
だけではないのです。

 

水彩画らしい素材の味を生かした
タッチも生かして描いてみましょう。

今回はやや難しい技法も使いましたが、
みなさんも是非挑戦してみてください。

 

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