上巻 第1章第3節
ビジネスとは
「自分が描いた絵で
お金を取るのはちょっと…」
純粋で良い人ほど、
こう思ってしまうかもしれません。
私も今までに100枚以上
絵を売ってきましたが
最初の1枚を売ってくれといわれた時は
少しためらいました。
好きなことをやって、人からお金をもらう
ことに抵抗があったんですね。
しかし、ビジネスの本質は相手から
お金を奪いとることではありません。
今回はビジネスとは、
そもそも何なのかについて
画家の視点から解説していこうと思います。
ビジネスの本質とは与えること、
giveの洗練といえます。
give and take のように、
与えた分だけ 相手からもらうのではなく
値段以上のものを作り出して
安めに売って差し上げる
くらいの考えで行きましょう。
あなた作品、あなた自身の価値を高めていき、
値段以上の価値を生み出せば良いのです。
実際、値段以上の価値を生み出せた作品は
積極的に私が売り込まなくても
自然に売れていきます。
ひとつ具体的なエピソードを紹介します。
ある日、私は展覧会中、寝坊してしまい
会場のお得意様に接客するチャンスを
逃してしまいました。
会場に慌てて到着すると、
そのお客様はもう帰っていました。
しかし、作品には赤札がついていました。
しかも2枚も
会場のスタッフに話を聞くと
「東京のいろんな百貨店を見て回ったけど、
この2枚の作品が最も良かったから両方買う。」
とお客様はおっしゃって購入されたそうです。
この2枚の作品は、私はこの展覧会のために
用意した自信の新作でした。
値段以上の価値のある作品は
作家がいなくても売れてしまうんですね。
まとめ
・ビジネスの本質は奪うことでなく与えること
・値段以上の価値を生む画家を目指そう
・値段以上の価値のある絵は自然に売れる
次回予告
「プロの画家の条件とは何ですか？」
こんな質問をよく聞かれます。
具体的な抑えるべきポイントは
納期を守るとか、顧客を盗まないとか、
盗作をしないとか、
固定のファンが一定数いるとか
と説明して見せることもできるのですが
次回は考え方、マインドセットの側面から
プロの画家の条件について解説しようと思います。
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