どうも、受注制作の締め切りと
広島の展覧会の準備でてんやわんやの黒沼です。
同時進行でいろいろやるのは大変ですね~
ブログの更新もやったりやらなかったり
になっちゃっているわけですが、
今日は書きます!
古代ギリシャから始まった
西洋美術史シリーズも、
だいぶ進んできました。
(全20回完結くらいのイメージです)
今回はロココ期の美術について解説します!
当時の音楽とともにお楽しみください。
目次
ロココ美術の絵画や建築の特徴
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/e0187908_042424-212x300.jpg?resize=330%2C467)
18世紀、当時のフランスでは
ルイ14世の威圧的な壮麗さに対する
反動として、開放的なものが
求められていました。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/jean_fragonard1-234x300.jpg?resize=377%2C483)
この好みを反映したフランス貴婦人
好みの室内装飾からロココ様式は
始まりました。
(ロココは室内装飾に用いられた
貝殻状の人口石のロカイユに
由来するようです。)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/0061-261x300.jpg?resize=487%2C560)
そのためロココ様式は女性的で
曲線的、享楽的なのが特徴で、
当時の貴族の感じていた
甘い倦怠感を表現しています。
ロココ様式の時代、イギリスでは
貴族文化が根付かず、
イタリアは観光地化していました。
そのため、ロココ様式は主に
フランスで展開したようです。
ロココ期の有名な画家は4人?
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/ray.jpg?resize=728%2C580&ssl=1)
ロココ期には、画家が4人しかいなかった
というわけではありません。
ロココ期はルネサンス、バロック
と比べ、評価の低い時代です。
そんな中でもおぼえておきたいのが、
ヴァトー、ブーシェ、
フラゴナール、シャルダンです。
フランスでは当時発展してきた
美術アカデミーのおかげで、
優れた技術を持つ画家が出てきました。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/img_7-188x300.jpg?resize=328%2C523)
しかし、当時社会で影響力を
持っていた人たちは
こういうセンスのひとたちでした。
そこで、素晴らしい仕上がりの
軽薄なテーマの絵画が
数多く作られたんですね。
ロココ期の貴族の合コン描いたヴァトー
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/07cythe1-300x199.jpg?resize=571%2C379)
↑こちらのヴァトーの作品
「シテール島の巡礼」は
哀愁を感じるいい絵ですが、
貴族の合コンを描いた絵だそうです。
ロココ期のファッションを絵画にしたブーシェ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/0061-261x300.jpg?resize=409%2C470)
↑こちらの肖像画はブーシェによるもの。
当時の貴族のファッションが楽しめますね
ロココ期の有名な絵画「ブランコ」を描いたフラゴナ―ル
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/jean_fragonard1-234x300.jpg?resize=404%2C518)
↑こちらはフラゴナールの「ブランコ」
左下の貴族の青年が少女の
スカートの中を覗いています。
当時、スカートの中を覗く青年という
モチーフは良く描かれたそうで(笑)、
この絵画は左下の青年が
制作依頼したようです。
ロココ期で最も有名な画家はシャルダン?
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/ray-300x239.jpg?resize=496%2C395)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/d2d3be5b-300x235.jpg?resize=495%2C388)
↑こちらはシャルダンの絵画です。
シャルダンはロココ期の画家で
例外的に評価の高い画家でした。
当時の多くの画家が「貴族の甘い倦怠感」
をモチーフにしたのに対し、
シャルダンは「市民の慎ましい生活」
を描きました。
私もシャルダンの絵画が大好きで、
よく模写をしました。
ロココ期の重要人物美術批評の元祖 ディドロ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/Juventus_Diderot.jpg?resize=408%2C507)
美術批評が始まったのは
この時代のようです。
美術批評の元祖と言われるのが、
百科全書の編纂でも有名な
ディドロです。
当時は啓蒙思想が流行し、知識を特権階級
の独占物から、市民へ開放する運動が
盛んでした。
それで、百科全書が作られたんですね。
絵画の良さを言葉で雄弁に語る
美術批評も、この時代に生まれたようです。
彼はシャルダンを評価した
シャルダン論で有名です。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/chardin__lapin_mort_et_attirail_de_-237x300.jpg?resize=372%2C471)
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/Water-Glass-and-Jug-300x238.jpg?resize=379%2C301)
この時代の絵画はルネサンスやバロックと比べ、
「堕落した時代」と言われていました。
そんな時代、シャルダンという才能
を発掘したのがディドロだったんですね。
ディドロのおかげで、
「ロココは堕落した時代。
でもシャルダンは別だよね」
と今でも言われているんですね。
ロココ期の有名人ルブランは美人すぎる画家?
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/img_1-1-236x300.jpg?resize=404%2C514)
「パンがなければ、ケーキを食べれば良い」
と言ったかもしれない
マリーアントワネットも
この時代の人でした。
マリーアントワネットには
お抱えの女性画家がいました。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/spc04-03_img_04.jpg?resize=430%2C503)
それが、美人すぎる画家?の
ヴィジェ・ルブランです。
彼女は画家の父を持ち、幼少期から
アトリエで絵を描いていました。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/img2221fc17zik3zj-300x292.jpg?resize=484%2C471)
また、画商と結婚し、フェルメールや
ホルバイン、ムリリョといった名画
に囲まれて暮らしていました。
この時代、フランスは美術アカデミーが発達し、
優れた技術を持つフランス人画家が登場します。
この頃の美術アカデミーでは、
男性ヌードモデルのデッサンが
必修であったため、女性画家は入れませんでした。
そのため、女性画家はとても珍しく、
その分ルブランの才能が
ずば抜けていたことがよくわかります。
彼女はマリーアントワネットの失脚により、
職を失い、怒れる群衆から逃げるため
ヨーロッパ各地を転々としていました。
お金に困ったルブランは
自画像を描いては売って
暮らしていたようです。
(自画像がやたら多いのは
そのためなんですね)
さすが美しすぎる画家ですね。
ロココ期の絵画の特徴まとめ
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2017/11/img_7-188x300.jpg?resize=392%2C626)
今回はロココ期の美術
について解説しました。
優雅でユニーク(笑)なセンス
の貴族の文化は見ていて
とても面白いですね。
ルネサンスやバロックと比べ
「堕落した時代」と評されること
も多いロココ期ですが、
たくさんのみどころがあると思います。
ロココ様式の特徴をまとめると
・貴族の甘い倦怠感を表現
・やや軽薄と捉えられやすい
という感じですね。
次回は新古典主義について紹介します。
それではまた。
↓西洋美術史についてはコチラ↓
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/06/画家と美術史-300x176.jpg?resize=725%2C422)