売れる絵と売れない絵の違いがわからない。
絵が売れない理由がわからない…
そんな悩みを持つ画家さんは多い
でしょう。
こんにちは!画家の黒沼です。
今回のテーマは
売れる絵と売れない絵の違いです。
メルマガ読者の方から
こんな質問を頂きました。
質問
絵が上手くても全然売れない人もいれば、
多少絵が下手でも売れる人も
いるかと思います。
売れる絵と売れない絵には
どんな違いがあるのでしょうか?
目次
売れる絵の特徴とは
売れる絵の特徴とは
どんなものなんでしょうか?
以下に回答をのせておきます。
回答
絵は上手いに越したことはないですが、
上手くなければ売れない
わけではありません。
絵がさほど上手くないひとでも、必要な
ポイントを押さえて、私の数倍売っている
画家さんもいらっしゃいます。
そして、その売れる絵のポイントとは、
【飾りやすさ】といえます。
飾りやすい絵の具体例としては
・花鳥風月が描かれた絵
花の絵、動物の絵、風景画などです。
これに加え、美人画も最近は人気です。
他には、描写の密度のある絵や、
箔を扱った絵などの存在感のある絵
も売れやすいです。
売れない絵の特徴とは
売れない絵とはどんなものでしょうか。
売れづらい絵は、エログロや完全抽象画
など、日本人が鑑賞に困ってしまうような
【飾りづらい絵】といえます。
共感しづらい絵、来客の際に
話題にしづらい絵は、
飾りづらく、売りづらい絵
と言えるでしょう。
売れる絵、売れない絵は場所によって変わる
売れる絵、売れない絵は場所に
よっても多少の違いがあります。
【飾りやすい絵】の基準はお客様の住む場所
によっても変わってきます。
これまで私は
東京、大阪、広島、横浜、埼玉、仙台
などなど日本全国の百貨店で
展覧会を開いてきました。
例えば東京や大阪といった大都市の会場では、
華やかで小さい作品が
好まれる傾向があります。
比較的小さい家に住む都会人の気質を
考えるとこの傾向は理解できます。
また逆に仙台や広島といった地方都市では
落ち着いた絵が好まれます。
また、家のサイズが大きいので
大都市よりも大きい作品が
売れることも多いです。
売れる絵のモチーフ
売れる絵のモチーフは日本においては
花鳥風月+美人画である
という話をしましたが、伝統的な
日本画しか売れないというわけでは
ありません。
もちろん日本画も人気のジャンルですが
日本画でなくても
花の絵、動物の絵、風景画、
美人画(女性の肖像画)はよく売れます。
これもまた、やはり飾りやすい絵
だからで、来客の際に気軽に話題にできる
ような
日本人なら誰でも共感できるモチーフ
の絵は飾りやすいのです。
花鳥風月の絵の中でも特に売れるモチーフ
というのがいくつかあります。
バラの絵、猫の絵、水辺の風景画
このあたりの絵は本当によく売れます。
売れる絵と売り絵の違い
売れる絵の特徴が見えてきたでしょうか?
花鳥風月のような伝統的なモチーフ
の絵を【売り絵】として揶揄する方が時々
いらっしゃいますが、
そもそもアートというものは、その時代の
ほとんどの人が理解可能なものであるはず
なのです。
例えば、ヨーロッパやアメリカの人々は
幼いころから聖書の物語を聞いて育つので
糸杉=死、羊=犠牲、キリストなどの
象徴的な表現を読み取れるわけです。
もちろん、本当に専門家にしか読み取れない
ような現代アート作品もあるでしょうが
歴史に名を残すような作品はその時代、
その地域の人々が読み解ける、共感しうる
ものがほとんどなのです。
また、最近では、SNSのシェアの文化の
普及により
ハイコンテクストで難解な専門家にしか
わからないアートよりも
より多くの人が共感しうるシェアされる
作品が力を持つようになり
これまで、美の基準であった有名美術館
なども、このような前提を意識した
展示などをやるようになりました。
(MOMAがビョークの展示をやって
賛否両論を呼んだケースは象徴的です。)
多くの人が共感しうるモチーフを描いた
作品でも、強い作家性を感じる作品は
いくらでもあります。
花鳥風月を描いた途端、売り絵になってしまう
場合、【あなたにとっての売れる絵】の
スタイルの探求が、まだ足りていないだけ
なんだと思います。
売れる絵の額装とは
売れる絵のパターンだけでなく
売れる額装のパターンも存在します。
絵の売れやすさは絵自体だけでなく、
額縁との相性にも影響を受けます。
額縁もやはり【飾りやすい】物が良いので、
シンプルで暗いいろのものよりも、
華やかで明るい印象の物の方が好まれます。
作品の色彩との相性も重要で、
長年売れなかった絵が、
額縁を変えた瞬間に売れる
なんてこともあります。
売れる絵の価格設定
売れる絵の価格設定はどんなもの
なんでしょうか?
実際、絵の価格設定に関する質問を
受けることは多いです。
結論から申し上げますと
最も売れる絵の価格設定は4万円以下
の絵です。
4万円というのは、絵を買う方々に
とって、気軽に出せる金額であり
今日初めて出会った画家の作品にも
気に入れば払える金額のようです。
また、結婚式や新築の贈り物など
特別な日の贈り物としてもちょうどよい
お値段のようです。
(実際、これまでに何度か4万円の
予算で贈り物用の絵を描いたことが
あります。)
しかし、4万円の絵がよく売れるから
といって、4万円前後の小さい絵
ばかり描いていても仕方ありません。
絵画の制作というのは時間がかかります。
それに、絵画はしょっちゅう売れるわけ
ではありません。
そこで、本当に気に入ってくれた少数の
お客様に「安くない」お値段で提供する
という形をとらなければ、続けていけません。
実際、私も過去に絵を安売りしたせいで
絵が売れても売れなくても、時間とお金
が足りなくなるという状況になったことが
あります。
また、やや大きい作品(8号以上とか)
でも売れる作家になる必要があります。
8号で大きい作品というのに違和感を
持ったかたもいるかもしれませんが
販売を目的とした絵画の展覧会では
8号はやや大きい部類です。
例えば、8号の絵を描くのに4号の絵の
2倍くらい時間がかかる人はいないと思います。
小さい絵は売れやすいですが、時間効率が
あまりよくありません。
実際、私の価格設定では、SMサイズの作品は
1日半で描かないと、売れたとしても最低賃金を
割ってしまうということが
計算の結果わかりました。
有名な画家の絵は売れる
売れる絵の特徴で最も
典型的なポイントは
有名物故作家の作品です。
絵の売れやすさは絵自体だけでなく
作家の知名度や魅力にも影響を受けます。
残念ながら我々無名の作家の一点物
の作品よりも有名な物故作家の版画
の方が高い値段でよく売れるものです。
売れる絵を描く画家の特徴
売れる絵の特徴が見えてきたでしょうか?
知名度のある物故作家の作品は
かなり売れるのです。
しかし、我々、存命の作家にしか
できないこともあります。
それは作家の立場でお客様に
作品説明をするということです。
技法やモチーフ、制作にかける
思いなど、生きている作家にしか
語れないことを直接お客様に
解説する画家の絵はよく売れます。
絵がほとんど売れない理由
絵が売れない理由について
考えてみたことはあるでしょうか?
ほとんどの絵の展覧会では、
会期中会場には画廊のスタッフ
しかおらず、閑散としています。
画家が来るのは土日の昼間だけ
というパターンが多いです。
しかし会期中、ずっと会場に
作家がいる展覧会では
絵が良く売れます。
絵を買うお客様は作品
それ自体だけでなく、
作家がどんな人で、どのような思いで
作品を描いたのかに興味を持つ方も多いので、
作家自身が作品の説明をすると
作品が売れることも多いのです。
絵を売るためには在廊しよう
絵が売れないからといって
会期中ずっと会場にいるのは
大変かもしれません。
仕事を休む必要もありますし、
交通費もかかります。
しかし、駆け出しの画家には
おすすめです。
会期中ずっと会場にいることで
・絵を買う人がどんな人か
・絵が売れるのはどんな時間帯か
・自分にとっての売れる絵はどんなものか
といったことがわかるようになります。
是非、実践してみてくださいね。
売れる絵レポ、読者さんの成功の報告
売れる絵の特徴や、絵を売るための
展覧会の準備方法などなど
画家のための情報発信をブログや
メルマガで、これまで続けて来ましたが
最近では、多くの読者さんから
成功の報告や、喜びの声を頂ける
ようになりました。
中には、これまで1枚も絵が売れず
作家活動をあきらめようと思っていたが
メルマガで紹介した方法を実践したら
1回の個展で4枚も絵が売れました!
なんていう驚きの報告をしてくれた
画家さんもいらっしゃいます。
彼の行った展覧会準備方法について
インタビューさせていただいたので、
是非チェックしてみてくださいね。↓