どうも黒沼です。
さて、最近は続けて
西洋美術史シリーズを書いています。
美大に通う私が美術史の授業、教授の話
本で手に入れた美術史情報をアップして
いくので、チェックしてみてくださいね。
今回はロシア構成主義の美術
について解説します。
当時の音楽とともにお楽しみください。
目次
ロシア構成主義の有名な作品の特徴
ロシア構成主義とはロシア革命前から1920
年代にかけソ連で起きた前衛芸術運動です。
ピカソのアトリエでタトリンがコラージュ
技法に出会ったことをきっかけに作った
レリーフからこの運動は始まります。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/img_15-300x273.gif?resize=599%2C545)
タトリンは金属や木片など様々な素材から
レリーフを作り、これを構成と呼びました。
ロシア構成主義のレリーフは彫刻史上初の
完全抽象作品でした。
対象(モチーフ)の形に依らない、作者の純粋
な感覚から生まれた造形だったんですね。
構成主義の名前の由来はここにあるんですね。
構成主義も当時流行したシュプレマティスム
同様、対象(モチーフ)の再現を目的としない
という造形理念を持っていました。
構成主義では鉄やガラスといった工業生産物
を利用し、生活をより実際的に良くする
社会的効用のある造形として広まります。
ロシア革命後をこのようなロシア構成主義の
社会改良的理念が評価され
美術政策の中心に据えられました。
このため、当時のソ連ではロシア構成主義の
価値観がデザイン、舞台美術、建築など
幅広い分野に採用されました。
より良い世界へ向けた芸術と科学技術の
調和が目指されたんですね。
当時の理念を体現した作品として、
↓の第3インターナショナル記念塔モデルは
実際建設されませんでしたが、非常に有名です。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/664038ff-s-241x300.jpg?resize=597%2C743)
実現すれば400メートルにもなるこの記念塔
は螺旋状に上昇するイメージが社会主義の
理想と未来を表現しています。
しかし1930年代に入り、スターリン独裁
が始まると、ロシア構成主義を含む
前衛芸術運動は終息し、社会主義リアリズム
へ移っていきます。
ロシア構成主義の有名な作家
ウラディミル・タトリン
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/tatlin-relief-1912-255x300.jpg?resize=618%2C727)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/img_15-300x273.gif?resize=630%2C573)
ナウム・ガポ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/mig-1-198x300.jpg?resize=622%2C942)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/img_19_m-241x300.jpg?resize=622%2C774)
アレクサンドル・ロトチェンコ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/f0699965-s-233x300.jpg?resize=627%2C807)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/01/395973e4-s-250x300.jpg?resize=628%2C754)
まとめ
今回はロシア構成主義を紹介しました。
ロシア構成主義の特徴はまとめると
・社会主義の理想や未来を表現した。
・芸術と科学技術の調和を目指し、 効用のある作品を目指した。
といった感じですね。
次回はデ・ステイルについて
紹介します。
それではまた。
↓西洋美術史についてはコチラ↓
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/06/画家と美術史-300x176.jpg?resize=725%2C422)