ギャラリーストーカーという
都市伝説を皆さんはご存知でしょうか。
今回は展覧会の風物詩ともいえる
ギャラリーストーカーについて
お話しします。
女性作家の参加する展覧会の場合、
1週間に少なくとも2,3人は
お目にかかる
ギャラリーストーカーの正体とは!?
友人の女性作家からの目撃情報や
被害報告をもとに
傾向と対策を解説していきます。
目次
ギャラリーストーカーとは
ギャラリーストーカーとは、コレクターを
装って女性作家に近づき、
個人情報を聞き出す、
2人で食事に連れていく、
1日中連れまわす、
それ以上…
と様々な悪事を働く方々のことです。
実際に以前はコレクターを
やっていたが、作品購入後、
女性作家に感謝される気分
が忘れられず
「昔は買っていた…」
と言って購入をほのめかして、
長らく居座る(実際には購入しない)
闇堕ちパターンの元コレクターも
いらっしゃいます。
ギャラリーストーカーの手口
ギャラリーストーカーの様々な
手口を紹介していきます。
女性作家に辛口講評会を開く
女性作家のいる展覧会では、頼んでも
いないのに時代錯誤な美術批評を展開して、
長時間、作品講評を装った人格攻撃を
展開するオジサマがいらっしゃいます。
部外者として隣で聞いている分には、
なかなか滑稽なエンターテインメント
なのですが、
からまれている女性作家としては
面倒なものです。
作品を購入してくださったお客様の
批評はもちろん、真摯に受け止め、
制作に役立たせて頂きましょう。
ですが、作品を買わずに延々と
批判してくる方の日頃の憂さ晴らしに
付き合って差し上げる必要はありません。
女性作家に自分語りを始める
平日の昼間っから、ギャラリーにいるのに
「自分はものすごい仕事をしている。」
「自分は引っ張りだこで大忙しなんだ。」
という説得力のない自慢話を延々とする。
女性作家が興味がなさそうな話ばかりする
オジサマもいらっしゃいます。
そういうビジネス武勇伝は私のような、
理屈っぽい男にすべきなんです。
めっちゃ褒めますよ!
作品も買わず会場に数時間居座る
作家は購入を検討するお客様や、
「作品を」見に来てくれるお客様に
作品を説明するために会場にいます。
それなのに、作品を買わず、長話をして
作家を拘束する方がいらっしゃいます。
動かざること山の如しなのです。
作家はその方と話す間、様々な
チャンスを失い続けます。
足もしびれます。
勘弁してあげましょう。
女性作家にはりつく
女性作家に文字通り張り付く
方がいらっしゃるようです。
「記念に作品と一緒に写真を撮ろう。」
と言われて肩を抱かれた
という被害報告を実際に受けています。
作家はミッ〇ーマウスではありません。
勘弁してあげましょう。
女性作家の名刺を持ち帰り電話してくる
アプローチが電話なのが時代を感じますね。
女性作家はオジサマとの出会いを求めて
展覧会を開いているわけではないので、
勘弁してあげましょう。
女性作家を食事に誘う
作品を購入されたとしても、2人で
会おうとするのは明らかにアウトです。
もし、食事に誘われて断れない場合、
1人で行ってはいけません。
友人作家やギャラリースタッフと
一緒に行きましょう。
女性作家を家に来させる
作品を購入したら、何をやっても良い
と考える方がたまにいます。
作品に作家はついてきません。
作品鑑賞を楽しむのは素晴らしいことだ
と思いますが、作家を鑑賞するのは
やめましょう。
干渉するのもやめましょう。
ギャラリーストーカーに狙われる作家
ギャラリーストーカーに狙われて
しまう作家にはこんな方が多いんです。
「コレクターさんだったら
困るから丁寧に対応しなければ…」
「せっかく展示を見に来て
くれたんだから、ちゃんと
話を聞かなくてはいけない。」
こんなことを考える、真面目で
優しい女性作家ほど
ギャラリーストーカーに
つかまってしまいます。
実際、これまで何度か友人の
女性作家からギャラリーストーカー
についての愚痴を聞きましたが、
どの方もマジメで優しそうな
「断らなそう」な作家ばかりでした。
ギャラリーストーカーは目ざとく
「いけそう」な女性作家を
見つけるようです。
日本では「お客様は神様」ですが、
その相手が本当にお客様はなのか
どうか見分ける必要があります。
ひょっとしたら、今あなたが
話している相手は疫病神
なのかもしれません。
ギャラリーストーカーに絵を買われるということ
ギャラリーストーカーに絵を
買ってもらうことは果たして
望ましいことなんでしょうか?
「この人、ギャラリーストーカー
っぽいけど、絵を買ってくれる
のかもしれない。」
そう考えだすと、どう対応したら良い
のかわからなくなってしまいますね。
しかし、めでたく絵が売れたら、
ひょっとしたらその方は
「お客様」という強い立場で
何かをしてくるかもしれません。
実際に
「絵を買ったんだから電話させろ。」
「絵を買ったんだから、ウチに来い。」
という要求をされた方を知っています。
絵を買ってもらうということは、
関係がその後も続く可能性がある
ということなのです。
ギャラリーストーカーとコレクターの違い
ギャラリーストーカーなのか
お客様なのか区別できない…
作品購入を真剣に考えてくれたり、
良い仕事を紹介してくれる方々と
ギャラリーストーカーはどのように
見分ければ良いのでしょうか?
「どんな作風の作品を持ってらっしゃるん
ですか?人物画、静物画、風景画、抽象画とか」
「この作品の中ではどの作品がお好みですか?」
「ポストカードもご用意してあります。
いかがでしょうか。」
このように毅然とした態度でセールストーク
を展開して逃げるようなら曲者で
真剣に答えてくれるようなら
お客様といえるでしょう。
ビジネスライクな丁寧で程よい距離感を
感じさせる口調でお話ししましょう。
ギャラリーストーカー対策
ギャラリーストーカーに自分1人で
対応が難しい場合は以下の方法を
試してみましょう。
ギャラリーの方に対応してもらう
「ギャラリーを通してお願いします。」
ギャラリーストーカーの誘いに困った場合は、
まずこの一言で解決を試みましょう。
男性作家に対応してもらう
以前、友人の女性作家が作品を買って
もらった方に食事に誘われ困っていました。
ギャラリーの方もその場を離れることが
できなかったので、会場にいた私が用心棒?
として出動することになりました。
結局、その時は杞憂に終わり、おいしい料理
が食べられて事なきを得ました。
困った時は、スタッフや友人作家の男性に
協力してもらうのも良いでしょう。
名刺を2種類用意
住所やメールアドレス、電話番号などの
個人情報を記したビジネス用名刺は
会場に置かないようにしましょう。
いわば替え玉作戦です。
会場に名刺を置く場合、個人情報の
書いていない作家用名刺を用意しましょう。
ギャラリーストーカーについてのお悩み相談
ギャラリーストーカーについて
メルマガ読者の方からこんな相談が
寄せられました。
私は中年とはいえ、女性ではあるので、
男性のお客さまから、二人きりでの
お食事のお誘いや、
ご自宅等にお招きいただいたら……
不謹慎で申し訳ないのですが、
不安になってしまいます。
個人事業主として、仕事をするなら、
見積りなどの打ち合わせや、
取材のために出張することも、
通常の業務にあると思います。
けれども、私は主婦という立場もあり、
「お客さまと二人きりで(何度も)
お会いする(しかも、それが定期的に
よくある)」ことが、
とても必要な接客であっても、
夫に誤解されないかな……、
などと考えてしまいます。
回答
この心配はご最もです。
実際にはギャラリーストーカーと
呼ばれる輩がいて、女性作家と二人きりで
でかけてよからぬことをたくらむこと
があります。
そのため、そんな時は画廊スタッフや
作家仲間などを連れて複数人で
打ち合わせをするという対応をとります。
私も友人女性作家の用心棒役で
食事に連れていかれたことがあります笑
女性作家に話しかけてはいけないのか?
ギャラリーストーカーとは異なり、
真剣に若いアーティストを応援したい、
素晴らしいお客様も、
もちろんいらっしゃいます。
彼らからしても、ギャラリーストーカー
のせいで、若手作家に関わりづらくなり
迷惑なものです。
ここからは
「こんな接し方をしてくれると嬉しい!」
という具体例を作家視点で紹介していきます。
コレクター様は大歓迎
言うまでもなく、作家は誰しも自分が
生み出した作品を誰かが求めてくれる
のは嬉しいものです。
お値段以上に幸せなものなのです。
実際に購入された方とは作品について
じっくり話すのも楽しいと考える作家も
多いでしょう。
ビジネスチャンスも大歓迎
真剣に作家活動をするアーティストは
誰もが個人事業主です。
なので、本当に作家のためになる
仕事は大歓迎なのです。
場合によっては作品購入よりも
嬉しいかもしれません。
良い仕事の経験は作家活動の実績に
なりますし、ブランディングの材料
にもなるので、本当に作家のためになるのです。
暇なときに手短かに
お客様がたくさん会場にいるときに、
1人のお客様に拘束されてしまうと、
多くのチャンスを逃す
ことになってしまいます。
購入を検討される場合は例外として、
作家と話をする場合は
「作家が暇そうな時」
にしてあげましょう。
ギャラリーの方を介せば問題なし
もし、真剣に作家とビジネスのコラボを
考えていて、
定期的な連絡、相談がしたい場合、
ギャラリーのスタッフを介して、
話を持ち掛けましょう。
こうすれば、問題に
発展することはありません。
実際、画商さんを通して、女性作家
がとってきた仕事に参加させて
もらったこともありますが
これは参加した作家にとっても、
画商にとっても、お客様にとっても、
とても良い思い出になりました。
ギャラリーストーカーの正体
ギャラリーストーカーの方々と
これまで何度もお会いしてきた結果、
彼らの正体がわかってきました。
ここからは個人的な印象の話です。
彼らは闇墜ちした企業戦士なのです。
仕事一筋で会社に勤め、会社の中で
素晴らしい成果を上げ、会社内では
評価されてきた。人気があった。
実際、かつては日本の成長を支えた
名実ともに優れた人格者であった
かもしれません。
そんな方々が仕事を引退すると、
暇を持て余した寂しいおじさんに
なってしまうようです。
もちろん全員ではないでしょうが。
そんな彼らが若い女の子にチヤホヤ
してもらうために、
過去の栄光を語っている姿を見るたびに
「芸術鑑賞」という高尚な趣味を装い
自分を騙して、キャバクラ同然の振る舞い
をするのを見るたびに
私は女性作家とオジサマの両方を
気の毒に思ってしまいます。
その場にいる全員が不幸になるので、
ギャラリーストーカー行為は
撲滅すべきでしょう。