巨匠直伝デッサン理論“3色分割法”

形がとれなきゃ絵は描けないのか?

 

「これ、形狂ってるね~。」

美大受験生時代、私は本当に
絵がヘタクソでした。

 

モチーフの形がなかなか正確に描けず、
描写が進まないことばかりだったのです。

 

特に形の正確さで勝負をする
石膏デッサンは苦手でした。

 

私は本当に形を合わせるのが苦手で

「こんなんで絵をまともに
描けるようになるのかなぁ」

と常に不安な思いをしていました。

 

 

確かに形を合わせる技術は大切です。

この技術の有無が絵の専門家と素人を
分けるといっても過言ではありません。

 

しかし、形がとれなきゃ絵は描けない
なんてことはありません。

画面上で美しい形を描き、自然な
光と影を演出できれば

美しいリアルな絵を描くことができます。

 

今回はヨーロッパの古典絵画の巨匠も
実践していた

明暗のデッサン理論をご紹介します。

 

名画の作り方

名画を3色に分割してみる

 

美術館などで実物の絵をみると分かりますが、

名画は遠くから見ても、近くで見ても
すごい存在感があります。

 

実はこの「名画のもつ存在感」を身に着ける
秘密の特訓メニューがあります。

今回はこの理論を紹介していきます。

これは様々な時代のヨーロッパの名画ですが、

どの作品も白黒グレーの3色で置き換えても
美しいのです。

 

「絵を上達させたければ、
名画の模写をしろ。」

こんな指導をよく聞きますが、
1から100まで名画をそっくりに
模写していたら、

いくら時間があっても足りませんよね。

 

しかし、名画を3色に
分解したものを模写すると、

名画の持つ白黒グレーのバランス、

美しい形の選び方を
身に着けることができます。

 

遠目にも近目にも耐える
「名画のもつ存在感」

この練習方法であなたも
身に着けることができます。

 

下絵メイキング動画

ちなみに、今回用意した名画の
3色分割下絵はこのように作っています。

フォトショップを使える人は
実践してみてくださいね。

またフォトショップを持っていない人のために、
何枚かPDFで下絵を用意しました。

こちらも活用してみてください。

https://kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/フェルメール3色模写.pdf

https://kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/ドガ 3色模写.pdf

https://kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/ターナー3色模写.pdf

下絵のトレース方法

練習方法

↑下絵が用意できたら、灰色画用紙、
チャコールペンシル白、黒、練消しを
用意して練習してみましょう。

1、下絵を見ながら、灰色画用紙に
白いチャコールペンシルで明るい形をトレース

2、下絵を見ながら、灰色画用紙に
いチャコールペンシルで暗い形をトレース

3、下絵を見ながら、灰色画用紙に
いチャコールペンシルで暗い面を塗る。

4、下絵を見ながら、灰色画用紙に
いチャコールペンシルで明るい面を塗る。

 

画材紹介

・灰色画用紙
・チャコールペンシル白
・チャコールペンシル黒
・練消し

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PIXAR流“超”色彩理論

トイストーリーやモンスターズインクなど
のPIXAR映画を見たことはあるでしょうか?

CGアニメーションには実物以上に色鮮やかで
立体感を感じる不思議なリアリティー
がありますよね。

 

今回はそんなCGアニメーションに用いられる
色彩理論を手軽に活用するための練習方法を
解説します。

 

「色を付けた瞬間、立体感が
なくなってしまう。」

「モノクロでは上手く描けるけど、
色を使うと汚くなってしまう。」

こんな方は意外と
絵が上手い人でも多いものです。

 

デッサンの理論を解説できる先生は
いっぱいいますが、

リアルに描くための色彩理論を
解説できる先生はほとんどいません。

 

このため、「色彩は感覚だ。」
「色彩は指導が難しい。」

そんな意見を持つ専門家も多いのです。

 

しかし、色彩と立体感を
両立する描き方は存在します。

 

よくある失敗

真っ赤なリンゴを描く場合

リンゴをまず赤く塗り、

明るい部分は赤に白を混ぜた絵の具で塗る。
暗い部分は赤に黒を混ぜた色で塗る。

 

こんな描き方をすると
明るい部分が白っちゃけて、暗い部分が
黒ずんだリンゴになってしまいます。

 

なぜ、これは不自然に
見えるのでしょうか?

 

実は自然に見える色の使い方には
このような、明度、彩度、色相の
関係があります。

↑明度と色相の関係

一般的に、明るくなればなるほど、
物の色は黄色に近づき

暗くなればなるほど、
物の色は青紫に近づきます。

 

そして、絵画に使われる
ハイコントラストな光の設定の場合

明るい部分は低彩度、中間明度は高彩度、
暗い部分は中彩度となります。

これらの理論を使って、真っ赤なリンゴ
を描くとこうなります。

 

明るい部分は鈍いオレンジ
中間明度は鮮やかな赤
暗い部分はやや鮮やかな赤紫

最初に描いたリンゴよりも
自然に見えるでしょう。

 

下絵メイキング動画

ちなみに、今回用意した3色分割下絵
はこのように作っています。

 

フォトショップを使える人は
実践してみてくださいね。

またフォトショップを持っていない人
のために、

PDFで下絵を用意しました。
こちらも活用してみてください。

https://kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/リンゴ3色模写.pdf

 

練習方法

 

1、下絵を見ながら、
3色の境界線を画用紙にトレース

 

2,今回の理論を解説した↑の表を
参考に3色に塗り分ける。

3,元の写真を見ながら階調を増やしていく。

(下の画像は3色下絵に2階調増やし
5階調にしたもの)

 

 

今回の理論を使って、
緑のピーマンを描くとこうなります。

 

明るい部分は鈍い黄緑
中間明度は鮮やかな緑
暗い部分はやや鮮やかな青緑

 

フォトショップを持っていない人
のために、

PDFで下絵を用意しました。
こちらも活用してみてください。

https://kurohaku.com/wp-content/uploads/2019/04/ピーマン3色模写.pdf

下絵が用意できたら、画用紙、
アクリル絵の具を用意して
練習してみましょう。

 

練習方法

1、下絵を見ながら、
3色の境界線を画用紙にトレース

2,今回の理論を解説した↑の表を
参考に3色に塗り分ける。

3,元の写真を見ながら階調を増やしていく。
(下の画像は3色下絵に2階調増やし
5階調にしたもの)

画材紹介

・画用紙
・アクリル絵の具
・PCセーブル
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描けば売れる!?夕日の絵画の描き方

ここまで紹介してきた
理論を組み合わせると

このような、昼間の場面の写真を
用いて夕日のような光を描くことも
できます。

 

夕日のような光を描いた絵は
非常に人気が高く、私の経験上
描けば売れます。

是非マスターしてみてください。

 

夕日の場面では、
光はこのように変化します。

 

明るい部分は鈍い黄色
中間明度は鮮やかなオレンジ
暗い部分はやや鮮やかな赤

 

これらの色を3色分割した
写真にあてこんでいくと

夕日のような場面を
描くことができます。

 

階調を少し増やすと
このようになります。

 

下絵メイキング動画

ちなみに、今回用意した3色分割下絵
はこのように作っています。

 

フォトショップを使える人は
実践してみてくださいね。

またフォトショップを持っていない人
のために、

PDFで下絵を用意しました。
こちらも活用してみてください。

クリックして.pdfにアクセス

 

練習方法

1、下絵を見ながら、
3色の境界線をオレンジに塗った
画用紙にトレース

2,今回の理論を解説した↑の表を
参考に3色に塗り分ける。

3,元の写真を見ながら階調を増やしていく。
(下の画像は3色下絵に2階調増やし
5階調にしたもの)