STEP2:【隠れコレクター】を発掘し、オーダーメイド絵画を受注する
リアルの場での展示に慣れてくると、
あなたの固定ファンの方が現れたりします。
また、あなたの周りに
「絵を飾って楽しむのが好き」な人が
意外にも多くいたことに気が付きます。
STEP2では、そんな方々と直接交流して、
オーダーメイド作品を受注してみましょう。
もし、STEP1でうまくいかなかったとしても、
めげずに挑戦してみてくださいね。
オーダーメイド作品制作の方が向いている
作家さんも実際いらっしゃるので、
是非挑戦してみてください。
このSTEP2をマスターできると、
画家としての未来は明るくなってきます。
高い値段を払ってでも絵を直接
買ってくださるお客様が複数人いると、
それだけで売上は安定するからです。
そして、そんな方々は多くの場合、
気に入ると何度も注文してくれます。
それではSTEP2を始めていきましょう。
STEP2でお伝えする内容はこんな感じです。
・コレクターを虜にする
【ご指名作家】の特徴
・4,50代の専業画家が絵だけで
生活できる本当の理由
・【驚異のリピート率】ルーベンス流
オーダーメイド作品受注テンプレ
・【明朗会計】気持ちよくお代を
頂く上で必須の料金システム
・コレクターの脳内をのぞき見する
禁断のワークシート
STEP2の目的は皆さんの身の回りにいる
かもしれない隠れコレクターを発掘し
オーダーメイド作品の受注を
とることでした。
今回はオーダーメイド作品の受注を
とるために必要なマインドセットを
5つのストーリーを通して
お伝えしていきます。
どのストーリーも全て私の経験した実話
に基づいているので、役に立つと思います。
展覧会経験を積むと見えてくるもの
売れる絵の特徴、売れる画家の特徴
いつどこで展示を開いても
絵が売れている。
ギャラリー巡りをしていると、
そんな作家に出会うことがあります。
このタイプの絵は描くと必ず売れる。
繰り返し展示をしていると、
そんな絵の型すなわち、
【あなたにとっての売れる絵】の型
が見えてきます。
「バラをクローズアップで
描いた絵は売れる。」
「地平線をメインにした
構図の絵は売れる。」
「花をたくさん生けたタイプ
の絵は売れる。」
「金箔を背景に貼って磨いた
絵は必ず売れる。」
などなど、売れている作家は皆、
得意の構図やモチーフ、色彩、
技法を持っているものです。
理想的にはそんな
【あなたにとっての売れる絵】の型を3
つほど持っておき
ローテーションで制作することで、
3つの型の絵が常に
在庫にストックされている
そんな状態を目指すと良いでしょう。
売り上げも安定しますし、
制作がマンネリ化せず、
高い集中力とモチベーションを
保てます。
絵を買う方々の人柄
また、展覧会経験を積んでいくと、
絵を買う人がどんな人なのかも
わかってきます。
「娘の結婚祝いに小さい絵を
プレゼントしたい。」
「仕事の引退の記念に作る詩集
の詩を題材にした絵を描いてほしい。」
「年老いたペットを絵画という形で
永遠に残したい。」
「思い出のあるバラ園のバラの絵
を描いてほしい。」
「大好きな歌舞伎の演目をテーマに
絵を描いてほしい。」
などなど、会場で接客していると、
絵を買うお客様が絵を欲する
「個別的」、「具体的」な理由が
耳に入ってきます。
そんな個々の事例から、絵を買いたい
お客様が「絵のある暮らし」を通して、
何を求めているのかが見えてくるのです。
共通しているのは「特別なイベントの記念」
として、絵を残したい。」
そんな思いかと思います。
名画の条件と宮廷画家の話
所有したいと思われる絵が
名画として残る
私は美大生だったころ、美術史の本
に載っている絵画をながめ
「これらの名画に連なるような
絵を描けたら良いなぁ~」
そんな壮大な夢を描いていました。
素朴だった私は美術史の教授に、
この夢の叶え方を聞いてみたところ、
「その時代の世界の本質をとらえた作品
が後追い的に美術史に記録される
んじゃないかな。」
そんな答えを頂きました。
抽象度が高すぎて、感心したものの、
すぐにそのアドバイスを役立てることは
できませんでした。
そして、本格的に作家活動を始めたころ、
これらの名画のもっと具体的な
共通点がわかってきました。
それは、誰かに所有されている
ということです。
美術館、王室、富豪、公共施設などに
コレクションされている作品のみが
後の時代に残るのです。
残念ながら、美大の講評終了後に
ゴミ捨て場に向かう大作は
誰にも所有されることはないです。
団体展出品を終え、画家のタンスの肥やし
になってしまった作品も望みは薄いでしょう。
名画は市場原理から生まれたりもする
近代以前の古い時代の絵画は、
ほぼ全てオーダーメイド作品でした。
誰かの
「特別なイベントの記念として、
絵を残したい。」
そんな思いに応えるためのものでした。
そして、絵をオーダーしてくれる
クライアントのために、画家たちは
競争し腕を磨きました。
百貨店美術画廊や、アートフェア
といったハイレベルな会場での
グループ展では似たようなことが
今でも起きています。
会期中、会場に来る【絵を買うお客様の数】
は多くありません。
そして、彼らは「1番気に入った作品」
を買います。
2番じゃだめなんですか?だめです。
すると、弱肉強食もとい、
健全な市場原理が働き、
腕の良い画家のみが生き残ります。
そんな競争に勝ち残るため、
画家たちは
・よりレベルの高い
・より所有したいと思われる
・より多くの
作品を用意して展示に臨みます。
すると、参加した作家は全員、良い絵を
たくさん描くために必死になり、
結果的に腕をあげていきます。
「量はやがて質になるのです。」
とりあえず3年の真相
「とりあえず3年やってみろ。」
そんなフレーズをよく聞きますが、
アート市場でも、これは当てはまります。
2年~3年の現場経験で学び尽くし、
魔法は溶けます。
よくも悪くも現実を知り、現実離れした
期待を持たなくなり、
ゲーム盤の全体が見渡せる
ようになるのです。
「とりあえず3年やってみろ。」これは
とりあえず、3年やってみてダメなら諦める
という意味ではありません。
3年間で得た知名度、知識、経験、人脈を
生かして次のフィールドへ移り、
強くてニューゲームの状態で
戦えということです。
1万人に一人の人材になるのは簡単
本気で3年間現場で学んだあなたは、
おそらくその業界の中で100人に1人の
人材にはなっているでしょう。
そして、その人材が別のジャンルに移って、
3年間努力します。
すると、2種類の業界のノウハウを併せ持つ
100×100人に1人の人材になれるでしょう。
今、私がやっているのはまさにこの戦略です。
プロの画家として3年以上絵を売った経験があり、
尚且つ、4万pv以上のブログを作るノウハウ
を持った人はほぼいないのです。
ちなみに4万pvのブログは上位1%の影響力
を持つらしいので、100人に1人の人材
といえそうです。
生涯を通してファンを増やす
なぜオーダーメイド作品の受注を扱う
今回この話をしたかといえば、
このように様々な業種を渡り歩きながら、
専門スキルを身に着け、
生涯を通してファンを増やしていくこと
こそが受注の近道だからなのです。
実際、私も展覧会で出会った方から、
オーダーメイド作品の注文を
受けることもありますし、
ブログを経由して出会った方から
注文を受けることもあります。
そして、絵を始める前から
知り合いだった方が、
実は【隠れコレクター】で
私がプロの画家になったと知るやいなや、
絵を注文してくれるようになった。
そんなケースもあるのです。
なので、展覧会を開いた際には、
友人知人にもためらわずに
招待状を出しましょうね。
ひょっとしたら、あなたのように
絵が描ける人を求めている
【隠れコレクター】さんがすぐ
近くにいるかもしれませんよ。
40代の壁を超える画家の生き方
絵を買う悲しいおじさん
若い女性作家の展示に足を運び、
姿を見つけるやいなや、はりついて、
長話をして拘束する。
それだけでなく、2人で食事に
連れていこうとしたり、
1日中街を連れまわしたり、
自宅に呼ぼうとしたり、
名刺をもらって電話で説教をする
そんな恐ろしいギャラリーストーカー
が実際に存在します。
残酷ですが、若くてかわいい子の絵は
売れるのです。
これは、男性作家にもいえます。
ギャラリーストーカーに限らず、
若い子が健気に頑張っているから
応援で買ってくれる
そんな優しい方も多いのです。
いずれにせよ、若いから絵が売れる
ということがあるのです。
ファンに囲まれるベテラン画家の特徴
しかし、若くなければ絵は売れない
なんてことはありません。
4,50代のベテラン作家で、有名百貨店で
個展を開き、安定した売り上げをあげる
作家もいます。
そんな方は生涯にわたってファンを
増やしてきたかたなので、
売り上げが安定しやすいのです。
そんなベテランの画家さんは
例外なく皆良い人です。
後輩へは惜しみなく、技法や売り方
を教えてくれますし、
いくつになっても人から愛される
性格をしています。
画家の仕事=狭く深いコミュニケーション
インフルエンサーマーケティングという言葉
を聞いたことがあるでしょうか?
古い例ではみのもんたさんがオススメしたもの
はなんでも売れる。というような現象です。
モノがあふれた時代、テレビCMやチラシ、広告、
トレンディードラマなどを用いた
マスマーケティングでは
もはや、人はモノを買いません。
自分が本当に必要だと感じたもの
しか買わないのです。
少し前は、価格ドットコムなどで、
「検索」する手間をかけて、
自分が本当に必要だと感じるものを
探していました。
しかし、最近ではSNSのタイムライン上
に流れる、影響力を持つ誰かのオススメ
を見て、
自分が本当に必要だと感じたものを
決めたりするのです。
この傾向は絵の販売でも当てはまります。
「この人の世界が好き。
この人からこそ買いたい。」
「この人が勧めるから買いたい、
協力したい。」
そんな、あなたに【特別な価値を感じる】
ファンが何人いるかで、オーダーメイド作品
の受注が取れるかが決まるのです。
期待を超えろ、お値段以上の体験を生み出せ
オーダーメイド作品はいうまでもなく、
世界に、たった1枚の作品です。
お客様の「特別なイベントの記念」として、
絵を残したい。」
そんな思いにこたえられるのは
画家しかいません。
画家が全力で腕を振るわなければ、
その思いが叶うことは絶対に
不可能なのです。
オーダーメイド作品は、プライスレスな
価値であり、同じサイズの普通の絵よりも
ずっと高い価値をもったものなのです。
なので、お値段以上の最高の作品を提供して、
気持ちよくお代を頂きましょう。