【ゴシック美術】ノートルダム大聖堂など中世の有名な教会建築を解説

ゴシック美術と聞いて
何を思い浮かべるでしょうか?

ゴスロリ

そう思ったあなたは、実は
見当違いではないんです。

どうも 絵画をたしなむ を
運営する画家の黒沼です。

これまで、記事を書いてきて

画家の名前を引用して説明したり
することが結構あり、

話が専門的になりすぎる
ということが気になっていたので、

 

これから西洋美術史についての
記事を易しく書いていこうと思います。

 

初心者でも、玄人でも楽しめる記事を
目指して頑張って書いていきたいと思います!

 

今回はのゴシック期の美術
について解説します!

当時の音楽とともにお楽しみください!

 

目次

ゴシック期の美術とは

ゴシック美術とは12世紀の半ばから
フランスで始まった美術様式です。

ゲルマン系民族のゴート人にちなんで、
ゴシックと呼ばれました。

(当時のイタリア人が「田舎者」の蔑称
としてこう呼んだようです。)

 

ちなみにゴスロリ(ゴシックロリータ)の
ブキミな雰囲気はこの頃の美術を参考にした

19世紀のゴシックリバイバル運動に由来します。

 

ゴシックリバイバルの起きた18~19世紀の
ヨーロッパでは、

イギリスを中心に当時の人々の目線で
中世を振り返り、中世風の建物が建てられました。

 

Big Benもゴシックリバイバル建築のひとつです。

 

 

ゴシック美術の有名な教会建築


ランス大聖堂

ロマネスク期の建築が田舎にあり、
素朴で堅牢、禁欲的で低い屋根が特徴でした。

これに対しゴシック期の建築は都会的で、
洗練されて、きらびやか、高い塔が特徴です。

ゴシック期の建築には
フライングバットレスという

当時の新工法が使われています。

これは建物外部に、柱を追い出し、
細長いアーチ状の梁と薄い壁で
建物を自立させる工法でした。

 

ロマネスク期の建築では、
分厚い石の壁が建物を
支えていたため、

窓は小さく、建物の高さも
低かったんです。

 

しかし、ゴシック建築では
フライングバットレスのおかげで、

30メートルを超える高さの
天井を持つ内部空間

壁が薄くなった
(壁に支柱の役割がなくなった)おかげで、
巨大な窓が作れるようになります。

教会内部は巨大な窓にはめこまれた
ステンドグラス越しの光で照らされ、

神の光」を感じさせる空間が完成しました。

 

ステンドグラスの黒い線の部分には、
熱膨張の少ないが使われ、

ガラス部分には、様々な色ガラスが
使われました。

ノートルダム大聖堂もゴシック建築

ディズニーアニメにもなった
「ノートルダムの鐘」の舞台

ノートルダム大聖堂もゴシック期の
教会建築です。

「ノートルダムの鐘」で背むし男
が、よじ登っていた、

高すぎる塔もゴシックの教会建築
らしい特徴ですね。

最近は火事で一部が崩壊し、
多くの企業や富豪の寄付が
集まったことが話題になりました。

 

ゴシック美術の有名な彫刻作品

ロマネスク期の彫刻は枠の法則
に縛られ、柱の形に従属していました。

 

ゴシック期の彫刻では枠の法則から
徐々に解放され、

柱の一部ではあるものの、
ほぼ丸彫りに近い、

より自由で写実的な造形の
彫刻が登場します。


当時の人物表現の特徴はS字型
流麗なポーズと慈愛に満ちた
親しみやすい表情です。

 

ロマネスク期の人物表現は
超越的で、崇高な

近寄りづらい感じの表情でしたが、
これとは対照的なわけです。

ゴシック美術の栄えたの頃、イタリアでは

ローマ→メロヴィング朝→カロリング朝
という感じで、ローマ帝国滅亡後は

ゲルマン系国家がヨーロッパを
広く支配していました。

 

美術の中心も当然、もはやローマになく、
フランスに移っていました。

(今回紹介した大聖堂の多くは
ドイツやフランスです。)

 

この頃イタリアでは未だに
ビザンティン様式が続いていましたが、

その中から次の時代を作る画家が登場します。

 

当時の13世紀のイタリアでは、
各地で貿易で富をなし、

力を持ち始めた市民が集まって
城壁を築き、都市を作っていました。

 

都市一つで一つの国のような感じですね。

 

イタリアには各都市に
サッカーチームがあり、

盛り上がっていますが、

これは中世に多く作られた
城塞都市のおかげなんですね。

 

(これに対し、フランスは有名都市
がパリくらいなので、
こうはいかないようです。)

 

そんな市民社会の発達しつつあった
当時のイタリアでは

フィレンツェシエナ
2つの都市から、
多くの画家が生まれます。

 

フィレンツェでは、
ビザンティン美術の影響を残しながらも

より自然で、人間らしい絵画を描いた
シモーネ・マルティーニが登場します。

シモーネ・マルティーニは
『受胎告知』で有名です。

そしてこの、シモーネ・マルティーニの
弟子だった

ジョット・ディ・ボンドーネ
ルネサンスの始まりをもたらした

と言われています。

ジョットの絵画は従来までの
「絵画は建築の一部」
という常識を覆すものでした。

芸術の主役を建築から絵画にかえるほど、
ジョットの絵画は大きな影響力を
もっていたようです。

 

 

ゴシック美術の特徴まとめ

今回はゴシック期の美術について紹介しました。

ドイツやフランスの巨大な聖堂や
ステンドグラスは800年も
前に作られていたんですね。

 

またジョットの登場のおかげで、
絵画の時代は始まったというのも、

意外と知られていないかもしれません。

ゴシック期の特徴をまとめると

・壮大なスケールの大聖堂と煌びやかなステンドグラス

・丸彫り彫刻の登場

・絵画が初めて建築から自律した

という感じですね。

 

次回は初期ルネサンスについて
紹介しようと思います。

それではまた

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