[西洋美術史]ルネサンス美術の有名作品や画家を解説

どうも 絵画をたしなむ
を運営する画家の黒沼です。

これまで、記事を書いてきて

 

画家の名前を引用して説明したり
することが結構あり、

話が専門的になりすぎる

ということが気になっていたので、
これから西洋美術史についての
記事を易しく書いていこうと思います。

 

初心者でも、玄人でも楽しめる記事
を目指して頑張って書いていきたい
と思います!

今回は盛期ルネサンス美術
について解説します!

 

当時の音楽とともに
お楽しみください!

 

目次

ルネサンス美術の作品の特徴

盛期ルネサンスとは、
15世紀末から16世紀にわたる時期です。

30年ほどの短い間に、ずば抜けた才能
を持つ画家が登場してきます。

 

ルネサンス3大巨匠として有名な

レオナルドダヴィンチ

ミケランジェロ
ラファエロ

を中心とした画家たちです。

 

彼らはルネサンスの規範であった
自然と古代を超えるレベル
作品を生み出しました。

彼らの作品の完成度の高さから、
この時代を最高の時代とする

みかたは19世紀末まで続いたようです。

 

ルネサンス美術の有名な画家

今回はフィレンツェやローマを中心に
活躍したルネサンス3大巨匠と、

同じころヴェネツィア
活躍した画家について紹介します。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチ

線遠近法によるリアルな空間

万能の天才として知られるレオナルドダヴィンチは勿論、
当時最新技術であった

線遠近法(パースペクティヴ)を取り入れ
描いていました。

 

それまでの絵画の多くが、シーンの状況説明でした。

これに対し、ダヴィンチの作品は、
鑑賞者のいる空間とつながってみえるような
臨場感のある絵画を描きました。

 

最後の晩餐 も線遠近法をもちい、
キリストと鑑賞者が同じ部屋にいるか
のような演出がなされています。

 

登場人物を三角形に配置した三角構図も有名

 

ダヴィンチといえばスフマート技法(空気遠近法)

ダ・ヴィンチは線遠近法のみならず、
空気遠近法も用いました。

「ものに輪郭は存在しない」という
彼の名言を絵画上で実現する技法で、

薄く溶いた絵の具を何層も重ねて
柔らかいぼかしを作りました。

 

万能人 レオナルドダヴィンチ

レオナルドダヴィンチはまさに
ルネサンス的天才「万能人」でした。

万能人は当時、理想とされた人間像で、
職業にとらわれず、

普遍的な知恵を持つ天才のことです。

 

画家、彫刻家、科学者、リラ奏者、
兵器デザイナーなどなど

レオナルドダヴィンチは様々な
肩書きをもっていたようです。

レオナルド・ダ・ヴィンチについて詳しくはコチラ

ミケランジェロ

ミケランジェロは生粋の彫刻家

レオナルドが芸術の他に科学や工学など
様々な分野に進出したのに対し、

ミケランジェロは芸術(特に彫刻)
に専念しました。

 

ミケランジェロは「肉体は魂の牢獄」
という当時はやった、新プラトン主義
の思想を彫刻で体現しようとしました。

石に閉じ込められた神の意思を
余分な意思を取り除くことで、
自分が解放する

 

これを通して、彫刻家は神のような
創造が可能だと考えていたようです。

ミケランジェロは自信家で頑固者?

ミケランジェロは教皇メディチ家など、
当時の極めて有力な人間から
制作依頼を受けていました。

権力者に屈しないミケランジェロの自信と
頑固さが垣間見える面白いエピソードが
いくつかあります。

 

有名なダヴィデ像の鼻の高さが
気に入らなかった教皇は、

制作中のミケランジェロに
鼻を低くするよう命じます。

 

これに対し、ミケランジェロは
教皇は何もわかってない と思い、

生返事で応え、大理石の粉を
ばらまきながら、ノミをふるい、

鼻を削るフリをして
誤魔化したようです。

 

この誤魔化しに気付かなかった教皇は、
何も変わっていないのに、

良くなった」と喜んだようです。

 

また、壁画の進み具合について
「いつ終わるのか?」と教皇が尋ねた
教皇に対し、

「私が出来るときにできる」
と言い張ったようです。

 

ミケランジェロはマッチョが大好き?

ミケランジェロは男性の肉体こそ美しい
と考えていたようで、

女性の彫刻も男性をモデルにつくった
ようで、女性もマッチョです。

 

男性の肉体美をみせるべく、
最後の審判には、凄まじい数の
男性の裸体が描かれました。

 

あまりに裸体が多かったため、
後に他の画家がふんどしを描き足す
という尻拭いをさせられたようです。

それ以来その画家はふんどし画家
と呼ばれたそう。 かわいそうに…

 

ラファエロ

ラファエロは美人が大好き?

「美人を描くには美人を
たくさん見ないとね」

byラファエロ

教皇からも弟子からも女性からも
モテモテだったラファエロは

ミケランジェロとは対照的に、
美しい女性の肖像画で有名です。

聖母子の画家ともいわれた
ラファエロはたくさんの聖母子像を
残しています。

 

ラファエロはルネサンス期の超優等生

ラファエロはレオナルドやミケランジェロ
の良い部分をとりいれ、総合し、

ルネサンス様式を完成させた画家
としても有名です。

 

先人の優れた様式をとりいれ、
総合したんですね。

そのおかげか、ラファエロは
その後の時代、最も優れた画家、

最も手本とすべき画家と
考えられたようです。

 

線遠近法を取り入れた アテネの学堂

レオナルドの三角構図
取り入れた聖母子像

ミケランジェロのような力強い肉体表現

 

ラファエロは後の時代の画家のお手本になった

19世紀イギリスではラファエル前派
というグループが登場しますが、

これは、当時のアカデミーがラファエロを
芸術の頂点とし、画家に手本とさせており、

これに反抗する形で生まれた
グループだったんです。

 

↑ラファエル前派の画家ミレーのオフィーリア

↑ラファエロ以前の偉大な画家
ファンエイクの草木の表現

アカデミーはラファエロを最高というけど、
ラファエロ以前の絵に戻ろう

というのがラファエル前派の主張
だったんですね。

そのくらい長きにわたり、美術史の中心に
ラファエロは君臨していました。

 

ルネサンス美術:ヴェネツィア派の作品の特徴

 

ヴェネツィア派は色彩が命

レオナルドやミケランジェロ、ラファエロが
フィレンツェやローマで活躍していた頃、

ヴェネツィアでも優れた画家が登場します。

 

レオナルドたちが線描(デッサン)を中心に
絵画を組み立てました。
(彼らはフィレンツェ派と呼ばれます)

これに対し、ヴェネツィア派の画家たちは
色彩を中心に絵画を組み立てました。

 

具体的には、フィレンツェ派の画家たちは

線描で入念に構図を決め、モノトーンで
立体感を出してから、色を塗る

という極めて計画的なプロセスで
描いていました。

 

これに対しヴェネツィア派は、
画面にいきなり絵の具で色を置きます。

制作途中でも自由に構図を変更し、
描きながら考えるような
描き方をしていました。

 

このおかげでフィレンツェ派以上に
豊かな色彩、のびやかな筆のタッチ
の作品が多いんです。

 

この頃のヴェネツィアでキャンバスが登場

フィレンツェ派の多くの絵画は
この頃に描かれていました。

板絵は緻密に描くのに向く反面、
画面の重さや、板の反りなどが原因で、

大きな作品に向きませんでした。

 

港町であったヴェネツィアでは、
帆船の帆の麻布を木枠に張って、

キャンバスを作り、
絵が描かれました。

 

海洋貿易で成功した商人が
大きな絵を依頼し、

ヴェネツィア派の画家がキャンバス
に描いて納めた んですね。

 

ヴェネツィア派の技法について詳しくはこちら

 

絵画の依頼主が教会ではなく、

商人などの一般人であったことから、
ヴェネツィア派の絵画は田園風景など
世俗的なテーマが多いです。

ルネサンス美術:ヴェネツィア派の有名な画家

ジョルジョ―ネ

ティツィアーノ

 

盛期ルネサンス美術の特徴まとめ

今回はダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ
など盛期ルネサンス期の画家について紹介しました。

その後の画家のお手本となる多くの作品が生まれた、
西洋美術史上の黄金時代が

盛期ルネサンス期だったんですね。

 

天才芸術家だけあり、ユニークなエピソード
も多く、とても面白い時代だと思います。

盛期ルネサンスの特徴をまとめると

・三大巨匠の活躍

・遠近法、明暗法、三角構図など後の規範となる技法が確立

・線のフィレンツェ派と色彩のヴェネツィア派の活躍

という感じですね。

 

次回は、イタリアルネサンスと同じころ、
ドイツやオランダなどで花開いた、

北方ルネサンスについて紹介します。

それではまた

↓西洋美術史についてはコチラ↓

 

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