どうも、次回の展覧会へむけ、
大作にとりかかった黒沼です。
私はバロック絵画が大好きで、
暗い部屋にモチーフを
こんな感じ組んで、スポットライト
をあてて描いています。
私の展覧会についてはこちら
さて、最近は続けて、西洋美術史
シリーズを書いています。
美大に通う私が美術史の授業、
教授の話、本で手に入れた
美術史情報をアップしていくので、
チェックしてみてくださいね!
今回はフォーヴィスムの美術
について解説します!
目次
フォービズムの画家や絵画作品の特徴
ポスト印象派の画家、ゴッホやゴーギャンは
色彩を再現のためではなく、
感情の表現のために使いました。
この流れを引き継ぎ、より高めたのが
フォーヴィスムの画家たちでした。
彼らの絵画はゴッホやゴーギャン以上に
自由な固有色(人の顔を水色で描くとか)
を使いました。
また、色彩をよりいきいき使うべく、
筆のタッチも激しくなり、
モチーフの形は正確さを失っていきました。
フォービズムの名前の由来
そんな絵画を当時最も自由な展覧会、
アンデパンダン展で見た批評家の
ヴォークセルは
「この部屋は野獣のオリだな」
とつぶやいたそう。
これがフォービズム(野獣派)の名
の由来となったようです。
フォーヴィスムも印象派と同様、
悪いあだ名がそのまま名前
になったんですね。
フォーヴィスムはフランスの
美術アカデミーの
エコール・デ・ボザールで
起こりました。
(この頃モローが教師を
していたようです)
フォーヴィスムの画家は
激しい色と筆のタッチを用いましたが、
フランス絵画の伝統を守り、
画面構成を重視したようです。
モチーフの形は正確でなくなりましたが、
画面全体の形選びにはこだわったんですね。
フォービズムの有名な画家たち
マティス
マティスはフォーヴィスムの画家
のなかでも特に有名な画家です。
マティスはピカソと並ぶ、
20世紀最大の巨匠と言われています。
後の時代に起こる熱い抽象
(激しい色、激しい筆のタッチで
描く抽象絵画)
のルーツとも言われます。
(ピカソは冷たい抽象のルーツ
と言われています。)
一見、とても自由に色を使い、
形の正確さには頓着しない画家に
見えますが、そんなことはないようです。
マティスは超努力家だった
マティスは修行時代、アカデミーの中でも、
ひときわ熱心にデッサンや模写に
取り組んだ画家であるようです。
マティスは修行時代、緻密な
17世紀オランダ絵画↑を模写し、
絵画の画面構成や描写技術を
勉強したようです。
実際、とても自由な形を描いているよう
に見える 「ダンス」のシリーズ↑も
骨格的に正しく、プロポーション
(頭身バランス)のみをアレンジして
描いた絵画なんです。
早熟であったピカソに対し、マティスは
遅咲きの画家で、たゆまぬ努力の末、
20世紀を代表する画家になったんですね。
マティスは固有色(モチーフ自体の色)に
とらわれない自由な色使いで描きましたが↓
「自分で描いたような
女性に道で会ったら、ぞっとするね」
と言っていたようです(笑)
ブラマンク
ヴラマンクはフォーヴィスムの中
でも最も
激しい色使い、筆のタッチ
を好んだ画家でした。
ゴッホに強い影響を受け、いかにも
フォーヴィスムらしい絵画を
描いています。
しかし、晩年は抑制のきいた
モノクロームに近い絵画を描いており、
これらも別の意味で
魅力的のある作品となっています。
他にもフォービズムの
画家を何人か紹介します。
マンギャン
マルケ
ドランとデュフィはフォービズムの
画家でしたが、後に大きく作風を変えました。
ドラン
↓
↑の絵「アルルカンとピエロ」は
ロココ期以来の伝統的なテーマでした。
デュフィ
↓
↑の「オーケストラ」のように
デュフィは音楽をモチーフに
独自の絵画スタイルを生み出しました。
フォービズムの画家の絵画の作品の特徴まとめ
今回はフォービズム
について紹介しました。
フォーヴィスムの特徴
はまとめると
・世紀末の雰囲気を妖しくも美しく表現
・緻密で装飾的な独特の世界
・夢の中のような幻想的な世界
といった感じですね。
実はフォーヴィスムはこれといった
共通理念もなく、時期も短かい
ちょっとしたブームのようなものでした。
ドランやデュフィのように後に
自分流の作風へ大きく変えた画家
も多かったようです。
次回はドイツ表現主義について紹介します。
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