どうも 黒沼です!
今日は実際に絵を飾ると、あなたの
お部屋がどう変わるのかを
額縁、色、照明の3点から
紹介していきます。
あなたの好みのインテリアの実例を
是非見つけてみてください!
目次
【インテリア別】部屋にあう額縁の種類の選び方
一口に額縁と言っても、
様々なデザインの額縁がありますね!
デザインの種類が多い分、
自分の部屋にはどんな種類、
どんなサイズの額縁があうのか
悩んでしまいますね。
今回は美術館の歴史という側面から
額縁の種類を紹介しようと思います。
展示場所(美術館)のデザインと
額縁のデザインは対応しているんです。
そこで、美術館の歴史を紐解けば
どんな部屋にどんな額縁が似合うか
がわかるんです。
では早速行きましょう!
【インテリア別】部屋にあう額縁の種類の選び方ー洋間の場合
最初期の美術館はもと宮殿でした。
近代以前(ピューリタン革命、名誉革命
、フランス革命などの市民革命以前)の
ヨーロッパでは一部を除き、
絵画=王侯貴族の独占的なコレクション
でした。
16世紀のヴェネツィアや
17世紀のオランダ等、
貿易で富を得た一部の商人以外の
庶民は絵画をコレクションしたり
できなかったわけです。
フランス革命などの市民革命が起き、
王権が倒れ、宮殿が解放されます。
すると、市民たちがそれまで特権階級
が独占して楽しんでいた
美術のコレクションを
鑑賞できるようになるわけです。
このような最初期のもと宮殿タイプの
美術館の代表がルーブル美術館です。
さてようやく本題の額縁のお話です!
王様のコレクションであった最初期の
絵画は
豪華な装飾を施され、金箔が
貼られたようなものでした。
このようなタイプの額縁は額屋では
「ルイ調」などと呼ばれています。
フランス絶対王政期のルイ王朝風の
額縁というわけですね。
そんなデザインの額縁はやはり、
クラシカルな雰囲気のお部屋と
相性が良いかもしれません。
インテリアのイメージは
こんな感じでしょうか。
【インテリア別】部屋にあう額縁の種類の選び方ーモダンな部屋の場合
市民革命をへて、近代に入ると、
もと宮殿タイプの美術館に代わり、
ホワイトキューブタイプの
美術館が出てきます。
ホワイトキューブとは床も壁も平らで
真っ白でシンプルな箱型の空間です。
現在の多くの画廊がこれにあたります。
市民社会の個性豊かな庶民の中から
でた「天才」芸術家の「作品」を
「純粋」に「芸術鑑賞」する美術館が
ホワイトキューブというわけです。
「芸術作品」「それ自体」を「純粋」
に「鑑賞」するため、
額縁の装飾はとてもシンプル
または額縁はつけないで飾るのが近代風
のようです。
「」内の語は全て
近代に生まれた概念のようです。
額縁がシンプルなのは、産業革命以後
モノづくりの担い手が
職人から工場に代わった
ということもあるようです。
工場で大量生産されたシンプルな
規格パーツを、
だれでも簡単に組み立てれば作れる
「民主的な」額縁というわけですね。
私が訪ねたモダンアートの牙城の
ニューヨーク近代美術館(moma)も
ホワイトキューブタイプの美術館で、
額縁に入っていない作品も
多くありました。
そんなシンプルな額縁を飾るなら
やはりこんな感じでしょうか。
さっきよりも見慣れた感じですね。
こういうインテリアに似合うからか、
最近、都内のギャラリーや百貨店では
若手作家を中心に「箱額」という
下のようなシンプルなデザインの
額縁をよく見かけます。
現代よく見る家屋の外観、インテリア
は大正モダニズムというスタイルの
影響が多いようです。
大正時代、日本は第一次世界大戦で
戦勝国となり、空前の好景気を
迎えていました。
そこで、多くの伝統的な日本家屋は
姿を消し、
今見るような、シンプルでモダンな
デザインの家屋が多く
建てられたようです。
イタリアなど多くのヨーロッパの街
には下の画像のような、
近代以前の区画整理されていない、
入り組んだ旧市街が残されています。
日本は地震が多いことに加え、
大正時代に大規模な建て替えが
行われた結果、そんな街並みは
あまり残っていないようですね。
美術館はこのあとポストモダン
の時代を迎え変化していきます。
ホワイトキューブのようなシンプルな
作品を生かすためのデザインから
打って変わって、建物自体が強く
主張するような奇抜なデザインの
美術館が現れます。
代表例はニューヨークの
グッゲンハイム美術館や
ビルバオのグッゲンハイム美術館です。
ニューヨーク グッゲンハイム美術館
ビルバオ グッゲンハイム美術館
これらの美術館は奇抜なデザインの
観光名所としての役割をもっています。
観光と芸術鑑賞がセットになった
アートツーリズムという潮流
として紹介されることが多いです。
【インテリア別】部屋にあう額縁の種類の選び方ー和室の場合
最後に日本画やポスター、デッサンなど
紙の作品を飾るのにむいた
デッサン額を紹介します。
西洋由来の重厚な絵画を飾るのに向く
油彩額は分厚いのに対し、
デッサン額は薄く、軽い上、
デザインもシンプルなものが多いです。
そのため
場所を選ばず気軽に飾れるのが
デッサン額のメリットだと思います。
私も部屋にデッサン額で
額装された日本画を飾っています。
油彩額に比べて軽いので、 ダルマ鋲一本で気軽に壁掛けできるんです 。
【インテリア別】部屋にあう絵の選び方ー色彩編
さてお次は「色彩」を切り口に
心理的効果にも触れつつ、
絵を飾ることについて
考えてみようと思います。
赤い絵を部屋の壁に飾りたい場合
「赤が好き」、「赤い絵を飾りたい」
そんな貴方は行動力があり、
情熱的、感情的になりやすい
かもしれません。
赤には時間が経つのを遅く感じさせる
心理的効果があるようです。
(30分を1時間に感じさせるなど)
そのためレストランなど回転率を
上げたいお店のインテリアは
赤系が使われることも多いようです。
また赤系は食欲をそそる効果も
あるため、多くの飲食店の看板には
赤系の色が使われるようです。
今回はそんな、時間を遅く感じさせ、
食欲をそそるかもしれない、
赤い絵画を描いた画家を紹介します。
アンリ・マティス(1869~1954)(フランス)
色彩の天才として有名な画家、
マティスは赤い絵画をよく描きました。
↑の絵は「赤の食卓」という絵画ですが、
最初は緑の絵画でした。
後に青の絵画になり、最終的に
赤い絵画になったようです。
色彩の天才も試行錯誤して
作品を仕上げたんですね。
マティスの生きた時代のアート
について詳しくはコチラ
バーネット・ニューマン(1905~ 1970)(米)
とにかく大きい絵画ですね。
赤い巨大な色面に何本か線が
引いてあります。
線の位置関係はダヴィンチの
受胎告知と対応しているそうです。
当時のアメリカではこのような広大な
色面を用いた絵画
カラーフィールドペインティング
が流行していました。
自然が厳しい地域
(ロシアのロシア構成主義など)や
心の荒んだ時代(戦後のアメリカ)には
このようにミニマルな作品が
流行るそうです。
逆に自然豊かな地域(イタリアとか)、
豊穣な時代には、人体像など有機的な
図像がたくさん描かれた
絵画多く描かれるそうです。
ニューマンの生きた時代の
アートについて詳しくはコチラ
青い絵を部屋の壁に飾りたい場合
「青が好き」、「青い絵を飾りたい」
そんな貴方は冷静で、物静か、
上下関係を重んじる
かもしれません。
青には時間が経つのを早く感じさせる
心理的効果があるようです。
(1時間を30分に感じさせるなど)
この効果を生かし、待合室などには
青いインテリアが
使われることがあるようです。
今回はそんな、時間を早く感じさせる
青い絵画を描いた画家を紹介します。
イブ・クライン(1928~1962)(フランス)
一見、完全な抽象画に見えますが
この作品は体中に青い絵具を塗った
女性モデルがキャンバスに体を
押し付けて描かれた(?)絵画なんです。
イブ・クラインは、年を重ねるごとに
青への愛着が増していき、
晩年は青一色の絵を描きました。
パブロ・ピカソ(1881~1973)(スペイン)
天才の代名詞ピカソさんです。彼は
ガールフレンドが変わるごとに
作風を変えていったとよく言いますが、
「青の時代」という青い絵画ばかりを
描いていた時期があります。
(初期ですね)
これ以降「バラ色の時代」→
「新古典主義の時代」→「キュビズム」
↑ざっくりです
とどんどん様式を変えていきます。
ピカソが生きた時代のアート
について詳しくはコチラ
他にも「東山ブルー」といわれるほど
青を好んだの東山魁夷や、
ラピスラズリで湖面を描いた
大西博先生(昔の芸大の先生です)も
素敵ですよ
日本の部屋の壁にあうのは何色の絵なのか?
さて、ここまで色彩の持つ効果について
書いてきましたが、
お次はこぼれ話として民族ごとの色彩
の好みについて書いてみようと思います。
以前、色彩理論の本で
面白い話を見つけました。
どうやら、民族ごとに好みの色が
違うようなのです!
日本人は比較的、カラフルな配色を
好むようです。
逆に同じアジア人でも、中国人は
白っぽい色を好む傾向があるようです。
下の画像は平安時代の大和絵と、
13世紀の中国の水墨画です。
(中国絵画の主流は水墨表現です。)
「白紙(894)に戻そう遣唐使」以来、
中国から使者が来ていない」
平安時代は「国風文化」という
大陸からの影響の薄い
日本独自の文化が生まれました。
この時代「日本らしいもの」が多く
生まれます。
大和絵もそのひとつです。他に
わかりやすい例では十二単があります。
とてもカラフルな衣装ですね。
カラフルな大和絵も描く日本に対し、
中国絵画の王道は水墨によるモノクロ
の表現であったようです
紙の白さを生かした山水表現が中国人
の色彩の好みに反映されているの
かもしれませんね。
色彩を効果的に使った描き方について
詳しくはコチラ
【インテリア別】部屋にあう絵の選び方ー照明編
おしゃれな絵画をおしゃれに飾っている
おしゃれなお店やギャラリーでは
照明を効果的に用いて
空間を演出しているようです。
照明の種類は大まかに
3種類に分けられます。
蛍光灯、LED、白熱灯の3つです。
今回はこれらのそれぞれの特徴を
解説してみようと思います。
蛍光灯は寿命が長く
消費電力が安いようです。
発光効率が良く、白っぽい光が特徴で、
部屋をとても明るく照らします。
このため蛍光灯は
オフィスやアトリエなど、
集中力や細かい作業の求められる空間
に向いているようです。
LEDは3種類の照明の中で最も
新しい照明です。
日本人が青色LEDを発明したニュースは
記憶に新しいですね。
LEDは蛍光灯よりも、さらに寿命が長く、
消費電力が安いようです。
LEDは部屋をとても明るく照らします。
ただし電球の価格が比較的割高です。
蛍光灯とLEDには白い光の昼光色と、
黄色い光の電球色があります。
それぞれ昼光色は発光効率が良く
(電力消費の割に明るく照らせる)
電球色は演色性が高い
(自然な光を演出できる)
という特徴があるようです。
そして最後の白熱灯は消費電力が高く
寿命が短いという特徴があります。
その代わりに、とても高い演色性を
持っています。
電球色の蛍光灯、LED以上に
自然で雰囲気のある光を演出できます。
私が前に展示したカフェギャラリー
(上の写真)でも白熱灯で
店内が演出されていました。
また、百貨店の美術画廊でも照明の
多くは白熱灯のようです。(下の写真)
他にも毎回私が絵画の撮影を頼んでいる
カメラマンのスタジオでも、
黄色やオレンジの照明を使って
撮影しているようです!(↓)
絵画に関係する空間や、おしゃれな
演出をしている空間はどうやら、
電球色の照明や、白熱灯などの高い
演色性の照明を
つかっているようですね。
私もモチーフを描く時の
スポットライトは電球色の
蛍光灯を使っています。
人間は狩猟時代の記憶から炎を見ると
リラックスしてくつろげるようです。
炎があれば、猛獣に襲われないし、
凍えないからでしょうね
炎のような黄色からオレンジに変化する
暖かい光をおしゃれな
カフェギャラリーや百貨店の画廊、
撮影スタジオでは効果的に用いて
落ち着ける空間を
演出しているのかもしれません。
まとめ
今回は実際に絵を飾ると、
あなたのお部屋がどう変わるのかを
額縁、色、照明の3点から
紹介してみました。
あなたの好みの
インテリアコーディネートは
見つかりましたか?
あなたも絵画でお部屋をワンランク上の
空間にしてみませんか
↓絵の飾り方についてはコチラ↓