[西洋美術史]ピカソやブラックなどキュビズムの有名作品を解説

 

こんにちは。
卒業制作の大作を制作中の黒沼です。

 

 

普段は小さい作品ばかり作っているので
大作にはなかなか苦労していますね~。

卒業制作には金箔を貼った作品を
作っています。

 



メノウで磨いているので
キラッキラッしてますよ。

 

海外での展覧会では

「大きい絵が欲しい。
もっと大きい絵はないの?」

 

というお客様もいるようです。

 

私も今後は大きい絵画を
どんどん描いていきたいですねー。

 

さて前置きが長くなりましたが
今日はキュビズムについて紹介します。

当時の音楽と共にお楽しみください。

 

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キュビズムとは

 

キュビズムピカソ、ブラック、グリス
という洗濯船(バトー・ラボアール)
に住む3人の芸術家を中心に始まります。

キュビズムといえば
「ゲージュツ」爆発している

 

そんな斬新な絵画をイメージ
する方も多いと思います。

まさにキュビズムは生まれた当時から
極めて斬新なものでした。

 

それまでの絵画は3次元的な奥行きを持った
視覚的にリアルな絵画を目指していました。

キュビズムでは三次元の世界を
2次元の平面に「翻訳」しました。

 

この美しい翻訳のやり方により
絵画を自立した美的存在に押し上げました。

絵画の目的が自然(3次元空間)の写し
ではなくなったんですね。

 

(これは写真の発明が原因でもあります。)

ルネサンス期以来の絵画の写実的伝統を
壊したのがキュビズムだったんです。

そんなわけで、キュビズムは20世紀最大
の芸術運動のひとつとされているんです。

 

 

最初のキュビズムの絵画はピカソの
アヴィニョンの娘たちと言われますが

キュビズムの名前の由来はマティスが
ブラックの風景画を「キューブ」と
評したことによります。

 

 

セザンヌからの影響

 

キュビズムのような斬新な空間の翻訳方法は
突然現れたのではありません。

ポスト印象派の画家、セザンヌの絵画の進化
として初期のキュビズム絵画は登場します。

 

 

セザンヌの絵画は、複数の視点から見た
対象を絵の中で再構成しました。

斜め上から見た壺、横から見た壺などが同じ
1枚の絵の中に綺麗に配置される感じです。

 

最初期のキュビズムは
このアイデアの再演でした。

この時代のキュビズムを
セザンヌ的キュビズムと言います。

 

それから、切子細工のような片ぼかしの線が
多く登場する分析的キュビズムに展開します。

そして最終的には絵画に立体物を張り付ける
パピエ・コレという手法を用いた
総合的キュビズムの時代へ移ります。

 

 

パブロ・ピカソ

 

ピカソは20世紀最大の芸術家
と言っても過言ではありません。

スペインに生まれたピカソは
幼い頃から才能を見せます。

 

 

16歳にしてアカデミックな絵画技法
をマスターし、権威ある賞を取ります。

(ピカソの父は我が子の才能
に驚き、筆を折ったそうです。)

 

それ以来、ピカソ独自のスタイル
を展開していきます。

 

 

ピカソの作風の変遷

青の時代

 

 

ピカソ独自のスタイルは
青の時代から始まります。

当時のピカソは親友の自殺
などにより陰鬱としていました。

 

 

 

そんな青の時代の作品は社会の下層で暮らす
人々を描いたブルーな作品が多いです。

 

 

バラ色の時代

 

 

ピカソは結婚すると文字通り
バラ色の時代に突入します。

豊かな色彩を使い
ピエロなどをモデルに描いています。

 

豊富な色彩を用いながらも
人間の深みを描いた作品が多いです。

 

 

セザンヌ的キュビズムの時代

 

この頃の作品はセザンヌの絵画のように
1枚の絵に複数の視点から見た対象が
組み込まれます。

 

分析的キュビズムの時代

 

この頃の作品はモチーフを切子面で
切り分けて再構成するような作品が増えます。

切子面による分解はどんどん単位が
細かくなっていきます。

 

総合的キュビズムの時代

 

分析的キュビズムは徹底することで
何を描いているか分からない
何も主張しない陰鬱な絵になってしまいます。

そこで、総合的キュビズムの時代になると
絵画に物を張り付けて、現実空間との接点を
模索するようになります。

 

コラージュ技法と呼ばれるもの
はこの頃生まれます。

コラージュの中で
紙を貼ったものをパピエ・コレ
厚みのある物を張った物をアッサンブラージュ
と呼びます。

 

 

新古典主義の時代

 

キュビズムを完成させても
ピカソの作風は変わっていきます。

続く新古典主義の時代には
古代ギリシャ彫刻や新古典主義絵画のような
重厚でボリューミーな表現になっていきます。

 

 

 

この時代の後期には総合的キュビズム
と新古典主義をミックスしたような
ピカソの集大成のような絵を描きます。

 

 

晩年

 

 

 

「私は子どものころからラファエロのように
描けた。しかし、子どものように描けるように
なるのには一生かかった。」

早熟の天才だったピカソは子供の頃から
アカデミックな技術をマスターしていました。

 

 

しかし、子どものように自由な絵は
描けなかったんですね。

晩年のピカソは無邪気な子供のような
自由な絵を描きます。

 

 

 

ジョルジュ・ブラック

 

 

キュビズムの代表的な画家のひとりが
ジョルジュ・ブラックです。

 

 

 

もともとマティスに憧れたフォーヴィスム
の画家だったブラックはピカソに出会い
キュビズムに転向します。

 

ブラックの作品は同じキュビズムの
ピカソとは異なる雰囲気を持っています。

これは絵の具におが屑を混ぜるなど
素材への工夫があったからかもしれません。

 

 

 

ブラックの描いた『レスタックの家々』
を見たマティスが「キューブのような家だ。」
と評したのがキュビズムの由来だそうです。

 

 

フアン・グリス

 

 

ピカソ、ブラックとともにキュビズムの代表
なのが、グリスです。

ピカソやブラックと異なり
色彩を積極的に使ったのが特徴です。

後期には、コラージュを用いた
独自の作品を制作します。

 

 

その他のキュビズムの画家

ピカソ、ブラック、グリス以外にも
キュビズムは多くの画家に広がっていきます。

・ジャン・メッツァンジェ



 

・フェルナンド・レジェ

 

 

・ロベルト・ドローネー

 

 

・萬鉄五郎

 

 

 

 

キュビズムの与えた影響

マティスをはじめとしたフォーヴィスムの画家は
モチーフのリアルな色彩の再現を辞め
絵画の中で自由な色彩を使います。

これに対し、キュビズムでは色彩を抑え
モチーフの線と形を分解していきました。

 

キュビズムは色彩よりも明暗や線
を重視したんですね。

どちらの潮流も後に抽象絵画へ
つながっていきます。

 

フォーヴィスムから派生したものを熱い抽象
キュビズムから派生したものを冷たい抽象
と呼びます。

 

キュビズムは抽象画以外でも
オルフィズム、ピュリスム、未来派、

シュプレマティスム、ダダイスム、構成主義
デ・ステイル、アールデコなど

様々な芸術運動に影響を与えました。

 

 

 

まとめ

今回はキュビズムについて紹介しました。

 

キュビズムの特徴をまとめると

・線と形に注目し、モチーフを解体し描いた。

・絵画の目的を自然の再現という伝統から解放した。

・20世紀の様々な芸術運動に影響を与えた。

といった感じですね。

 

次回は未来派について
紹介します。

それではまた。

↓西洋美術史についてはコチラ↓

 

 



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