今回は、伝統的な技法でも特に難易度の高い
黄金背景技法と
Photoshopによる画像処理を併用した
普段の私の制作プロセスの全てを
動画で解説いたします。
是非チェックしてみてください。
目次
Photoshopで画像処理をして下絵を用意
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/07/金 バラ-222x300.jpg?resize=222%2C300)
まずはじめに描くモチーフの写真を撮ります。
私は花を描いているので、バラ園に取材に
行ったり,家で花瓶に生けてスポットライトを
当てて撮影したりして用意します。
写真が用意できたらphotoshopを使って
画像を3段階の明度に塗り分けます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/07/スケッチps-300x169.png?resize=300%2C169)
それぞれの明度に最適な彩度、色相の色を
あてこんで、下絵とします。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/07/夕日を3色で見たら?-300x169.png?resize=300%2C169)
夕日は3色で表現すると、このような
明度、彩度、色相になることが多いです。
この3色を、モチーフの写真の3段階の明度に
当て込むことで、
モチーフに夕日が当たっているような
下絵を用意できます。
今回は夕日の設定なので、
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/07/3色表-300x57.png?resize=300%2C57)
明るいゾーンを鈍い黄色
中間の明るさのゾーンを鮮やかなオレンジ
暗いゾーンをやや鮮やかな赤(赤紫)
で下絵を作りました。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/07/金 バラ エスキース-222x300.jpg?resize=222%2C300)
この下絵を完成イメージに据えて
制作を進めていきます。
石膏地塗りの準備と金箔の貼り方
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/07/bf53ce5e35261ad65312a0e8423284bc1-242x300.gif?resize=242%2C300)
今回の技法は黄金背景技法という、
中世のヨーロッパの教会の祭壇画
で使われた伝統的な技法です。
板に金箔を貼って、メノウで磨いて
光らせる技法なのですが、
今回はより箔をかがやかせるための、
硬い石の地塗りを作ります。
材料はボローニャ石膏、チタニウムホワイト、
魚膠、シナベニヤパネル、寒冷紗
です。
石膏の地塗りをした板に、アクリル絵の具を
1層塗ってメノウで磨いたら
金箔を貼っていきます。
たっぷり膠水を引いた上に
金箔を押します。
金箔が押せたら、パネルを立てて置き、
膠水を逃がすことで箔が張り付きます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/07/真綿-300x225.jpg?resize=300%2C225)
真綿という繊維の長い綿で表面を抑えると
よりしっかりと、箔が定着します。
3時間乾燥させたら、
メノウで磨いていきます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/07/image4-169x300.jpg?resize=169%2C300)
メノウ棒という
箔を磨くための道具を使います。
根気よく磨いていくと、
鏡のような仕上がりになります。
材料や道具が多く、複雑な技法なので、
詳しくは動画で確認してみてください。
このプロセスで使った材料
不透明なアクリル絵の具で立体的に描く
図像の部分を、アクリル絵の具で
描いていきます。
序盤は、立体感や、光の当たり具合を
再現するために、
不透明な絵の具で、明暗を重視して描きます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/07/金 バラ エスキース- 明るめ鈍め-222x300.jpg?resize=222%2C300)
このように完成イメージよりも、やや明るめ、
やや鈍めの色で描くのがポイントです。
このプロセスで使った材料
半透明なアクリル絵の具で、鮮やかに仕上げる
不透明な絵の具でしっかりと立体感、光の印象
がでてきたら、
半透明な絵の具を上からセロファンを
貼るようにかけていきます。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/07/色相環-294x300.png?resize=294%2C300)
今回は夕日のような光のイメージなので
黄色→オレンジ→赤→赤紫
という風に、明るい色から順番に
かけていきます。
半透明な絵の具をかけていくと
はじめに再現した立体感や、
光の印象が弱まることが多いです。
また、鮮やかになりすぎて
不自然になることも多いです。
このため、黒を混ぜた半透明な色を使って、
暗い部分の色の鮮やかさ、暗さを
微調整していきます。
今回は夕日のような光の設定なので
明るい部分が鈍く、黄色っぽく
中間の明るさの部分が
とても鮮やかなオレンジ色で
暗い部分がやや鮮やかに、
赤紫色になるようにしました。
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/07/3色表-300x57.png?resize=300%2C57)
この複雑な色彩の理論も動画でも
図解していますので、
是非チェックしてみてください。
コチラ↓是非ご覧ください。
ちなみに、私は金箔だけではなく黒箔という
硫化銀の箔も使うことが多いです。
黒箔は金箔とは違った渋い光沢
もあって魅力的なんですよ。
↓是非黒箔の光沢もチェックしてみてください!
このプロセスで使った材料
額装のやり方
私はボックスフレームというタイプの
額縁を使っています。
ボックスフレームは4隅が切れず、
画面全体が見せられ、モダンな空間にも、
フォーマルな空間にも合わせやすい
というメリットがあります。
現在、若い作家の間で
使っている者も多い額です。
ボックスフレームは、
付属の板に裏から作品を
ネジ止めして額装します。
付属の板には、ハイミロンという
高級な布を貼り、アクリル板には
静電気防止スプレーをコートしています。
ボックスフレームの額装は
工程が複雑なので、動画を是非ご覧ください。
このプロセスで使った材料
↓画材や技法についてはコチラ↓
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/06/絵の具と道具-300x176.jpg?resize=725%2C422)
↓絵の飾り方についてはコチラ↓
![](https://i0.wp.com/kurohaku.com/wp-content/uploads/2018/06/絵のある暮らし-300x176.jpg?resize=725%2C422)