[おすすめ画材紹介]油絵の具やキャンバスなど油絵の道具を紹介

 

目次

油絵具とは

 

 

 

 

・油絵具の組成と特徴

油絵の具は

顔料+乾性油 で出来ています。

 

顔料について詳しくはコチラ

 

 

 サラダ油をキッチンにずっと置いていたら、固まってしまった!  という方はいないと思います。サラダ油は乾かない油なんですね。

これに対し乾性油は文字通り
乾く性質の油です。

 

最もメジャーな乾性油は亜麻からとった油の
リンシードオイルです。

 

 

 

 

 

 

リンシードオイルの他にも芥子からとった
ポピーオイルクルミからとった、
ウォールナットオイルなども

乾性油の代表となっています。

油絵の具の最大の特徴は
透明色と不透明色がある
ということです。

 

油絵の具は唯一の透明な絵の具なんですね。

これは乾性油が高い屈折率を持つからで
これにより、ガラスのように見る角度により
微妙に表情を変える面を塗れるんです。

 

前回紹介した「透明水彩絵の具
科学的には透明ではなく


透明に見えるだけ
 なんだそうです。

透明水彩絵の具は大量の水で薄めて
透明に見せかけている
ということなんですね。

 

 

・溶き油って何?

 

 

 

水彩絵の具やアクリル絵の具は
水に溶いて使いますが

油絵の具は違います。

溶き油という油に溶いて使うんですね。
溶き油は先ほど紹介した乾性油の他に

揮発油や樹脂を混ぜて作ります。

 

有名どころでは

揮発油:リンシードオイル、ポピーオイルなど
乾性油:テレピン、ペトロールなど
樹脂:ダンマル樹脂など
乾燥促進剤:シッカチーフなど

 

などがあります。これらを
溶き油=揮発油2+乾性油1+樹脂1+乾燥促進剤(少々)

のような比率で調合します。

 

予め調合済みのペインティングオイル
売っていますが
自分で作ることをおすすめします!

なぜかというと

制作の段階に応じて調合比率を変える
と、より油絵らしい油絵が
描けるからなんです。

 

序盤は揮発油を多めに、中盤は↑の
溶き油の比率で、終盤は乾性油多め
での
調合がおすすめです!

 

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油絵の伝統的な3つの技法

・初期フランドル派の技法

 

 

油絵の技法は今から600年ほど前
確立されました。

この頃、油絵はキャンバスではなく
オークなどのに描かれていました。

 

石膏や白亜膠水で練って
地塗りを施し、白い地に描いていきます。

 

 

 

 

この頃の油絵の具は今とは異なり
固練りではなく、ビシャビシャでした。

この色水のような、油絵の具を白い地塗りに
何層も塗って仕上げます。

 

イメージとしては薄いセロファンを
何枚も貼っていくイメージ
ですね。

なので暗い部分ほど、絵の具層が厚くなる
という描き方になります。

 

この描き方は最も頑丈な(剥がれたりしない)
技法らしいですがとっても時間がかかります。

 

 

 

 

油彩技法を確立したヤン・ファン・アイク
はこの技法で描いたようです。

 

・ヴェネツィア派の技法

 

 

初期フランドル派の活躍から約100年後
今から500年ほど前ヴェネツィア
次なる油彩技法が生まれます。

この頃から
油絵にキャンバスが使われ始めます。

 

 

この頃のヴェネツィアは地中海貿易で栄え
富を蓄えた商人が多くいました。

 

キャンバスに最適な帆船の帆
絵を買うお金持ち

当時のヴェネツィアにはたくさんいた
というわけです。

 

この頃、高まる絵の需要に応えるべく
よりスピーディーに描く技法
生まれます。

ヴェネツィア派の技法は
木枠に張ったキャンバスに一度
有色の地塗りをしてから描きます。

 

この有色地塗りの技法を
インプリマトゥーラといいます。

インプリマトゥーラには
様々な利点があります。

 

・キャンバスと絵の具をうまくかみ合わせる
・明るい色と暗い色を同時に描き進められる
などです。

 

油絵の具は乾燥が遅いため、一度塗ると
乾燥を待つ間、描けないんですね

 

そこで、有色の地塗りを施してから
描き始めることで

地塗りよりも明るいゾーン
地塗りよりも暗いゾーンを
同時に描き進めるわけです

 

ちなみに、地塗りよりも暗いゾーンは
透明色の重ね塗り(グレーズ技法)で

地塗りよりも明るいゾーンはモチーフの
固有色を不透明色で描いたようです。

 

初期フランドル派よりも、スピーディーで
色幅を増やせる技法なんですね。

 

17世紀の画家の技法

 

 

 

 

ヴェネツィア派の活躍から100年後
今から400年ほど前
また新たな油彩技法が生まれます。

 

 

この頃、固練りの絵の具が登場し
絵具を盛り上げる厚塗りの表現が登場します。

 

この頃用いられた油彩技法はコチラ

・インパスト:不透明色の厚塗り、
ハイライト(最も明るいゾーン)に用いられる

・スカンブル:不透明色の薄塗り、
中間トーンに用いる。

・グレーズ : 透明色の薄塗り、
主に暗部(全体的に暗くする場合、
画面全部に施すこともあります。)

 

この頃のインパストを用いた有名な作例が
レンブラントの油絵です。

 

 

 

彼の作品のハイライト部分はインパストで
盛り上げて表現されていますね。

 

 

プロの画家が選ぶおすすめ画材

 

 

 

 

 

油絵の具は他の画材に比べ
高価な画材なんです

なので、大作を描くとなると
大量の絵の具が必要で大変!

 

そんなあなたにおすすめな
お手頃な油絵の具がコチラ

 

 

 

ウィントン 油絵の具

 

 

 

大容量で、値段もお手頃なので
どんどん使えます。

 

またこちらのメディウムもおすすめです。

 

 

 

 

オレオパスト

絵の具と1対1で混ぜて使うので
絵の具の減りを抑えられます。

あまり、絵の具の変色もなく、乾燥を早める
効果があるので
まさに大作向きかもしれません。

制作にも慣れてきたので
ワンランク上の上質な油絵の具で
じっくり絵を描きたい

 

そんなあなたには、各油絵の具メーカーが
出す最高級油絵の具を紹介します。

 

 

ヴェルネ

ホルベインの出している高級油絵の具が
ヴェルネです。

透明感が本当に美しく、宝石のような
絵の具となっています。

 

絵の具の硬さ、艶も絶妙で、緻密な描写
にも向いています。

透明色全般とシルバーホワイトが特に
おすすめのシリーズです。

 

GUILD

クサカベの出している高級油絵の具が
GUILDシリーズです。

色数が限られたシリーズで
ファンエイクビリジャンなど
全てに巨匠の名前がついています。

 

クサカベの絵の具はやや固練りなのが
特徴で、厚塗り表現のような
絵の具の物質感を生かした表現に
いています。

 

このGUILDシリーズもそうで不透明色は
もちろん、透明色も強い存在感をもった
絵の具になっています。

 

ウルトラマリン(ピサネルロブルー)
本当に発色が良く、驚きました。

 

是非試してみてください。

 

マイメリPURO

マイメリの出す最高級絵の具が
PURO(ピューロ)です。

高級油絵の具には珍しく大容量なので
お値段もそれなりです。
(セルリアンブルーなんかは2万円を超えます!)

 

しかし
確かな発色と物質感、程よい滑らかさ
があり、バランスの良い絵の具
だと思います。

 

おすすめはジンクホワイトですね。
これが、本当にキレイなんですよ。

 

ジンクホワイトは白の中では物質的に弱く
表層にしか使えない(完成間近にしか使えない)
など、制約がある色なんですが
挑戦の価値は十分あると思います。

 

 

 

Rembrandt

こちらはターレンスの出している
高級油絵の具です。クサカベ同様
やや固練りで、発色が良いのが特徴です。

透明色の透明感も美しく
絵の具の色数は最も豊富
なので、
高級油絵の具を全色揃えたい

という方にはおすすめです。

油絵の名作

 

 

 

 

 

 

初期フランドル派 代表  ヤン・ファン・エイク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

油絵の技法を確立した
ヤン・ファンエイクの作品です。

どこまでズームしても細部がある
ような超緻密な描写がみどころですね。

 

 

 

 

ティツィアーノは強い明暗の
コントラストと色彩が特徴です。

全体に茶色がかって見えるのは
制作序盤に褐色のインプリマトゥーラ
を施しているからです。

 

当時、ティツィアーノらヴェネツィア派の
画家は気づいていなかったようですが

この頃の白絵の具の鉛白(シルバーホワイト)
は時間が建つと半透明になる(ペンティメント)
という変化
が起きます。

 

それで、全体的に茶色い空間に
なっているんですね。

 

17世紀の画家 代表 レンブラント・ファン・レイン

 

 

 

 

 

 

彼の絵画の特徴は何と言ってもインパスト
(
ハイライトの厚塗り表現)です。

金属のハイライトや、肉の質感がインパスト
で絶妙に表現されています。

 

 

まとめ

 

 

 

 

 

今回は油絵の具の組成、特徴、
技法、名作

について解説してみました。

次回はアクリル絵の具について
詳しく解説します。

 

コチラも是非チェックしてみてください。

[おすすめ画材紹介]アクリル絵の具やジェルメディウムなどアクリル画の道具を紹介

2017.10.29

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