[西洋美術史]クリムトやモロー、ムンクなど象徴主義の有名作品を解説

 

 

 

どうも! 最近、休日には家で映画を見ながら作業をしている黒沼です。

 

 

 

今日はいつか見たいと思っていたタイタニックをタブレットで観ながらモチーフづくりをしていました。

タイタニックは主人公が画家の映画なので、感情移入してしまい、ざわざわしました。(笑)

 

 

 

ジェームズキャメロン作品は学生の頃にアバターを見て、映像美に感動しましたが、それから少し年を取った今見たタイタニックの方が感動でき自分でも驚きました。

 

 

 

さて、最近は続けて、西洋美術史シリーズを書いています。

美大に通う私が美術史の授業、教授の話、本で手に入れた美術史情報をアップしていくので、チェックしてみてくださいね!

 

 

 

今回は象徴主義の美術について解説します!

 

 

 

当時の音楽とともにお楽しみください

 

 

 

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目次

象徴主義とは

 

 

 

 

 

19世紀後半、ヨーロッパ各国で工業化が進み、社会の近代化、合理化が進みました。

街の物全てが日に日に進歩するこの華やかな雰囲気の時代をベル・エポックといいます。

 

 

 

 

 

しかし、この時代多くの芸術家がこれを、一瞬の輝きととらえており、必ずしもポジティブに捉えていませんでした。

表面的な繁栄への疑念や不安という所謂、世紀末の雰囲気を感じ取っていた画家は病的に美しいものを追い求め始めます。

この潮流をデカダンスといい、背徳的で神秘的な絵画が流行します。

 

 

 

 

 

 

 

ラファエル前派とは

 

 

 

 

 

この頃のイギリスでは、象徴主義の一環として、ラファエル前派というグループが登場します。

 

 

 

当時の美術アカデミーでは、ラファエロを芸術の頂点とし、多くの芸術規則を学生に強制していました。

これに反発したのが、ミレイ、ロセッティ、ハントを中心としたラファエル前派でした。

 

 

 

彼らはラファエロ以前の初期ルネサンスや中世の画家の細密な描写を手本に、緻密な絵画を描きました。

 

 

・ミレイ

 

 

 

 

 

 

↑この作品のモチーフは、シェイクスピアのハムレットのワンシーンです。

 

 

 

ロマン主義の画家ドラクロワも同じ場面を描いていましたね。

 

 

 

 

 

 

象徴主義の時代には文学作品がモチーフとなることも多く、ロマン主義の好みとよく似ています。

 

 

 

・ロセッティ

 

 

 

 

 

ロセッティはファム・ファタル(運命の女)というテーマを良く描きました。

 

 

 

ファム・ファタルとは、男性の運命を狂わせる魔性の女 のような意味で、当時流行した画題でした。

 

 

 

・バーン・ジョーンズ

 

 

 

 

 

バーン・ジョーンズはラファエル前派の第2世代で、後のアール・ヌーヴォーに続くような象徴的で、装飾的な作品を作っています。

 

 

 

 

 

 

 

↑これはアール・ヌーヴォーの画家のアルフォンス・ミュシャの作品ですが、似ていますね。

 

 

 

フランスの象徴主義

 

 

・モロー

 

 

 

 

 

モローもロセッティ同様、ファム・ファタルのテーマを良く描きました。

 

 

 

モチーフはギリシャ神話や聖書のワンシーンであっても、何か妖しくも美しい女性が描かれています。

 

 

 

 

 

 

「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足の生きものなーんだ?」

 

これはギリシャ神話に登場する怪獣スフィンクスが出すなぞなぞです。

 

 

この絵画ではまさに英雄オイディプスがスフィンクスになぞなぞを出されているところ。

なぞなぞが溶けないと、道を通してもらえず、スフィンクスに食べられてしまうという英雄のピンチを描いた絵画です。

 

 

 

因みになぞなぞの正解は人間。オイディプスは余裕で正解したため、スフィンクスはこれを恥じて自殺してしまったそうです。

 

 

モローは後に美術アカデミーの先生になり、若き日のマティスを見出したことでも有名です。

アカデミックな写実系の画家でありながら、フォービズムの巨匠を発掘したのはスゴイですね。

 

 

 

・シャヴァンヌ

 

 

 

 

シャヴァンヌは伝えたい感情や精神を擬人像という古典的手法で表現しました。

 

 

シャヴァンヌが斬新だったのは、使い古されたシンボルや、ポーズに頼らなかった点です。

 

 

 

 

 

シャヴァンヌ自身が考えたポーズやシチュエーションで感情を表現したんですね。

 

 

 

ルドン

 

 

 

 

 

ルドンは他の象徴主義の画家とは一味違う、独特な世界を描いています。

 

 

他の画家が、具象で緻密な世界を描いたのに対し、ルドンは自分の考えだした生き物のいる想像上の世界を描きました。

 

 

 

ルドンの作品は後にシュルレアリスムの画家に大きな影響を与えます。

 

 

 

 

 

その他各国の象徴主義

 

 

 

・ベックリン

 

 

 

 

 

ドイツのベックリンは「死の島」のシリーズが有名です。

 

 

 

ベックリンは象徴主義の画家には珍しい風景画家で、ドイツのロマン主義の画家フリードリヒのような「大自然の中の小さな人間」を描いています。

 

 

 

・トーロップ

 

 

 

 

オランダのトーロップは様式的な人物像と曲線を組み合わせた不思議な世界を描きました。

 

 

 

トーロップの作品は後のアール・ヌーヴォーの時代に影響を与えます。

 

 

 

・ムンク

 

 

 

 

 

叫びで有名なノルウェーの画家ムンクも象徴主義の画家です。

 

 

 

ムンクは人間の孤独、不安、死、嫉妬といったテーマを描きました。

 

 

 

 

 

・クリムト

 

 

 

 

 

オーストリアのクリムトは黄金の背景に文様を施し、奥行きのない空間を描きました。

 

 

 

 

 

クリムトはどれだけ社会が便利になっても存在する人間の性のようなものをテーマに描きました。

 

 

 

 

 

 

 

・クノップフ

 

 

 

 

 

ベルギーのクノップフは幻想的な風景をリアルに描きました。

ナルシスティックに自分の世界のみを描いた、まさに象徴主義らしい画家です。

 

 

 

・アンソール

 

 

 

 

 

ベルギーのアンソールは仮面の画家として有名です。

アンソールは仮面や骸骨などに皮肉や、偽善、虚飾などのテーマを込め描いたようです。

 

 

 

まとめ

 

 

 

 

 

 

今回は象徴主義について紹介しました。

 

 

 

象徴主義の特徴をまとめると

 

 

・世紀末の雰囲気を妖しくも美しく表現

・緻密で装飾的な独特の世界

・夢の中のような幻想的な世界

 

 

 

という感じですね。

 

 

 

妖しくも美しい独特な世界を描く象徴主義のは私の周りにもファンが多く、影響力のある画家も多いと思います。

 

 

 

次回はフォービズムについて紹介します。

 

 

 

それではまた

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