薔薇の花の描き方を今回は動画で
解説していこうと思います。
今回はコチラのモチーフを
描いていきます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/スライド2.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
背景の部分のピンボケの表情や
バラの花びらを透過する光の表現など
これまで紹介してきた描き方ではカバー
できない特殊な表情を描く方法を
解説していきます。
目次
薔薇の花の色を強調する描き方
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/スライド3.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
薔薇の花の描き方解説の実践パート
に入る前に
今回おさえておきたいポイントを
先に紹介しておきます。
今回のモチーフはコチラですが、
このような絵画的な工夫をすることで
バラの鮮やかさを強調したいと思います。
背景部分が緑系でまとまっていて
主役のバラの部分は赤系でまとまっている
感じです。
緑の地の上に補色の赤の図像が
乗っているイメージです。
この組み合わせで絵を描くときには
明暗のコントラストを強く意識して
描くことが重要です。
赤も緑も中間の明るさの色なので、
明暗を意識しないとコントラストの
弱いグレーっぽい絵になってしまうのです。
これまで紹介してきた通り、
明暗のコントラストを付けるときは
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/スライド4.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
明るい部分ほど黄色っぽく
暗い部分ほど青っぽくしましょう。
すると今回の下絵は
このようになるはずです。
しかし、実はこれは間違っているのです。
バラの花びらのように鮮やかで
半透明なモチーフの場合、
中間の明るさのゾーンと暗いゾーンの
色相が逆転するのです。
↓こうなるはずが
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/スライド5.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
↓こうなるのです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/スライド6.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
この色味の関係を再現できると
半透明なモチーフを透過する光を
表現することができます。
さて、なかなか言葉と画像だけでは
理解が難しいかもしれないので、
実践パートに入っていきましょう。
薔薇の花の線画の描き方
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/①.png?resize=728%2C941&ssl=1)
薔薇の花の描き方をここからは
実際に動画で解説していきます。
動画で使用した途中段階のスライド画像と
解説文を掲載しておくので
動画と併せてご活用ください。
まず初めは長めの直線でモチーフの形や
構図を探っていきます。
いきなり細かい形を描かず、大まかな形を
探っていきます。
水彩画ではこの段階をアンダードローイング
といいますが、
水彩画の場合、あまり濃い線を引くと
最後まで黒い線が残ってしまうので、
弱い筆圧でうっすら線を引いていきましょう。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/②.png?resize=728%2C941&ssl=1)
大まかな形や構図が見えてきら、
曲線で形を決めていきます。
背景のピンボケ部分はそこまで
厳密に形を合わせる必要はありません。
画面上で、美しい形を選ぶ意識で
ざっくりと決めていきましょう。
主役のバラの部分は、絵具を塗る時に
迷わないようにしっかり
形を決めていきましょう。
薔薇の花の立体感の描き方
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/③.png?resize=728%2C941&ssl=1)
薔薇の花の描き方をここからは
透明水彩絵の具で解説していきます。
さてここからは絵の具に入っていきます。
まず初めは主役のバラの部分に
ベースの色を塗っていきます。
ポイントは、ハイライトの真っ白な部分を
避けて塗っていくことです。
水彩画は基本的に、紙の白が
最も明るい色なので、
紙の白を残しながら、
描き進めるのがコツです。
いきなり鮮やかな色を塗ると、
立体感や空間の演出が難しくなるので
初めはこのように水がたくさん
混ざった薄い絵の具を塗っていきます。
茎の部分も同じようにハイライトを
避けてベースの色を塗っていきましょう。
薔薇の花の背景の描き方
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/④.png?resize=728%2C941&ssl=1)
薔薇の花の背景の描き方を
ここからは解説していきます。
背景部分のベースの色を
塗っていきましょう。
先ほどと同じように、ハイライトの
真っ白な部分を避けて塗っていきましょう。
いきなり鮮やかな色を塗ると、
立体感や空間の演出が難しくなるので
初めはこのように水がたくさん
混ざった薄い絵の具を塗っていきます。
水彩画の基本は、徐々に暗く、
徐々に鮮やかに描き進める です。
なので
初めの段階では、
やや明るめ、
やや鈍めに描くのがポイントです。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/⑤.png?resize=728%2C941&ssl=1)
背景の部分にややあざやかな
黄緑を塗っていきます。
ハイライトの白、先ほど塗った黄色、
今塗っている黄緑の3色で
背景部分の形を塗り分けるイメージで
塗っていきます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/⑥.png?resize=728%2C941&ssl=1)
さて、背景の明るい部分は色幅が
出てきたので、今度は暗い部分を
作っていきます。
背景のピンボケ部分の形を観察し、
形をしっかり刻みながら暗い色を
塗っていきます。
ここまで黄緑で明るい部分を
塗ってきました。
今、青みの緑で影を
塗っていますが
このように、明るい部分を黄色っぽく、
暗い部分を青っぽく描くと、
自然な光を色で演出することが
出来ます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/⑦.png?resize=728%2C941&ssl=1)
カゲの中のさらに
暗い部分を塗っていきます。
背景のピンボケ部分の形を観察し、
形をしっかり刻みながら
暗い色を塗っていきます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/⑧.png?resize=728%2C941&ssl=1)
背景のカゲの部分に青みが足りないので
透明な青を塗り重ねていきます。
薔薇の花の透過光の描き方
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/⑨.jpg?resize=728%2C941&ssl=1)
薔薇の花の描き方はこのように、
大まかなベースの色を塗ってから
鮮やかな色をのせるのがポイントです。
さて、ベースの色を塗り終わり、
明暗が見えてきたので
ここからは鮮やかにしていきます。
鮮やかな色を塗る時のコツはこのように、
モチーフの形にそったタッチで影の形を
塗っていくことです。
バラのカゲの形を観察し、形をしっかり
刻みながら暗い色を塗っていきます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/中間明度の赤紫.jpg?resize=728%2C384&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/低明度 赤.jpg?resize=728%2C384&ssl=1)
初めに塗ったバラのカゲ色は薄い赤紫色でした。
今塗っているカゲ色は鮮やかな赤です。
普通は暗くなるほど、青に近づくので、
これはおかしいのですが
バラや椿の花びらのように、鮮やかで
半透明なモチーフでは、これが逆転します。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/スライド5.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/スライド6.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
明るい部分が紫っぽい赤になり
暗い部分がオレンジっぽい赤になるのです。
このような色の関係を再現できると
半透明な物を透過する光を表現できます。
さて、ここからはバラの中で
最も鮮やかな部分を塗っていきます。
バラの花びらの細かい形を観察しながら、
明るく鮮やかな赤紫を塗っていきます。
このように重要な工程では色を別の紙に
塗って確認してから絵に塗っていくと
良いでしょう。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/⑪.jpg?resize=728%2C941&ssl=1)
このくらいの段階になったら、
バラの細かい部分をひたすら
観察して描写していきます。
ポイントは明暗の境界線付近の
細かい表情を細かい筆のタッチで
表現することです。
この作業を繰り返して行くと、
このようにピントの合った状態のバラ
を描くことが出来ます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/⑫-4.jpg?resize=728%2C941&ssl=1)
さてここからは、背景部分の色幅を
増やしていきます。
今は大まかに5色の色が
塗られている状態ですが
ここからは半透明な色を重ねていき、
細かい色の変化を作っていきます。
背景部分の色の変化を観察し、
色を塗り重ねていきます。
この時、ポイントは意識的に
ピンボケ状態を作っていくことです。
主役のバラの部分にしっかりピントが
あっているので、
背景部分は色の境界線をぼんやりさせて、
ピンボケ状態にすると良いのです。
背景部分が若干暗くなり、バラの部分が
明るくなりすぎているので、
描写を進めながらバラを暗くしていきます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/⑬-4.jpg?resize=728%2C941&ssl=1)
バラの暗い部分を
さらに鮮やかにしていきます。
この段階になったら、あまり水の
混ざっていない濃い絵の具を塗り重ね、
画面をどんどん鮮やかにしていきます。
背景部分も同じようにあまり水の
混ざっていない濃い絵の具を塗り重ね、
どんどん鮮やかにしていきます。
さて、この段階で暗い部分を洗っていきます。
柔らかい筆に水を多めに含ませて、
画面を撫ででいくと
少しだけ色が明るくなり、ここまで
塗った色が溶けて画面上で混ざり合い
水彩画らしいにじみを生かした
ピンボケ表現が出来ます。
このように予めしっかり色幅を作って
画面上に形を刻んでから、
洗ってにじみを作ることで
にじみの出方をある程度
コントロールできます。
背景部分で色のぶつかりが強過ぎる場所を
この方法でどんどんぼかしていきます。
この作業はこまめに筆を洗って、
画面が濁らないように注意しましょう。
最後に色の明るさと鮮やかさ、
ピントの状態を確認し微調整して完成です。
薔薇の花の描き方のポイント
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2020/05/完成4.jpg?resize=347%2C456&ssl=1)
薔薇の花の描き方がイメージできたでしょうか?
最終的にこのような仕上がりになりました。
このような背景がピンボケしたような
モチーフは水彩画の練習に向いています。
皆さんも是非挑戦してみてくださいね。