西日向

Nishi Hinata

 

 

作家ごあいさつ

 

はじめまして。画家の西日向です。

どこか懐かしい20世紀の東ヨーロッパの世界を民族調・民芸調・絵本調の画風で表現しています。東欧は欧州の中でも特に土着の民族色が色濃く残り、洗練された西欧にはない土の香りがし、いたるところが花模様で彩られています。その色やフォルムがまばゆいほどの命や自由を求める心を表現しているかのようで、幼い頃から東欧に情景を抱いておりました。

 

額装も含めてひとつの作品にしたいと思い、立体額やフォトフレームなどの特殊な額を使用し、東欧の刺繍やレース、スパンコールを取り入れることもしばしばです。四角形のキャンバスだけではなく円形の木板にも描くし、四枚のキャンバスでひとつの作品といった特殊な形状のものも作ります。

 

作品の形も自由、額装も自由、描いている絵も一見楽しげで自由です。ですが実際は描く際には様々な制約を課しており、そのひとつが私の描く動物のほとんどが横向きだというものです。

 

ロシア・アヴァンギャルドの影響を受けたソビエト絵本のような作風で、イラスト系であるのにもかかわらず課さなくてもよい制限を設けて描いています。イコンやキリスト教以前のスラヴ土着文化のルーツも関係しているでしょう。

 

色も形も構図もなんでもありの自由を美しい思えず、たくさんの知識と理論と技術を学び研鑽し、ようやく手にした自由にこそ美が存在すると信じているからです。よろしくお願いします。

 

出展作品

 

  西日向

「たのしい我が家」

  118 x 118mm, 118 x 80mm x 2pieces

  アクリル