【絵の具とは】水彩やアクリル、油絵の具などの種類や違いを紹介

どうも、黒沼です。

 

画家になるシリーズ
昨日で終わりました。

読んでくださった皆さん
ありがとうございました!

 


今回からは、
絵の具や筆、紙やキャンバス
などなど

絵の材料や道具について、プロの画家の
目線でマニアックに語っていきます。

 

第一回の今日は

そもそも絵の具って
何なのか

絵の具の定義や種類について
書こうと思います。

 

 

 

目次

絵の具の種類と色が出る仕組み

みなさんは泥団子を作ったことは
ありますか?

私は実は幼い頃、泥団子作りが
大好きでした。

 

僕の通っていた小学校のでは泥団子を作って、
壁に投げるという遊びがなぜか流行しました。

泥団子を投げつけられた壁は当然、
泥まみれになります。

 

ところが、翌日になると、
壁はほとんどキレイになっています!

 

なぜなのか

 

 

用務員さんの活躍

ではありません

謎の真相をお話しましょう。

 

この壁はとても滑らかな壁でした。

滑らかな壁に張り付いた泥は
翌日になると乾燥して砂になります。

私の通う小学校は海のすぐそばだった
こともあり、壁の付近も、
常に海風が吹いていました。

 

すると、水分を失いパウダー状になった
泥(砂)は壁から

サラサラと剥がれ落ちます。

 

こんな感じで壁は綺麗になったんですね。

 

ところで、
絵の具の話はどこへいったのか

 

ここからが本題です。

泥まみれの壁がキレイになった
仕組みは絵の具の定義を
理解するうえで役立つんです。

 

それでは、前置きが長くなりましたが、
絵の具の成り立ちについてお話しします。

油絵具、水彩絵の具、
アクリル絵の具などなど、
全ての絵の具は

顔料+媒材(バインダー)+助剤
で出来ています。

それぞれ解説していきましょう。

 

絵の具材料その1:顔料

色の元になる粉です。

絵の具の名前は、
顔料の名前になっていることが多いです。

顔料は伝統的には土や鉱石、炭、
動物の死骸、変化した金属
などから
作られていました。

 

バーントシェンナ、ローアンバー
などは土から出来た顔料です。

バーントシェンナは焼いたシエナの土
ローアンバーは生のウンブリアの土

という意味のネーミングなわけです。

 

 

ピーチブラック
アイボリーブラック
などは

炭から出来た顔料です。

 

ピーチブラックは桃の種を焼いた炭ですし、
アイボリーブラックは象牙を焼いた炭です。

 

インディアンイエロー
牛の膀胱から作られました。

 

 

 

ウルトラマリン天然の
ラピスラズリ
という宝石
砕いて作られていました。

バーミリオンは硫化した水銀ですし、

緑青は酸化したです。
(10円玉につき緑のサビですね)

 

 

しかし、

土系の顔料は

色の不安定さから
動物の死骸系は動物愛護の観点から
鉱石系の顔料はコストの面から
金属系の顔料は健康被害の面から

 

工場で化学的な合成
作られるようになりました。

 

 

似たような色を、別の安全で
安価な材料でつくっているわけです。

 

絵の具材料その2:媒材

媒材とは糊の成分のことです。

アラビアゴム、リンシードオイル、
膠、ワックス
など様々な種類があります。

 

この媒材の種類が、そのまま
絵の具の種類となります。

つまり

顔料+アラビアゴム=水彩絵の具

顔料+リンシードオイル
(などの乾性油)=油絵具

顔料+アクリル樹脂
=アクリル絵の具

顔料+膠=日本画絵の具

顔料+ワックス=クレヨン
となるわけです。


媒材の種類によって、絵の具の
描き味が決まるんですね

この媒材(糊の成分)が入っていないと、
乾燥後に絵の具は画面から、剥がれ落ちます。

 

ちょうど乾燥後壁から剥がれ落ちた
泥団子みたいな感じですね

 

 

絵の具材料その3:助剤

助剤とは、それぞれの絵の具が
それぞれの特徴を最大限引き出せる
ために少々配合されているものです。

 

水彩絵の具にはチューブの中で
固まってしまわないための保湿剤として
グリセリン

油絵特有の厚塗り表現のためには
固練りの絵の具が必要です。

そのため、アルミナホワイトなどの
体質顔料が配合されています。
(体質顔料はそれ自体は発色しません)

 

 

染料系絵の具と顔料系絵の具の違い

ここまで、
絵の具=顔料+媒材+助剤

というお話しをしてきましたが、
顔料の代わりに染料を使った
絵の具も存在します。

 

染料は顔料よりも
粒子系が細かく、鮮やか
なのが特徴です。

インクのようなイメージですね。

 

染料系の絵の具には
プルシャンブルー
アリザリンレーキなどがあります。

 

これらの絵の具は
鮮やかでキレイなんですが
不安定な性質を持っています。

 

どう不安定か?

 

まず染料系の絵の具は
色褪せしやすいです

また、染料は先ほど話したように
粒子径が小さく鮮やかです。

このため、上に顔料系の絵の具を
塗り重ねると、

下に塗った染料系の絵の具が染み出す
ということが起こります。

 

ブリード(泣き)というトラブル
なんですが、こういった理由から、
染料系の絵の具を嫌う作家も多いようです。

 

 

 

専門家用絵の具と園児、中学生用絵の具の違い

みなさん幼稚園の頃
クレヨンセット

小学校、中学校の時には
絵の具セットを図工や美術の時間
に使っていたかと思います。

 

実はあのクレヨンや絵の具は教育用といって、
画材屋さんで売っている、
専門家用の絵の具とは中身が違います。

教育用の絵の具やクレヨンは
染料体質顔料で、かさ増しして作った
疑似顔料のようなもので出来ています。

 

先ほどお話したように、
染料は色褪せしやすいので

教育用の絵の具やクレヨンで
描いた絵は弱いんですね。

 

小さい頃描いた絵は、どうしても
色褪せしてしまいやすい
ということなんですね

また、色の種類が少ない
というのも特徴です。

 

画材屋で買う専門家用絵の具は
豊富な色数が用意されていますが、
教育用の絵の具セットは最小限なわけです。

 

そのかわり、教育用絵の具は
専門家用に比べ、

安いのが特徴となっています。

 

退色が起きるのはウン十年後なので、
教育用の絵の具は

練習用の絵の具としては
最適かもしれませんね。

 

 

 

絵の具には多くの種類があり違いも様々

今回は絵の具の成り立ちについて
お話ししました。

色の元である顔料ではなく、糊成分の
媒材の特徴がそのまま絵の具の特徴に
なるんですね。

 

日本画では岩絵の具という「絵の具」
を膠水で練って使いますが

絵の具=顔料+媒材なので
岩絵の具は絵具ではなく、顔料の1種
といえますね~。

岩絵の具は絵の具ではない
ということですね。

 

次回からは水彩絵の具、油絵具
アクリル絵の具
などなど、

それぞれの絵の具の特徴や歴史、
おすすめの画材について書いていきます。

お楽しみに

 

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