【椿の花の描き方】簡単な書き方や金箔の貼り方、膠の使い方も解説

椿の花の絵って日本のアート市場では
人気が高いんです。

私も日本の花の絵を描くので
椿もよく描きます。

そんな人気の高い椿の花の描き方を
今回は解説していこうと思います。

今回は強い物質感のでる
金箔を背景に貼った
絵を描きます。

 

普段の私の制作では板に石膏地を施し
金箔を貼って最後にメノウで磨き、
鏡のような仕上げにします。

これは極めて複雑な作業です。
初心者がマネするのは
難しいかもしれません。

そこで今回は実践しやすい
最も簡単な金箔の貼り方を紹介します。

図像の部分は小さいな絵でも存在感が
出るようアクリル絵の具で
細密に描いていきます。

 

それでは早速実践に入っていきましょう。

動画で使った解説スライドや解説文も
載せておくので、動画と併せて
ご活用ください。

目次

椿の花の描き方:地塗り編

 

今回は小さいパネルに水張りした
水彩紙に描いて行きます。

初めにアクリル系のジェッソを水に溶いて
薄く塗り重ねていきます。

ジェッソを水に溶く時は空気が
入らないように泡立たないように
混ぜていきましょう。

いきなりぼったりと厚塗りせずに

水に溶いた軟らかい状態のジェッソを
何層かに分けて塗り重ねていきます。

椿の花の描き方:下描き編

表面が乾燥したら、パネルに
下絵の線を転写していきます。

マスキングテープでカーボン紙と
下絵を固定して転写していきます。

カーボン紙を挟んで上から下絵の線を
転写することで下絵の線のみを
転写していきましょう。

 

色付きのボールペンで
下絵の線をなぞっていくと

どこを転写できて、どこを転写
できていないかがわかりやすいです。

パラパラとめくってしっかり下絵の線が
転写されているか確認しましょう。

椿の花の描き方:背景編

下絵の線が転写し終わったら、画面全体に
マスキングフィルムを張っていきます。

そして下絵の図像の部分にだけフィルムが
残るようにデザインカッターで
切り抜いて行きます。

 

この時、あまり力を入れると、
紙まで切れてしまうので

フィルムだけが切れるように
力を加減して切っていきましょう。

お次は背景の部分に貼る
金箔を準備していきます。

金箔のあかしかた

金箔を貼る時は、あかし紙
という紙を使うのがオススメです。

あかし紙はロウを引いた薄い半透明の
紙で、ここに金箔を
一旦張り付けることで、

狙った場所に金箔をはったり、
金箔を自由な形にカットして
貼ることが出来ます。

 

この作業を箔をあかすといいます。

さて箔をあかし終わったら、
画面に膠水を塗っていきます。

今回は魚膠という箔と相性の良い
強力な膠を使っていきます。

 

膠の使い方

ここで、膠水の準備方法について
簡単に解説します。

今回使う魚膠はこのような
パウダー状で販売されています。

 

これを一旦水に着けて膨潤させ、
お湯を加えてかき混ぜることで作ります。

 

この時、お湯は80度くらいのもの
を用意しましょう。

沸騰したお湯を膠に加えると、
膠の分子が壊れてしまい、
接着力が落ちてしまいます。

 

また、この時、膠とお湯は体積比で
1対10になるように混ぜましょう。

計量カップなどで分量を計って
混ぜると良いでしょう。

 

基本的に、箔の張り付けは接着力のある
材料ならなんでも張り付きます。

 

 

今回は膠水ですが、ジェルメディウムを
水に溶いたものや、ジャパンゴールドサイズ
という箔用の接着剤などでも大丈夫です。

 

さて、画面に膠水を塗れたら、さきほど
あかした箔を貼っていきます。

この作業を箔押しといいます。

 

気泡がはいってしまったり、しわが寄って
箔が張り付いていない部分は
真綿を使って押し付けていきます。

 

2枚目も貼っていきます。
あかし紙を切ってちょうど良いサイズ
の金箔を貼ることもできます。

このようにはがれてしまった部分は
必要なサイズの箔を用意して修正していきます。

この作業を穴がなくなる
まで続けましょう。

画面がしっかり乾燥しているのを確認したら
軟らかい毛の刷毛で表面を払っていきます。

しっかり張り付いていない箔は
この時パラパラと落ちていきます。

マスキングフィルムをはがして
図像の部分を確認します。

 

大体この段階でまた、箔が張り
付いていない部分が見つかるので

必要なサイズの箔を用意して
修正していきます。

 

椿の花の描き方:下塗り編

箔の修正が終わりました。ここから
絵の具で図像の部分を描いて行きます。

今回は絵の右側に腕枕という
木の棒をセットします。

これは絵を描いている時に右手が
絵の表面について、箔の部分を
傷つけないためです。

最初は黄色よりのオレンジの
下塗りをしていきます。

半透明で均一な塗膜を塗るため、
ジェルメディウムと水を混ぜて、
最適な透明度と硬さに調整していきます。

図像の部分にできるだけ
ムラなく均一に下塗りをしていきます。

椿の花の描き方:明暗編

椿の花の陰の部分の色を
作って塗っていきます。

制作の序盤はこのように、
完成イメージよりも、

やや明るめ、やや鈍めの色を作って
不透明な絵の具で塗っていきます。

 

光の方向を意識して、カゲの形を
刻むようにマットに塗りこんでいきます。

カゲの中でもさらに暗い部分の色を
作って塗っていきます。

お次は葉っぱの暗い部分を塗っていきます。
今回は夕日のような光をイメージして
紫色の影を塗っていきます。

椿の葉っぱは緑色ですが、表面がツヤツヤで
反射するので、夕焼け空の紫色を反射しています。

夕日のような光の描き方は
コチラをチェックしてみてください↓

【夕日の描き方】メイキングで解説!背景画にも使える夕焼け空の光の描き方

2020.04.13

このように屋外の設定でモチーフを描くとき
カゲの中の上を向いている面は空の色を反射しています。

お次は椿の花の部分の明るい色を
作って塗っていきます。

制作の序盤はこのように、完成イメージよりも、
やや明るめ、やや鈍めの色を作って
不透明な絵の具で塗っていきます。

 

光の方向を意識して、光の形を刻むように
マットに塗りこんでいきます。

椿のおしべの陰の部分を
緑色で塗っていきます。

 

この時鮮やかになりすぎないように
注意しましょう。

基本的に制作の序盤は明度の関係を
合わせることが重要です。

お次は葉っぱの明るい部分の色を
塗っていきます。

明るい緑を塗る時には意識的に
黄色を混ぜて色を作りましょう。

 

明るい緑を作るために緑と白を混ぜると、
白っちゃけた不自然な色に
なってしまいます。

 

黄色もしっかり混ぜて明るい黄緑に
することで、

光を感じるような自然な葉っぱの
色を作れます。

緑の使い方、作り方は↓の動画
をチェックしてみてください。

お次は今の状態で最も明るい部分に
不透明な白を塗っていきます。

下に塗った色が透けないように
しっかりマットな白を塗って
いきましょう。

お次はさきほど作った
葉っぱの色をベースに

葉っぱのなかでも暗い色を
作って塗っていきます。

ここまでくると、大まかな光の印象、
モチーフの色を感じる状態になりました。

完成イメージよりもやや明るめ、やや鈍めに
不透明な絵の具で、光と影の形を刻むように
塗るのが重要です。

 

椿の花の描き方:色彩編

さて、ここからは半透明な
鮮やかな絵の具を塗り重ね

画面を暗く鮮やかに仕上げていきます。

最初は黄色からです。

黄色のアクリル絵の具にジェルメディウムと
水を混ぜ、最適な透明度、硬さになるように
調整していきます。

 

モチーフの中の黄色い部分、真っ白に
塗られている部分に半透明な黄色を
塗り重ねていきます。

お次はオレンジです。

ジェルメディウムと水を混ぜ、最適な透明度、
硬さになるように調整して塗っていきます。

今回のモチーフは椿の花弁を透過する
光の表情が特徴です。

 

モチーフをよく観察すると、
黄色いおしべのやや暗い部分や

赤い花びらの明るい部分に
オレンジ色の光が見えます。

モチーフの光の形をよく観察して
半透明なオレンジを塗っていきます。

 

この時もいきなり鮮やかにするのではなく
徐々に鮮やかにしていきましょう。

モチーフをよく観察すると、やや鮮やかな
部分とかなり鮮やかな部分があります。

半透明な絵の具は塗り重ねれば
塗り重ねるほど、暗く鮮やかに
なっていきます。

ジェルメディウムを混ぜて
薄くといた絵の具を

何層も何層も塗り重ね、最適な鮮やかさ、
暗さになるように少しずつ
塗り重ねていきます。

 

基本的に半透明な鮮やかな絵の具を
塗り重ねていくときは、暗い部分を鮮やかに
仕上げる意識で塗っていきましょう。

明るい部分ももちろん鮮やかですが、
暗い部分が鈍いままだと

かなり不自然に見えます。

 

お次は赤です。

ここまで、黄色、オレンジ、赤と
塗り重ねてきました。

このように半透明な色を塗り重ねるときは
黄色から青紫に向けて、少しづつ

色相をずらしながら
塗り重ねていきましょう。

 

色相環の上の方の色ほど明るく、
下の方の色ほど暗いからです。

そうすると画面が徐々に暗く、
徐々に鮮やかになっていきます。

ジェルメディウムと水を混ぜ、最適な透明度、
硬さになるように調整して塗っていきます。

一気に鮮やかにするのではなく
何層も何層も塗り重ね、最適な鮮やかさ、
暗さになるように少しずつ塗り重ねていきます。

 

お次は赤紫色を塗り重ねていきます。

今回のように半透明な赤い花びらを
透過する光を描く場合

どこが赤でどこが赤紫色になっているかを、
しっかり観察して描きましょう。

半透明なものを透過する光の表情は複雑なので、
基本的によく見て描くのが重要なのです。

 

今回も一気に鮮やかにするのではなく

何層も何層も塗り重ね、最適な鮮やかさ、
暗さになるように少しずつ塗り重ねていきます。

お次は紫を塗り重ねていきます。
花の暗い部分や葉っぱの陰の中に
暗い紫を塗り重ねていきます。

 

だいぶ光の印象と鮮やかさが出てきました。
まずはじめに不透明な絵の具で明るめ鈍めに
モチーフを描き

その上に半透明な絵の具を黄色から順番に
塗り重ねていくとこのような自然な印象の絵を
描くことが出来ます。

おおまかな色の配置はこれで整ったので、
この絵を遠くから見たときの印象は
バッチリだと思います。

ここから先はモチーフの細かい形を
描いて行きます。

椿の花の描き方:仕上げ編

モチーフのより細かい形を観察し
描いて行きます。

モチーフの画像そっくりに
仕上げていく段階ですね。

 

まずは半透明な絵の具で細部の鮮やかさ、
明るさを調整していきます。

基本的に、この描き方では徐々に
鮮やかに徐々に暗くなっていくので、

常にモチーフの画像よりもやや明るめ
やや認分めな状態なのです。

 

モチーフの細かい形を観察し細かく
形を刻む意識で半透明な色を
塗り重ねていきます。

暗く鮮やかになりすぎている部分は、
白の混ざった不透明な絵の具で
描き起こしていきます。

モチーフの画像をよく観察し、
ソックリの色を作って不透明で
隠蔽するように塗るイメージです。

 

ここからは機械的に

明るすぎ、鈍すぎな部分には
半透明な絵の具を塗る

暗すぎ鮮やかすぎな部分はモチーフの色
そっくりの不透明な絵の具で上から隠蔽

という作業を繰り返して
本物ソックリに仕上げていきます。

 

この時、モチーフのどの部分に細かい情報が
集まっているのかを観察して描いて行きます。

今回のモチーフで言えば、椿のおしべの
部分に細かい形の変化があり、
情報が集まっています。

ここを優先的に描いて行きましょう。

最終的にこのような仕上がりになりました。

紙の上に貼った金箔のぼんやり
乱反射したような輝きと

そこにマッチするようなオレンジ色の
光を浴びた椿を描きました。

箔の扱いには慣れが必要ですが

箔を使った絵画は人気も高いので
是非挑戦してみてください。

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