どうも黒沼です。
さて、最近は続けて
西洋美術史シリーズを書いています。
美大に通う私が美術史の授業、教授の話
本で手に入れた美術史情報をアップして
いくので、チェックしてみてくださいね。
今回はネオ・ダダ
について解説します。
当時の音楽とともにお楽しみください。
目次
ネオ・ダダとは
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ネオ・ダダとはニューヨークを拠点に
活動したジャスパー・ジョーンズや
ロバート・ラウシェンバーグを
中心作家とする芸術運動でした。
ネオ・ダダとは1950年代に抽象表現主義
への反発から起こった芸術運動でした。
ネオ・ダダの作家は抽象表現主義の高尚さ、
難解さを嫌い、より日常的で卑俗な
モチーフを好みました。
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このため素材に、印刷物や廃材などを
用いた作品も多いんですね。
当時の評論家ハロルド・ローゼンバーグは
この運動の持つ反芸術的性格を
新たなダダイズムと評価し
ネオ・ダダと名付けました。
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ダダイズムの用いた、レディメイド(既製品)
やアッサンブラージュ
(立体物を寄せ集めた制作)の使用も
ネオ・ダダ作品では確認できます。
ダダイズムが芸術の定義の白紙撤回を
目論んだのに対し、ネオ・ダダの作家は
都市生活をクールに写し取るような
性格を持っていました。
ネオ・ダダと同時期にヨーロッパでは
ヌーボー・レアリスム(新たなレアリスム)
が起きました。
ネオ・ダダとヌーボー・レアリスムは
よく似た主張を展開しており
実際に合同展示も行っていました。
こうしたことからも、ネオ・ダダは
レアリスム的な側面が
あったのかもしれません。
この見慣れた都市空間を情感を交えず
移す試みはポップアートに引き継がれます。
このため、ネオ・ダダはプロト・ポップ
と呼ばれることもあります。
ネオ・ダダの有名作家
ロバート・ラウシェンバーグ
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![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/60.007-217x300.jpg?resize=599%2C828)
ロバート・ラウシェンバーグはダダイスム、
キュビスム、シュルレアリスムで用いられた
コラージュやアッサンブラージュの技法を
用い制作しました。
抽象表現主義のアクションペインティング
が用いたような激しいタッチと組み合わせる
ことで、当時のアメリカ版にこれらの表現を
アップデートさせたんですね。
ラウシェンバーグは積極的に廃物や剥製など
の立体物を絵画に組み合わせました。
このため彼の作品は
コンバイン・ペインティングと呼ばれます。
ジャスパー・ジョーンズ
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![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/th4K12WA1X-226x300.jpg?resize=601%2C798)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/thG4X5X5IM-300x225.jpg?resize=728%2C546)
ジャスパー・ジョーンズは星条旗や標的
など誰もが知っている記号をそのまま
描きました。
デュシャンは便器をそのまま作品として
提出することで、便器から便器としての
意味をはぎ取って芸術を生みました。
同じようにジャスパー・ジョーンズは
星条旗をそのまま作品として提出する
ことで、星条旗から星条旗の意味を
はぎ取って絵画にしてしまいました。
ジャスパー・ジョーンズは絵画としての
発表にこだわりました。
このため、ローマ時代の世界最古の
絵画技法エンカウスティックを用い
絵画の物質性を強調しました。
アラン・カプロ―
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アラン・カプロ―はハプニングや
パフォーマンスといった作品形式を
生みました。
ハプニングとは一回こっきりの突発的な
演劇のような表現で、観客も演者に
含まれます。
ストーリー性がなく、より純粋で抽象的な
現代的演劇といったところです。
パフォーマンス作品は形式上、
商品化しようがありません。
後に登場するインスタレーションとともに、
この商品にならないというスタンスは市場
に挑戦するものでした。
こうした意味でもハプニングや
パフォーマンスは極めて前衛的な
形式でした。
これらのアートは、アーティストと観客と
コレクターの間の階級
をなくそうとしたんですね。
作る人、見る人、お金を払う人という
芸術における立場の差を
なくそうとしたんですね。
サイ・トゥオンブリ―
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日本のネオ・ダダ
日本でも1960年代にネオ・ダダ
の芸術運動が起こります。
読売アンデパンダン展に
ネオ・ダダ・オーガナイザーズ
というグループが出品し
話題を呼びました。
彼らの活動は
60年代アングラカルチャーの
源泉となりました。
まとめ
今回はネオ・ダダを紹介しました。
ネオ・ダダの特徴はまとめると
・ハプニングなど商品化されないような表現形式を生んだ。
・当時のアメリカの都市生活を写し取った。
といった感じですね。
次回はポップアートについて
紹介します。
それではまた。
↓西洋美術史についてはコチラ↓
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/06/画家と美術史-300x176.jpg?resize=725%2C422)